蟬しぐれ

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評判

蟬しぐれの評価:

4.67/5点 レビュー 169件。 S ランク

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平均点4.67pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全340件 221〜240 12/17ページ
No.120
(5pt)

良質な時代小説のお手本

舞台、主人公の年齢設定、心理描写と風景描写、筋書きの芯となる苦難と陰謀、友情と淡い恋、剣と成長。これらを組み合わせたバランスがよい、テンポがよい、無駄がない。
時代小説になじみのない若年層から、歴史もの時代ものをいろいろ読んだ熟年層まで(そういう人はすでに読んでいるだろうが)お薦め対象者を選ばない。
それにしても日本人というのは、うだる夏空の蝉しぐれに包まれると、遠い少年・少女の日に自動的にトリップしてしまう仕様になっているみたいだ。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.119
(5pt)

良質な時代小説のお手本

舞台、主人公の年齢設定、心理描写と風景描写、筋書きの芯となる苦難と陰謀、友情と淡い恋、剣と成長。これらを組み合わせたバランスがよい、テンポがよい、無駄がない。
時代小説になじみのない若年層から、歴史もの時代ものをいろいろ読んだ熟年層まで(そういう人はすでに読んでいるだろうが)お薦め対象者を選ばない。
それにしても日本人というのは、うだる夏空の蝉しぐれに包まれると、遠い少年・少女の日に自動的にトリップしてしまう仕様になっているみたいだ。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.118
(5pt)

信じられない!!

そんなにたくさん本を読んでるわけではないので
よくこの本は何度も読み返したくなる〜とか、擦り切れるまで読む〜とか
理解できなかったし、好きな本に対するお決まりのほめ言葉としか見てなかったけど
この本を読んでその気持ちがよく分かりました。
もう何度も読み返してるし、きっとこれからも何度も手に取ると思います。
すごいよかった。
初めて時代物を読んだので最初はすごく読みづらい気がしたけど
すぐなれました。
文四郎のまっすぐさや、闘うときの緊張感もすごくいい。
でも、何より言葉では表せない雰囲気や空気がありました。
しばらくするとその雰囲気が恋しくなって思わず読み返しちゃうんです。
こんな気持ちになれる本とは後にも先にもこの一冊だけだと思います。
読んでよかった。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.117
(5pt)

信じられない!!

そんなにたくさん本を読んでるわけではないので
よくこの本は何度も読み返したくなる〜とか、擦り切れるまで読む〜とか
理解できなかったし、好きな本に対するお決まりのほめ言葉としか見てなかったけど
この本を読んでその気持ちがよく分かりました。
もう何度も読み返してるし、きっとこれからも何度も手に取ると思います。
すごいよかった。
初めて時代物を読んだので最初はすごく読みづらい気がしたけど
すぐなれました。
文四郎のまっすぐさや、闘うときの緊張感もすごくいい。
でも、何より言葉では表せない雰囲気や空気がありました。
しばらくするとその雰囲気が恋しくなって思わず読み返しちゃうんです。
こんな気持ちになれる本とは後にも先にもこの一冊だけだと思います。
読んでよかった。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.116
(5pt)

数年後、もう一度読みたくなる作品。

時代小説好きな方はもちろん、敷居が高そうと感じて挑戦できない方や、これから読書を始めてみようという若い人にも読んで欲しい作品。

 この作品には、様々な要素(恋、別れ、友情、戦い)が絶妙なバランスで折り重なっていき収束していく爽快感がある。この作品で、最後のシーンを確かめたときに感じた気持ちを、言葉に出来なくてもいいから大事にして欲しいと思う。心を豊かにしてくれる作品だ。

 ただし、物語が急展開を迎えるまでにかなりのページ数を読む必要があるために、途中で挫折する人がいるかもしれない。それでも最後まで読んで欲しい。主人公と共に歩んでこそ、最後にこみ上げてくる思いに意味が生まれてくる。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.115
(5pt)

数年後、もう一度読みたくなる作品。

時代小説好きな方はもちろん、敷居が高そうと感じて挑戦できない方や、これから読書を始めてみようという若い人にも読んで欲しい作品。

 この作品には、様々な要素(恋、別れ、友情、戦い)が絶妙なバランスで折り重なっていき収束していく爽快感がある。この作品で、最後のシーンを確かめたときに感じた気持ちを、言葉に出来なくてもいいから大事にして欲しいと思う。心を豊かにしてくれる作品だ。

 ただし、物語が急展開を迎えるまでにかなりのページ数を読む必要があるために、途中で挫折する人がいるかもしれない。それでも最後まで読んで欲しい。主人公と共に歩んでこそ、最後にこみ上げてくる思いに意味が生まれてくる。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.114
(5pt)

少年から大人への繊細かつ深い描写

純粋な少年剣士牧文四郎に突然、尊敬していた父の切腹、家禄の召し上げ、淡い想いを抱いていたおふくの奥入りと、少年に理不尽な不条理がつきつけられる。
藩内の人からも非難される中、剣に打ち込むことで心身ともに強くなっていく文四郎。
しかし、逞しく成長した文四郎だが、本人の意思とは別に権力闘争に巻き込まれていく・・・
いつもの海坂藩を舞台として、少年の成長のさまを描いた作品。
目の前に浮かぶような景色と少年から大人へと変わっていく繊細な心の動きの描写が読者をぐいぐいと引き込んでいきます。
著者の作品は重厚で玄人好みともいえるものが多いですが、これは比較的若い人にもお勧めしたい一品です。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.113
(5pt)

少年から大人への繊細かつ深い描写

純粋な少年剣士牧文四郎に突然、尊敬していた父の切腹、家禄の召し上げ、淡い想いを抱いていたおふくの奥入りと、少年に理不尽な不条理がつきつけられる。
藩内の人からも非難される中、剣に打ち込むことで心身ともに強くなっていく文四郎。
しかし、逞しく成長した文四郎だが、本人の意思とは別に権力闘争に巻き込まれていく・・・
いつもの海坂藩を舞台として、少年の成長のさまを描いた作品。
目の前に浮かぶような景色と少年から大人へと変わっていく繊細な心の動きの描写が読者をぐいぐいと引き込んでいきます。
著者の作品は重厚で玄人好みともいえるものが多いですが、これは比較的若い人にもお勧めしたい一品です。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.112
(5pt)

作家の力量

風景描写が素晴らしい。精緻な文章とはこうゆう文章を言うのだと思えた。
純粋な文章の表現力に驚くことは少いが、GWに実家で父親の本棚にあったこの作品に驚いた。ファンが多いのは知っていたが、藤沢周平が優れた作家であると遅ればせながら知った。
主人公は江戸時代、北国のとある藩の下級武士の子である。当時の武士の子弟は儒学や剣術に励み、将来の官吏としての修行に励む。幼少から主人公は剣に抜群の才能をみせる。
藩の権力争いによる父親の横死などの困難に耐えながらも友情や剣術に励む姿が描かれる。その話の展開は無駄が無く、無理が無い。
奇抜な展開で構成された小説と対極に位置するような、丁寧な描写と無理の無い展開による構成は同時に強い説得力とリアリティを持つ。
主人公は平凡な半生を送るのではない。しかし、抜群の剣の腕前を持ちながらも、やはり主人公は普通の人間であり、藩という組織の内部抗争に翻弄される下級武士である。剣は主人公を助けるが、主人公を超人にはしない。

主人公は良い結末を迎えるが、読後に残るのはやはり切なさである。不幸な結末となった人々や藩という組織の非常さ、抗いようもない下級武士の悲哀、過ぎ行く少年期、それらに対する緻密な描写が主人公の活躍があっても心躍る物語ではなく、切ない物語にしている。
印象的な場面が多々ある。
冒頭の自然描写。
物静かな父が大声を上げて進言し、その確固たる良心に日頃の尊敬の念を深めた場面。
主人公が死罪となった父に思いを伝えられなかったことを悔やむ場面。
刑死した父の遺体を荷車に載せて牽く主人公の描写。
先輩の官吏に従って野山に分け入って農村を巡り、稲の作柄を相談する場面。
上げればきりがないが、精緻な文章がそれぞれの名場面を表現しており、それらが無理のない展開で連なっている。
それぞれの名場面の描写はおそらく、作者が相当の労力を掛けて書き上げた労作と思われる。そう思えるほど良く練られており、緻密である。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.111
(5pt)

作家の力量

風景描写が素晴らしい。精緻な文章とはこうゆう文章を言うのだと思えた。
純粋な文章の表現力に驚くことは少いが、GWに実家で父親の本棚にあったこの作品に驚いた。ファンが多いのは知っていたが、藤沢周平が優れた作家であると遅ればせながら知った。
主人公は江戸時代、北国のとある藩の下級武士の子である。当時の武士の子弟は儒学や剣術に励み、将来の官吏としての修行に励む。幼少から主人公は剣に抜群の才能をみせる。
藩の権力争いによる父親の横死などの困難に耐えながらも友情や剣術に励む姿が描かれる。その話の展開は無駄が無く、無理が無い。
奇抜な展開で構成された小説と対極に位置するような、丁寧な描写と無理の無い展開による構成は同時に強い説得力とリアリティを持つ。
主人公は平凡な半生を送るのではない。しかし、抜群の剣の腕前を持ちながらも、やはり主人公は普通の人間であり、藩という組織の内部抗争に翻弄される下級武士である。剣は主人公を助けるが、主人公を超人にはしない。

主人公は良い結末を迎えるが、読後に残るのはやはり切なさである。不幸な結末となった人々や藩という組織の非常さ、抗いようもない下級武士の悲哀、過ぎ行く少年期、それらに対する緻密な描写が主人公の活躍があっても心躍る物語ではなく、切ない物語にしている。
印象的な場面が多々ある。
冒頭の自然描写。
物静かな父が大声を上げて進言し、その確固たる良心に日頃の尊敬の念を深めた場面。
主人公が死罪となった父に思いを伝えられなかったことを悔やむ場面。
刑死した父の遺体を荷車に載せて牽く主人公の描写。
先輩の官吏に従って野山に分け入って農村を巡り、稲の作柄を相談する場面。
上げればきりがないが、精緻な文章がそれぞれの名場面を表現しており、それらが無理のない展開で連なっている。
それぞれの名場面の描写はおそらく、作者が相当の労力を掛けて書き上げた労作と思われる。そう思えるほど良く練られており、緻密である。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.110
(4pt)

どっしりとして歴史小説

藤沢作品を初めて読んだ。

文章の流れがきれい、剣での戦い場面はグイグイ引き込まれるような表現、主人公とその周りの人たちの言葉、ストーリーの進め方 

脇目もせず、どっしりとして大河小説のような安心して読める歴史小説ですね。

これまで、有名な歴史上の人物の歴史小説を読んできたが、蝉しぐれのような歴史小説もとても面白いのですね。

落ち着いて読むには、藤沢作品はとても良いと思います。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.109
(4pt)

どっしりとして歴史小説

藤沢作品を初めて読んだ。

文章の流れがきれい、剣での戦い場面はグイグイ引き込まれるような表現、主人公とその周りの人たちの言葉、ストーリーの進め方 

脇目もせず、どっしりとして大河小説のような安心して読める歴史小説ですね。

これまで、有名な歴史上の人物の歴史小説を読んできたが、蝉しぐれのような歴史小説もとても面白いのですね。

落ち着いて読むには、藤沢作品はとても良いと思います。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.108
(5pt)

まだ読んでいない人は

この小説を表現できる言葉が見つかりません。

何度も何度も、繰り返し読んでいますが、そのたびに新たな感情が涌き起こってきます。
ただストーリーのおもしろさに酔うのではなく、語られる言葉のひとつひとつを、
味わってみたくなる。

まだ読んだことのない方は幸せかもしれません。
これから素晴らしい世界を味わうことができるのですから。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.107
(5pt)

まだ読んでいない人は

この小説を表現できる言葉が見つかりません。

何度も何度も、繰り返し読んでいますが、そのたびに新たな感情が涌き起こってきます。
ただストーリーのおもしろさに酔うのではなく、語られる言葉のひとつひとつを、
味わってみたくなる。

まだ読んだことのない方は幸せかもしれません。
これから素晴らしい世界を味わうことができるのですから。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.106
(5pt)

一途さの美しさ

「単純」という言葉はあまりよい意味では使われないが、単純であることを、私は男の美しさと思っている。単純さは一途さであり信念である。決して華やかではないが、雑音に惑わされずに立っていることのできる男を、藤沢周平は好んで書いた。私もまたそういう男を美しいと思う。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.105
(5pt)

一途さの美しさ

「単純」という言葉はあまりよい意味では使われないが、単純であることを、私は男の美しさと思っている。単純さは一途さであり信念である。決して華やかではないが、雑音に惑わされずに立っていることのできる男を、藤沢周平は好んで書いた。私もまたそういう男を美しいと思う。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.104
(5pt)

大河小説と呼ぶべき藤沢文学の傑作

東北の小藩を舞台に、文四郎と言う若き藩士を中心に、青年達の友情と成長物語、藩の中の権力争い、剣の道、そして藩の点描を大河が流れるように悠揚迫らぬ筆致で描き切った傑作。藤沢文学の代表作と言っても良い。

冒頭で藩の地理が繊細に描かれ、読者を自然に物語に引き込む。剣豪の道を歩む事になる文四郎の幼友達として、調子が良いだけに見えるが実はしっかり者の逸平、学問に秀でた予之助を配しているのも巧み。三人の友情物語が話を支える一本の柱である。冒頭では三人は15才程度。ここで、聞こえる「蝉しぐれ」は読者に子供の頃の夏の日を思い出させる。藩の勢力争いのせいで文四郎の父が切腹、文四郎の家の禄も減って苦難の道を歩く文四郎。また、文四郎を慕う隣家の娘"ふく"が江戸に旅立つ際、会えなかった事を後悔する文四郎。物語は名誉回復と"ふく"への想いを確かめるための文四郎の生き様を描いたものとも言える。不遇の文四郎は剣の道に励み、遂には道場対抗の試合に出るようにまでなる。この辺の対決シーンの迫力は凄い。「秘剣村雨」などどんな技かワクワクする。そうかと思えば、逸平に誘われて行く色街の居酒屋の酌女や文四郎が村回りで会う農民なども活き活きと描かれている。雨、風、田の様子など自然描写も物語に溶け込んでいる。まさに硬軟自在である。そして、"ふく"が藩主の側室になり、"お福さま"となる。これをキッカケに藩の権力争いが再発し、文四郎は...。

結末で壮年となった文四郎は再び「蝉しぐれ」を聞く。あの日を思い出す「蝉しぐれ」でもあり、来し方行く末の長さを噛み締める「蝉しぐれ」であろう。時代小説と言う枠を超え、大河小説と呼ぶべき藤沢文学の傑作。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.103
(5pt)

大河小説と呼ぶべき藤沢文学の傑作

東北の小藩を舞台に、文四郎と言う若き藩士を中心に、青年達の友情と成長物語、藩の中の権力争い、剣の道、そして藩の点描を大河が流れるように悠揚迫らぬ筆致で描き切った傑作。藤沢文学の代表作と言っても良い。

冒頭で藩の地理が繊細に描かれ、読者を自然に物語に引き込む。剣豪の道を歩む事になる文四郎の幼友達として、調子が良いだけに見えるが実はしっかり者の逸平、学問に秀でた予之助を配しているのも巧み。三人の友情物語が話を支える一本の柱である。冒頭では三人は15才程度。ここで、聞こえる「蝉しぐれ」は読者に子供の頃の夏の日を思い出させる。藩の勢力争いのせいで文四郎の父が切腹、文四郎の家の禄も減って苦難の道を歩く文四郎。また、文四郎を慕う隣家の娘"ふく"が江戸に旅立つ際、会えなかった事を後悔する文四郎。物語は名誉回復と"ふく"への想いを確かめるための文四郎の生き様を描いたものとも言える。不遇の文四郎は剣の道に励み、遂には道場対抗の試合に出るようにまでなる。この辺の対決シーンの迫力は凄い。「秘剣村雨」などどんな技かワクワクする。そうかと思えば、逸平に誘われて行く色街の居酒屋の酌女や文四郎が村回りで会う農民なども活き活きと描かれている。雨、風、田の様子など自然描写も物語に溶け込んでいる。まさに硬軟自在である。そして、"ふく"が藩主の側室になり、"お福さま"となる。これをキッカケに藩の権力争いが再発し、文四郎は...。

結末で壮年となった文四郎は再び「蝉しぐれ」を聞く。あの日を思い出す「蝉しぐれ」でもあり、来し方行く末の長さを噛み締める「蝉しぐれ」であろう。時代小説と言う枠を超え、大河小説と呼ぶべき藤沢文学の傑作。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604
No.102
(4pt)

北国の風雪に耐えるような,主人公の芯の強さに感服

とにかく,文四郎の芯の強さに心打たれます。

最初にそれが現れるのが,家禄を減せられてから狂ったように剣に打ち込んで行くさま。この頃はそうするより道が無かった感があるけれども,安定した生活に戻ったあとの山場で取った彼の行動は,完全なる自由意志の現れ。

事件の首謀者に相対する文四郎の立ち回りには,読んでいるだけで身震いが来ます。そこには,運命に翻弄された積年の思いを感じずにはいられません。(ちと奥さんが可哀想だけどね・・・)

「あの日,文四郎が兵馬と打ち合いをせずに家に戻っていたら」と当然誰もが思うだろうけど,それは野暮な空想というもの。

想う男と女が同じ場所に会うのも運命,会わないのもまた運命。その結果に従って生きなければならないことがあるのは,いつの時代も変わらないこと。それをはっきりと認識させてくれます。ラストシーンで,その感傷がまた際立ちました。
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25) Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)より
416719225X
No.101
(4pt)

北国の風雪に耐えるような,主人公の芯の強さに感服

とにかく,文四郎の芯の強さに心打たれます。

最初にそれが現れるのが,家禄を減せられてから狂ったように剣に打ち込んで行くさま。この頃はそうするより道が無かった感があるけれども,安定した生活に戻ったあとの山場で取った彼の行動は,完全なる自由意志の現れ。

事件の首謀者に相対する文四郎の立ち回りには,読んでいるだけで身震いが来ます。そこには,運命に翻弄された積年の思いを感じずにはいられません。(ちと奥さんが可哀想だけどね・・・)

「あの日,文四郎が兵馬と打ち合いをせずに家に戻っていたら」と当然誰もが思うだろうけど,それは野暮な空想というもの。

想う男と女が同じ場所に会うのも運命,会わないのもまた運命。その結果に従って生きなければならないことがあるのは,いつの時代も変わらないこと。それをはっきりと認識させてくれます。ラストシーンで,その感傷がまた際立ちました。
蝉しぐれ Amazon書評・レビュー: 蝉しぐれより
4163102604