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小説十八史略
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【この小説が収録されている参考書籍】
小説十八史略の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全73件 61~73 4/4ページ
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本巻では武帝がもたらした前漢の全盛期からその武帝末期の失政に端を発する前漢の衰退と滅亡、王莽の時代、後漢の成立と外戚・宦官の横暴によるその衰退、そしていよいよ三国志の序章、つまり黄巾の乱とそれが契機となった群雄の登場までをカバーします。武帝の匈奴政策に関わる人たち(例えば李陵や司馬遷)の運命の流転は他の書でも読む機会が多いでしょうが、その後の陰謀の連続といってよい歴史は、私もそうでしたが、馴染みの薄い人が多いのではないでしょうか。そういった人には本書は絶好の読み物です。皇帝専制政治の悪い面が次々と噴出します。武帝自身も罠を見抜けず有能な皇太子を死に追いやり、哀れな晩年を迎えます。陰謀をめぐらすのは宦官や外戚だけではありません。庶民の地位から登極した宣帝が善政を敷くことができたのは、霍氏一族を一掃してからでした。宣帝の時代もつかの間に終わり、凡庸な皇帝が続き、王氏一族、特に王莽が権力を奪取し、遂には自ら天子になります。この王莽が自分のたくらみを着々と進め、最後には聖人の化けの皮が剥がれて破滅に至る過程は読み応え十分で、本書の白眉だと思います。その王莽を主人公にした歴史小説が書かれるとは夢にも思いませんでしたが、塚本 青史氏が「王莽」を著し、比較的最近文庫本でも出ているので、王莽の屈折した心理を深く探求したい人は同書を併読するとよいでしょう。王莽の後、漢は復興しますが、優秀な皇帝は初代光武帝・第二代明帝ぐらいで後は政治は乱れっぱなし。混乱の中で、いよいよ三国志の英雄達が登場する時を迎えます。本シリーズの虜になった読者は次巻を待ちきれないことでしょう。 | ||||
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非常に質の高い「歴史小説」です。 陳氏の深い知識に支えられた正確な大筋と時に混じる空想の部分とが渾然一体となって高い効果を挙げています。 あくまで小説です。その全てを信じてしまってはいけません。 不満があるとすれば共謀説がやたら多い所ですが、これは『秘本』以来のことですからしょうがないでしょうね。 | ||||
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中国の歴史は、三国時代や春秋戦国時代は比較的知られていますが、それ以外の時代をのことを知ろうとすると専門的で難解な史書に頼らざるを得ませんでした。その点、陳さんの本はどの時代も平等に描かれていて、しかも面白い。中国史に興味のある人はぜひ読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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中国の歴史が好きなのでシリーズ通して大変面白く読めました。 私がおすすめするのは漢の武帝とその息子、戻太子にまつわる悲劇から宣帝時代までのくだりです。 さまざまな伏線と謀略とが入り混じってすごく面白いのです。 登場人物が多い上に長い年月のことを書いていますので、人物の掘り下げなどは多くないのですが、このシリーズでは人物を描くことを目的としていませんので問題ありません。 むしろすっきりしていて良いくらいです。 時代の大きな流れ、その中で象徴的ともいえるエピソードの数々を作者の想像を交えて書いているのですから、人物に感情移入したい人には向いていません。 客観的に時代の流れを見ることができ、歴史に造詣が深くない人にも楽しく読めます。決して堅苦しくありません。 エピソードの大半は皇帝やその周辺の人々のスキャンダルなんですから…。 この巻の目玉はやはり、武帝の時代だろうと思います。 特に霍去病は人気のある武将ですからご存知の方もいると思います。 また、悲劇の将軍李陵や彼を弁護した為に罰せられた司馬遷など見所は盛りだくさんです。 ぜひ、読んでみてください。 | ||||
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陳 舜臣さんの書かれた本は、ほとんど全て読みました。その中でも、「中国の歴史」と「小説十八史略」は、何度読み返しても面白いです。「中国の歴史」は少し固い文章ですが、こちらは小説として読める本です。6巻からなりますが、おそらくあっというまに読んでしまうでしょう。大学生の頃からもう4-5回読み返したでしょうか。お勧めです。 | ||||
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同著者、陳舜臣「中国の歴史」にくらべて読みやすく感じた。 これは原著が優れていたのか、それとも著者の筆力によるのかは、私には知識がなくてわからないが、非常に面白かった。 特に時代の流れ、どうしても一人の人間によっては解決できないようなうねりが、各時代のヒーローたちに、なぜそのようなことをさせたのか、がわかるような気がした。 | ||||
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項羽と劉邦の時代が過ぎ、英雄が多くでて日本では好まれる三国時代までの流れを追っていく小説。次にくる三国志の時代の伏線を引くために興味を惹く文章になっている。 この時代には西域の拡大に伴う英雄が多く排出され、しだいに「中国」が拡大している様子がよくわかる。しだいに国が膨張をはじめ、視野が広がっていく。大国となった後、内憂により破綻していく。 歴史的には安定していた時代のように見えて、内紛の続いた様子をよく描いている。 | ||||
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三国志の時代を描いた前半よりも、五胡十六国、南北朝の時代を描いた後半の方が、私には遥かに面白かった。 この時代、漢民族は、北方異民族(五胡)に黄河流域を追われて江南地方に逃げ込み、約200年の間に、6つの小型王朝を興亡させた(よって、「六朝時代」とも呼ばれる)。マッチョな北方への反発からか、南朝の国家は貴族趣味に走り、上流階級の男達は、驚くと気絶するくらい ひ弱な方がクールとされたと言う。馬車に乗るにも、お供の人達に抱っこしてもらったというダメダメぶりである。 情けないと言えば、限りなく情けないが、儚げなものを美しいと見る感覚は、なんとなく日本人的な気もする。また、こんな風潮の中にあって、芸術・文化は成熟し、陶淵明、王義之のような、後世に決定的な影響を与える天才も出現している。 一方、北朝の国家の気風も次第に洗練されていき、「他民族との融和」という理想主義を掲げ、天下統一目前まで行きながら、尊重していた筈の他民族出身の将軍に裏切られて自滅し、失意の最期を迎える、苻堅のような人物も登場する。この時代の君主は、名君・暗君ともに、どこか、現代人的な脆さを感じさせる人が多い。 また、数世紀後の地方小王朝である南唐(このシリーズの第6巻に登場)も、軍事的にはボロボロながら、文化的・経済的には繁栄し、芸術面で不滅の影響をのこしたと言う。「国が栄える」とはどういうことか考えさせられる。 | ||||
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やはり、長い歴史をさらっと読めるところがいいように思います。 ただ、その分スピードが速いのが難点かと。 おそらくこの本を買おうという人は、中国歴史物全般に興味が あると思うので、いろんな著者の各時代の著書なんかと併せて 読むと一層面白いのでは。 この本で数十頁分の時代も、数冊の本で書かれている場合が多い ですから。 安能務や吉川英治や田中芳樹や、私はそういった人の本を読み 漁っています。 逆に、すでに詳しい人にとっては、ある意味ダイジェスト的に 楽しめます。他の本の訳とは話が違ったりして楽しめる部分も あります。 | ||||
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小説として面白いことは、別のレビュアーの方が既に述べておられますから 省略します。とてもよくできた歴史小説だと思います。しかし、この本は曾先之が書いた原本十八史略とは、全く違うのですよ。曾先之の十八史略は評価の低い歴史書で、単なる歴史書の抜粋ですから読んでいて餘り面白くありません。はっきりいって創作を大幅に交えた陳氏の方が面白いのです。 古典の教材として良く使われる曾先之の本の訳を読みたい方は、別の本を読んだほうがよいでしょう。 | ||||
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武帝の時代に登場する衛青、彼は七度匈奴に遠征し七度匈奴を打ちまかして歴史上に名高い英雄の仲間入りを果たしましたが、彼は、今でいう娼婦の息子です。視点を変えて読んでみると、娼婦の息子で奴隷だった身分から一機に車騎将軍まで登りつめた彼のサクセスストーリーはただの、歴史のいたずらか?視点を変えて読んでみると、面白さ倍増です! | ||||
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中国。日本人にとって最も身近な隣国であるこの国の歴史に対して、果たして我々はどれほど正確に理解してきただろうか。 このシリーズでは殷から南宋に至る中国史が、中国の史書「十八史略」を下敷きとして語られている。「小説」と銘打つ中で紀伝体、すなわち人物ごとのエピソードをモチーフに書き進められているため、大変読みやすい構成に仕上がっている。項羽、劉邦、始皇帝など、日本でも良く知られた登場人物の息吹が、間近に伝わってくるようである。 また、本書(1)でも早速「酒池肉林」や「臥薪嘗胆」などの成語の由来について触れられているが、中国史が編み出してきた中国の文化を理解するのにも格好の本である。 本書(1)では、まず殷から周、春秋、戦国を経て、秦による天下統一までをえがいている。特に中国文明の源である「中原」に関するエピソードの比重が高いこともあり、中原がいかにして「中原」たり得たが理解できたことは望外の収穫であった。 巻末に各時代の地図が添付されているので、現代の中国地図と対照して読むとなお一層面白い。 | ||||
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第4巻は魏晋南北朝。つまり三国志の時代です。 陳舜臣の十八番といえるところでしょう。 三国だけでなく、五胡十六国時代の戦乱も三国志を読んでいるかのような 血わき肉踊る物語になっています。 分裂時代というのは複雑で理解しにくいものなのですが その時代の中心的人物を取り上げ、物語を進めていく手法は 感情移入しやすく、エピソードの取捨選択も すっきりしていると思います。 | ||||
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