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言語を生みだす本能
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言語を生みだす本能の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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言語の獲得が人間の本能として、脳内に組み込まれていることを、 ユーモアを交えながらわかりやすくかつ深く解説したものです。 ゲノムメカニズムが脳内配線を大まかに決め、幼少期、成長期を通じて、 言語の獲得・活用に関する脳内配線が決まるというものです。 従って、大人になってからの外国語の習得が難しいこと、 外国語の習得・活用は母国語と異なる脳内配線を使うこと、 が本書で詳しく解説されています。 言語といえば、ノーム・チョムスキーですが、 ピンカーはその弟子でありながら、チョムスキーを超えた理論を展開しています。 進化心理学者であるピンカーは、本書を皮切りに、 進化理論をベースとして人間の本性に迫っていきます。 「心の仕組み」「人間の本性を考える」も併せて読まれることをお薦めします。 2008/3/8読了(上下巻) | ||||
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原書が1994年発刊なので、情報が古く、著者の論理が成り立たない記述もあります。例えば、現在ではヒトゲノム計画が終わり、まだ確定してはいませんが、ヒトの遺伝子は、タンパク質をコードしない遺伝子を含め、4万個くらいと言われていますが、この本は1990年代なので、ヒトの遺伝子の推定10万個のうち言語に関係する遺伝子は3万5千個と記述しています。しかし、チョムスキーの言語理論を簡単に一般読者向けに易しく解説しているページもあり、言語とは?を学び始める人にとって、まだ役に立つ箇所を含む本です。いきなりチョムスキー(著)「文法の構造 (syntactic structures)」を読んでも、言語は難しく自分にはちんぷんかんぷんと思うのが普通の人と思いますが、一般読者向けに書いた、この本を読めば少しは理解出来る能力が形成出来るのではないかと思います。私は、言語が専門ではないので、深堀りはしませんが、役に立ちました。 | ||||
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タイトルから、科学分野のようですが、言語学に近い ように思われます。 或る意味では「脳研究」、或る意味では「人体生理」と いうようにも思える「章」がありますが、上下冊を 通じてみると、「言語学」に近いように思われます。 いろいろな角度から記述されていますので、 期待値と評価は、各人バラバラでしょう。 面白いです・ | ||||
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タイトルから、科学分野のようですが、言語学に近い ように思われます。 或る意味では「脳研究」、或る意味では「人体生理」と いうようにも思える「章」がありますが、上下冊を 通じてみると、「言語学」に近いように思われます。 いろいろな角度から記述されていますので、 期待値と評価は、各人バラバラでしょう。 面白いです・ | ||||
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本書は心理学者「スティーブン・ピンカー」による言語学入門書である。本書を通じて人が考え、話し、相手との会話を理解し、言語を習得するために必要不可欠な「言語を生み出す本能」とは何であるか?について著者と共に探求することができるだろう。では、まず言語学とはどのような学問であるのかについて説明していきたい。それは以下の学問領域から構成されている。 1, 言語学とはどのように機能しているのかについての研究領域(文法、統語論、音韻論、語用論;詳しくは添付した資料を参考にしてほしい。) 2、言語がリアルタイムでどのように処理され、進行していくのかについての研究領域 3,言語は脳科学的にどのように処理されて理解したり、発話したり、思考したりするのかについての研究領域 4,言語はどのようにして習得されるのかについての研究領域 次に言語学はこれまでどのようにその研究領域を発展させていったのかについて説明していきたい。そのために言語学の発展に寄与した二人の偉大な言語学者を紹介したい。それはソシュールとチョムスキーである。ソシュールは音と意味の恣意性を発見した言語学者だ。具体例を挙げて説明したい。「アヒル」という単語を思い浮かべてほしい。あなたは脳裏に鳥のアヒルを想像するはずである。しかし、想像されたアヒルは日本語では「アヒル」、英 語では「Duck」と発音する。これを発見したことがソシュールの言語学における功績である。次にチョムスキーの言語学における功績について説明していきたい。チョムスキーの言語学における功績は以下の通りである。 1, 人間は文法に基づいて新しい文を創造し、また理解する能力を持っていることの発見 2, 言語は意味とは全く関係のないルールに従って表現されているという発見(例えば、同じ意味でもフランス語と英語では異なった文法ルールで文が表現されるという発見) 3, いかにして単語を組み合わせて文を構築していくかに関する問題提起をした功績 4, 子供はどのようにして言語を習得するのかについての問題提起をした功績 5, 全ての言語に共通する「普遍文法」の存在に関して問題提起をした功績 そして、この二人の偉大な言語学者の功績を継承し発展させようとしているのが著者である「スティーブン・ピンカー」である。より具体的には最新の発達心理学の知見(赤ちゃんがどのようにして言語を習得するかに関する研究)、考古学的分析による言語の起源に関する知見、脳科学及び遺伝学と言語の関連性に関する知見を引用して「言語本能論」を論じようとしているのである。そしてこの「言語本能論」を足掛かりにして「概念意味論」を論じたことも「スティーブン・ピンカー」の功績の一つとして数えられるかもしれない。「概念意味論」とはメタ言語に関する理論で「物質」、「空間」、「時間」、「因果」に関する概念を利用して言語を形作っているというものだ。 以上が本書の概要である。本書を通じて人間の本性を知るための窓としての言語に魅了されるかもしれない。なぜならば、言語それは人間だけが有する奇跡の能力なのだから。 | ||||
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本書は心理学者「スティーブン・ピンカー」による言語学入門書である。本書を通じて人が考え、話し、相手との会話を理解し、言語を習得するために必要不可欠な「言語を生み出す本能」とは何であるか?について著者と共に探求することができるだろう。では、まず言語学とはどのような学問であるのかについて説明していきたい。それは以下の学問領域から構成されている。 1, 言語とはどのように機能しているのかについての研究領域(文法、統語論、音韻論、語用論;詳しくは添付した資料を参考にしてほしい。) 2、言語がリアルタイムでどのように処理され、進行していくのかについての研究領域 3,言語は脳科学的にどのように処理されて理解したり、発話したり、思考したりするのかについての研究領域 4,言語はどのようにして習得されるのかについての研究領域 次に言語学はこれまでどのようにその研究領域を発展させていったのかについて説明していきたい。そのために言語学の発展に寄与した二人の偉大な言語学者を紹介したい。それはソシュールとチョムスキーである。ソシュールは音と意味の恣意性を発見した言語学者だ。具体例を挙げて説明したい。「アヒル」という単語を思い浮かべてほしい。あなたは脳裏に鳥のアヒルを想像するはずである。しかし、想像されたアヒルは日本語では「アヒル」、英 語では「Duck」と発音する。これを発見したことがソシュールの言語学における功績である。次にチョムスキーの言語学における功績について説明していきたい。チョムスキーの言語学における功績は以下の通りである。 1, 人間は文法に基づいて新しい文を創造し、また理解する能力を持っていることの発見 2, 言語は意味とは全く関係のないルールに従って表現されているという発見(例えば、同じ意味でもフランス語と英語では異なった文法ルールで文が表現されるという発見) 3, いかにして単語を組み合わせて文を構築していくかに関する問題提起をした功績 4, 子供はどのようにして言語を習得するのかについての問題提起をした功績 5, 全ての言語に共通する「普遍文法」の存在に関して問題提起をした功績 そして、この二人の偉大な言語学者の功績を継承し発展させようとしているのが著者である「スティーブン・ピンカー」である。より具体的には最新の発達心理学の知見(赤ちゃんがどのようにして言語を習得するかに関する研究)、考古学的分析による言語の起源に関する知見、脳科学及び遺伝学と言語の関連性に関する知見を引用して「言語本能論」を論じようとしているのである。そしてこの「言語本能論」を足掛かりにして「概念意味論」を論じたことも「スティーブン・ピンカー」の功績の一つとして数えられるかもしれない。「概念意味論」とはメタ言語に関する理論で「物質」、「空間」、「時間」、「因果」に関する概念を利用して言語を形作っているというものだ。 以上が本書の概要である。本書を通じて人間の本性を知るための窓としての言語に魅了されるかもしれない。なぜならば、言語それは人間だけが有する奇跡の能力なのだから。 | ||||
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全ての言語の普遍性を主張し、また(鳥が本能的に飛べるように)人間は本能的に言語を獲得するとしたチョムスキー言語学の方向が、科学や時代の進歩に伴ってやはり正しいことが分かってきた、ということが啓蒙的に書かれている。わかりやすくて勉強になる。そして、「言語が話し手の思考を大幅に規定する」という相対的な言語論はインチキであることがここでは当然主張される。たとえばウォーフは、「ホピ族〔アメリカ先住民の一。筆者注〕の人々は出来事を点として意識せず、一日のような時の長さを数えられるものとは考えていない」(p84)と主張した。しかし後にホピ族について広汎な調査をしたエクハート・マロトゥキ(人類学者)の報告ではそれが覆された。 「ホピ語には時制があり、時を表わす比喩、時の単位(日、日数、一日の各部分、昨日、明日、曜日、週、月、月齢、季節、年)、時の単位を数えるやり方、「古い」、「速く」、「長時間」、「終了した」などにあたる語がすべて備わっている。日付の決め方も精密で、地平線差に基づく太陽暦、厳密に順序の決まった祭日、紐に結び目を作った形の歴、日時計の原理を使った時刻測定装置などを駆使して記録を残している。なぜ、ウォーフが奇妙な主張をひねり出したのかは誰にもわからないが、数が多いとは言えない発話例にこじつけめいた訳をつけたことや、長年、神秘主義に傾倒していたことが一因になったとはいえそうである。」(p85) つまり、ウォーフは調査不足だったのであり、しかも自分の考えに都合のいいように事実をねじ曲げていたのである。 ところでピンカーが英語話者であるため、言語を比較する際の例文は当然英単語や英文法が用いられる。日本人には分かりにくいところもあるので、日本語を例にしている郡司隆男の著作などを読んで勉強していくのがいいのだろう。 | ||||
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生成文法の一般書として良書。 ただし訳文では原書の豊富な例がだいぶ省かれていたり、細かな誤訳(統率と支配を間違えている)が見受けられた。 しかしやはり良書。 原文にはない小見出しが付いていて、「チョムスキーを超えて」などというおったまげるような記述が見られた。 この本を読んで感心した方、英文ではありますが、"Learnability and Cognition"をお薦めします。 いい本です。 | ||||
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15年以上も前に刊行された本だけれど、今読んでも非常に興味深い。 この本のテーマは、 「言語能力は人間が直立歩行するのと同じく本能で、 文化的発明ではない。」(p.20) つまり、言語があるからといって他の動物と比べて 決定的に異なる存在ということでもないし、子どもは周囲の大人を モデルにして言語を習得するわけでもないし、教育が悪いせいで 文法的に正しい分を作る能力が著しく低下するということもない ということで、これらを証明するために、あらゆる方面から 論を展開する。 チョムスキーの言語能力についての理論や、言語にかかわる遺伝子と 脳の回路について、あるいは、言語と思考はどちらが先かといった話や、 言語の仕組みや構造について(このあたりの話はたとえば、walkman の 複数形はなぜwalkmen ではなく、walkmans と言われるのかなど、英語を 基にした議論なので、日本人にはちょっとむずかしいかもしれない)の話を通じて、 こんなに複雑な構造になっているのに、それを教わってもいない幼児たちが 感覚的に話すことができるのは、学習ではなく、生得的な能力のはずという議論を 展開したり、(ご存じの通り、著者は視覚認知と幼児の言語獲得が専門) チューリングテストの話がでたり、とにかく幅広い。 あと、余談だけれど、イヌイットの語彙には、雪を表す言葉が400以上あると いう説があるがそれは事実ではないといった話や、 言語は人間の1つの器官にすぎないといった話など、伊藤計劃氏の とてつもないSF『残虐器官』の元ネタにもなっている本である。 | ||||
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言語は後天的に身につけるものである、とは言い切れないというのが本書の主張するところ。いままで何の疑いもなく、言語は後天的なものだと思っていたのですが、本書を読んで、人間の本能レベルのところで言語を生み出す仕組みがあるという考え方にも一理あると感じました。 心理学、言語学からコンピュータ科学にもちょっと触れていたりします。 しかし、1990年代半ばの本のため、若干内容が古いかもしれません。 言語学に絡んだ話としては、原著が英語であることから当然なのですが、英語文法を題材にしたものが多いです。ちょっとこれが読むのがつらかった。 この本は読んでよかったと思える本です。 この本を読んだ上で、「語りえぬものには沈黙しなければならない」という某哲学者のフレーズを、もう一度咀嚼したくなりました。 ※上下巻とも同じレビューです。 | ||||
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言語は後天的に身につけるものである、とは言い切れないというのが本書の主張するところ。いままで何の疑いもなく、言語は後天的なものだと思っていたのですが、本書を読んで、人間の本能レベルのところで言語を生み出す仕組みがあるという考え方にも一理あると感じました。 心理学、言語学からコンピュータ科学にもちょっと触れていたりします。 しかし、1990年代半ばの本のため、若干内容が古いかもしれません。 言語学に絡んだ話としては、原著が英語であることから当然なのですが、英語文法を題材にしたものが多いです。ちょっとこれが読むのがつらかった。 この本は読んでよかったと思える本です。 この本を読んだ上で、「語りえぬものには沈黙しなければならない」という某哲学者のフレーズを、もう一度咀嚼したくなりました。 ※上下巻とも同じレビューです。 | ||||
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本書は、言語は人間の知性の極みではなく「技術を獲得しようという『本能』である」 というダーウィンの説を、現代の最新研究結果で補強しながら、述べた本である。 つまり「言語さえ、ダーウィンの自然淘汰の頚を逃れられない」ということである。 基本的な文法のルールなどの言語獲得は、生得的なもので、文化として学習するのは、 語彙などに限られると言い換えることもできる。 となると、言語を獲得できないヒトは、遺伝子に何らかの損傷があり、 言語を持たない動物にそだられた狼少年(これは虚偽であることが明らかだが)だとしても、 基本的な言語は獲得できるということになる。 もちろん言語が、思考を枠付けるという説も誤りであることになる。 よくありそうな日本語思考とか、英語思考というのも、似非科学的な言説であるということだ。 会話は理解できても文字化されるとわからないという、学習障害も、この説だと腑に落ちるのである。 大人になってから、他言語を獲得するのが大変なのもそういうことだったのかと、 | ||||
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言語はどの言語においても、文化的な所産ではなく、本能的で生得的なものである。 と筆者は説く。 脳の右半球には、文法を司どる遺伝子が働き、それが欠損すると言語獲得に 困難をきたすと言うのである。 と小難しく書いたが、本書では、身近な例文を多用しその節を補強しているので、最後までスリリングに読める。 ところで、ゾウの鼻とヒトの言語の共通点は、なにか。 次の英文の間違いは、なにか。 「Everyone returned to their seats.」ともに答えは、本書で。 | ||||
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基本的に読みやすい。 ときどき変な訳があったりもするが。 たとえば「動物王国」。 未確認ながら、原文はきっとanimal kingdomなのではないかと思った(p. 155)。 | ||||
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久しぶりにとても面白いくてためになる本を読んだと思う。 言語学といえばどうしても難解なイメージが付きまとうが、 このスティーヴン・ピンカー氏の語り口は平易であり、難しい 内容をわかりやすく説き進めていってくれる。 この本を読むまではウォーフとサピアの言語決定論に代表 されるような「人間の思考は言語に依存する」という意見や 子供が言葉をしゃべれるようになるのは親が教えるからである という意見を信じていたが、、、 実際にはそうではないことが理解でき、目からうろこが落ちた 気分である。 スティーヴン・ピンカー氏の考えはまさに現代の最新の 言語学の一翼であり、言語について考える人は必ず読んで おくべきである。 | ||||
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言語を習得し、思考する際には、人類に普遍的な構造が存在する。 こうしたチョムスキーの論を一般向けにわかりやすく書いているのが本書だ。 まず筆者は、「言語が思考を決定する」といった、今日の哲学者にうけるドグマを批判する。 そうしたドグマは、異なる民族を「自分たちとは本質的に異なるんだ」と好奇の目で見たり(イヌイットには雪の語彙が多い、というのは、イヌイット=未開のイメージを強化する)、言語をもたない人を差別したりするだけだ。 言語はせいぜい思考の手助けをするぐらいで、本当に思考をつかさどっているのは人類に普遍的な心的言語である。 言語を使うには、文法をきちんと守れねばならない。 しかし、文法は意味とは別のものだ(『緑色が眠る』のような、ナンセンスだが文法的な文がある) また、文は、何層にも入れ子式になることができる(いわゆる複文)。 だから、あらかじめ可能な配列を設定しておいて、その中から単語を引っ張り出してならべるという方法では文法は守れない。 そこで登場するのが普遍文法だ。 普遍文法は生まれたときから頭の中に存在している。 そしてそれにのっとることで、母語を速やかに習得していくのだ。 このことは、幼児による実験でも確認されている。 脳が言語をつかさどるのだから、当然言語を作る遺伝子も存在する。 そして、今日のような言語能力は、進化の過程で獲得されたものだ(これはチョムスキーと異なる点である。チョムスキーは言語能力を進化によるものだということを認めたがらない) 本書では、全体にわたってユーモアにあふれた部分も多く、楽しく読み切ることができる。 ただ、これは仕方がないことだが、例文は全部英語なので、訳と解説は付いているものの、やはり日本人の読者にとっては読みづらいところもあるだろう。 チョムスキー理論の入門書としても非常にいい本だろう。 | ||||
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言語の獲得が人間の本能として、脳内に組み込まれていることを、 ユーモアを交えながらわかりやすくかつ深く解説したものです。 ゲノムメカニズムが脳内配線を大まかに決め、幼少期、成長期を通じて、 言語の獲得・活用に関する脳内配線が決まるというものです。 従って、大人になってからの外国語の習得が難しいこと、 外国語の習得・活用は母国語と異なる脳内配線を使うこと、 が本書で詳しく解説されています。 言語といえば、ノーム・チョムスキーですが、 ピンカーはその弟子でありながら、チョムスキーを超えた理論を展開しています。 進化心理学者であるピンカーは、本書を皮切りに、 進化理論をベースとして人間の本性に迫っていきます。 「心の仕組み」「人間の本性を考える」も併せて読まれることをお薦めします。 | ||||
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この巻。とても面白いです。言語に対して人がとった戦略が免疫機構の持つ戦略と共通点ー有限要素の掛け算によってその機能を増幅ーがあると考えたことがなかったので、とても新鮮でした。しかも文法の成り立ちだけでなく、単語、音声パターンの成り立ちにいたるまで同様の機構が適応しうるというのは圧巻です。 本題ではないのですが。。。著者が北米出身であり当然のごとく英語を中心として解説されています。この解説が英語をもう少しまともに話したい人にとっても貴重な知識となりうると思います。例えば、wirte の i と ride の i が違っていて、そこには一貫した法則が隠れているなんて知りませんでした。さらに脱線しますが。。。臨界期以降に英語を始めた日本人がなかなか上達しない理由の一部が少し分かった気がします。いわゆる文法はやっても、これもどう考えても日本語とはかけはなれている単語や音声パターンに関する文法に関してはほとんどやる機会がないのですから。 | ||||
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アメリカ人は,どうしてこういう教養書を書かすとこうも巧いのかと感心する。トリビアな雑学を駆使し,時にニヤニヤさせながら,実にセンス良く,「言語と認知」をめぐる問題を概観させてくれる手並みには感心するばかりである。 著者は書中で頻繁にチョムスキーを引用し,言語相対仮説をなで切りにすることからもお分かりの通り,「(程度の差はあれ)言語の語彙や構造が認知を規定する」とするサピア=ウォーフ説には批判的である。人間は教わらずとも言語を駆使する能力があり,語彙や言語カテゴリーの違いは,二次的な要因に過ぎないとの主張を,手を変え品を換えて提示し,読者を知らず知らず「生得説」へと誘う手管は,さすが議論慣れしたアメリカ人。逆にいえば,何の予備知識もなく読めそうでいて,実は意外と読み手の基礎知識も問われる本だ(それなしには簡単に折伏される:笑)。 個人的には,ごく短いスパンで,状況に即応して臨機応変に変化する言葉(個人の操作能力に依存)と,もっと長い時間の中で,個人の価値観やものの把え方の枠組みに影響する,状況や体制としての言語体系(社会や文化に依存)とを,どの程度意識的に区別しているのかという点に,やはり引っかかりが残る。同じ課題は表象と認知の関係を扱う他分野でも問題となるが,やはり2者の区別が充分でないため,生得説と構成説は物別れに終わる。アメリカでは研究費獲得のためもあってか,論者のほうも半ば確信犯的に「演技」している部分があるが,その繰り返しはやはり不毛だ。むしろ「生得的」なのはどの次元で,多様性を帯びるのはどの次元かを分け,個別にその特質を論じるほうが建設的な気がするがどうだろう。面白かった方は参考までに,慶応の今井むつみ女史(2000:心理学研究71)のご一読を薦める。 | ||||
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だから、本能のないコンピューターは、人の言葉を上手く解さないのではないか、と思った。(コンピューター恐るるに足りず。) 本書は非常に複雑な内容を含むし、事例として、文法的には正しくてナンセンスな文章が頻回に登場したりするので、英語から日本語へ翻訳をするのが非常に大変だっただろうなあ、と感じる。日本語に訳してくれているので助かる反面、原書では、どう書いてあったんだろう?と確かめてみたくなる箇所もある。 本書を読むと、色々な楽しみ方ができ、発見もあると思う。一見、明らかに、日本人にとっては、不合理と思える英語の発音や綴りに関して、アメリカ人もそう感じているということがわかる。英語の綴りに関しては、音素を表しているとすれば、メチャメチャかもしれないが、形態素を表している、(漢字と同じで意味的な塊でもある)、とすると合理的な規則性に納得できよう。 これを一冊読むと、言語に関して博学になった気分になれます。 | ||||
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