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ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート



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【この小説が収録されている参考書籍】
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィートの評価: 4.33/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(4pt)

浅い

第4回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞受賞作にして、著者のデビュー作です。 イケニエビト、タマシイビトの設定が面白く、その残酷な境遇には胸を打たれました。 ただ、タマシイビトの双子の少女についてももっと詳しく掘り下げて欲しかった。 そうすればその世界観にもっと深みが出た気がします。 読み味が独特な作品で、このホロ苦さは好きな人にはハマりそうですが何処か中途半端な印象も受けました。 また描写不足か、明美の恋心にまったく共感できませんでした。 設定が面白いだけに残念。
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)Amazon書評・レビュー:ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)より
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No.4:
(5pt)

ミステリー小説?

評判が良いので読んで見ました。 表紙的には音楽系の青春物語かと思っていましたが、 ミステリー作品で驚きました。 内容は、簡単に言うとイケニエビトがタマシイビトに食べさせない話です。 不思議な感じの話なので、読み始めていたらいつの間にか終わってました。 自分的には面白かったです。
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)Amazon書評・レビュー:ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)より
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No.3:
(4pt)

ミクスチャー・ラノベ

音楽、ミステリー、都市伝説をミックスさせた新感覚の学園モノ? いろいろなモノを混ぜすぎてストーリーは正直チンプンカンプンだったけど、斜に構えた女子高生の一人称の語り口は、切れ味鋭く魅力満点。 女子高生らしからぬクールな視線は笑えました。 突拍子もない物語を求めている方にはいいかもです。
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)Amazon書評・レビュー:ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)より
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No.2:
(5pt)

青春と、ヤツらと闘う武器は、ロック!

『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』です。ライトノベル、それも萌えの大艦巨砲主義を驀進するMFというレーベルから出た受賞作にしては、随分とあり得ないくらいにスタイリッシュなタイトルです。かえって目を引くのも事実ですが。

とりあえず表紙イラストに出てはいるのですが、主人公の明海は本編ではギター弾くわけではありません。

そんな些細な問題もあるのですが、内容は良いです。
なんといってもまず文章が安定していて、安心して読めます。ただ安定しているだけでなく、文章の端々からセンスの良さが自然とにじみ出ていて、読んでいてラノベとしてはかなりのハイレベルさに感心します。
京都の女子高校生主人公の心理を、一人称で冒頭から上手く描いています。ちょっと物事に対して反骨的な内面態度で臨む感じが、上手く読者の共感を呼びます。

そこへ、イケニエビト、タマシイビトといった設定を盛り込んだ展開へと移っていきます。
ここへくると、過去の話になるし、登場人物の名前が増えるし、イケニエビト等の設定が続々と出てくるので、ちょっと大変なのですが、そこをじっくり読んでいけば十分に消化できます。また、じっくり読むに適した文章であることも良いと思います。

大きな謎解きがあるでもなく、でもそれなりのどんでん返しみたいのはあって、基本は奇妙な三角関係です。まさにシナモンみたいな味付けでしょうか。
細かな伏線もきっちり回収されているし、読後感も良かったです。読了して、やっぱりMF的萌えは無かったけど、そんな物に頼らずとも読者を魅了することができる良作だったと思います。
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)Amazon書評・レビュー:ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)より
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No.1:
(5pt)

少女ギターを弾く

ギターを抱えた少女の表紙とスタイリッシュなタイトルに惹かれて購入したんですが、面白かったです。
基本女子高生の一人称で話が進むんですが、これが凄くリアル。
外面はいいけどその実世間を斜に見る冷めた女の子の心情が「あるある!」「いるいる!」「むしろこれ私!」という絶妙な比喩で表現され小気味よい。
男子をじゃがいもにたとえ「せいぜい男爵芋とメークインの違いしかない」と辛辣に批評したかと思えば、ぜんぜんタイプの違う男子三人が親友である現実に「それだけの違いを許せるすきまがどこにあるのだろうか」と思索を巡らしたりとにかく心情描写がリアルですいすい読ませる。

タマシイビトに食われるためだけに生かされるイケニエビト。
殺した人だけ存在を覚えているというイケニエビトの少女と関係を持ったことで、明海と神野は人殺しの罪の記憶を共有する。
タマシイビトに食われた瞬間イケニエビトは記憶を失い、世界から痕跡が消える。
中学時代、洋楽好きな少女・烏子とベネズエラビターなるバンドを結成した神野。
全方位いい人だった小学生時代、ひとりクラスに馴染まない少女・実折を振り向かせようとしつこくちょっかいをかけた明海。
特に明海の回想が読ませます。

「自分で言うのもなんだけど私は結構要領がいい。どんなジャンルの子とも仲良くなれる自信があるし、今までだってそうやってきた。うるさいのにはうるさいのに、静かなのには静かなのに、真面目なのには真面目なのに対応して話をすればいい」

誰とでも仲良くなる自信があると豪語する小四の明海は、その前提にそぐわない実折に反発し、いつもつまらなそうな顔をした彼女の感情を引き出そうと試行錯誤する。
しかし実折は相変わらずで、やがてそれはクラス全体を巻き込む陰湿ないじめへと変わっていく。
この描写が凄いです。
いじめの内容も陰惨なんですが、それ以上に、自分が発端となったいじめから抜け出せず悪循環に嵌まっていく胸苦しさがじわじわ表現される。
仲良くなりたいからちょっかいを出してたのに、クラスで除け者にされるのがいやでいじめグループに加わらざる得なかった明海の葛藤や罪悪感がひしひし伝わる。 
とまあ陰湿な展開もあるんですが、実折の天然ボケな言動が息抜きになってます。
何度も明海の名前を間違え脱力させ、スクール水着のまま椅子に座りシリアス一辺倒だとさすがに疲れるんですが、こういうちょっとした描写が、作中の表現を借りればコーヒーに添えたシナモンのように味を引き立てる。

三人の距離が次第に近付いていくところも微笑ましい。
ぼんやりした神野ですが、誰とでも繋がれると自慢する明海に

「だれともつながってるってことは、だれともつながってないってことじゃないかな」

などと鋭い言葉を吐き、しばしばはっとさせる。
キャラ立ち重視のラノベというより雰囲気重視のヤングアダルト向けな作品。
桜庭一樹の少女物が好きな人ははまるんじゃないでしょうか。

ひそかにカナとリアの二人組が大好きです(笑)
ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)Amazon書評・レビュー:ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)より
4840124221

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