秘密

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評判

秘密の評価:

4.07/5点 レビュー 657件。 S ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.07pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,298件 861〜880 44/65ページ
No.438
(5pt)

あまりの切なさに・・・

切なすぎます、私には。現実にこんな事が自分の身に起こったら、心が壊れてしまうでしょう。私はこんな試練に耐えられる程強くないと思い知らさせました。
本当に誰かを愛した事がある人なら、この作品で心を揺さぶられるはずです。特に悲恋を経験した人なら・・・。
女性は強いのですね。
小説で初めて、心を取り乱してしまいました。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.437
(5pt)

あまりの切なさに・・・

切なすぎます、私には。現実にこんな事が自分の身に起こったら、心が壊れてしまうでしょう。私はこんな試練に耐えられる程強くないと思い知らさせました。
本当に誰かを愛した事がある人なら、この作品で心を揺さぶられるはずです。特に悲恋を経験した人なら・・・。
女性は強いのですね。
小説で初めて、心を取り乱してしまいました。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.436
(5pt)

星8つぶん

最近の1番のオススメ本。
星8つくらいつけたい作品です。
 娘の身体に宿った妻
 唯一秘密を知っている夫
妙に感情の表現がリアル。
妻直子の気持ちを追おうとすると
二つの気持ちが常に衝突してしまう。
まるでそばで見ているよう。
互いに愛している存在だからこそ、切なくなる。
もうひとつの「秘密」の意味するところ。
最後数ページで、一気に話の深さが増します。
切なさとか寂しさとか愛しさとか決意とか予感とか
全ての思いに包まれる。すごい。
話の上手さに脱帽です。
絶対絶対ね
読まないと大損ですよ!
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.435
(5pt)

星8つぶん

最近の1番のオススメ本。
星8つくらいつけたい作品です。
 娘の身体に宿った妻
 唯一秘密を知っている夫
妙に感情の表現がリアル。
妻直子の気持ちを追おうとすると
二つの気持ちが常に衝突してしまう。
まるでそばで見ているよう。
互いに愛している存在だからこそ、切なくなる。
もうひとつの「秘密」の意味するところ。
最後数ページで、一気に話の深さが増します。
切なさとか寂しさとか愛しさとか決意とか予感とか
全ての思いに包まれる。すごい。
話の上手さに脱帽です。
絶対絶対ね
読まないと大損ですよ!
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.434
(5pt)

悲しみを包み込んでいた「秘密」

「意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった」そんな秘密を抱えながら生きていく2人。バスの事故でなくしたものは大きく、例えようのない悲しみでおおわれてしまうであろう日々の暮らしは、この秘密のために不思議な物語となり、また、2人の生きる支えになっていく。
ぎりぎりのところでバランスをとりながら生活が進む。しかし、この「秘密」がずっとは続かないということは、2人は当然初めからわかっていて然るべきである。にもかかわらず、「秘密」の不思議な状況を現実として受け入れて、他の周りの人々にはすべてうそをつきながら秘密を守ってきたのは、やはり2人の、そして3人の深い深い悲しみがあったから、それから目をそむけたいがための必死の行動であったように感じた。
しかし、現実を受け入れなければならないときがやってきて、「秘密」の魔法がとけていく。
バスの転落事故での愛するものの死、というどうやっても受け入れ切れない悲しみを不思議な「秘密」で包み込んだ物語。遺族の悲しみはこんなもんじゃない、というのは当然だろう。でも、いろんな葛藤と戦った道のりには共感したいし、悲しみを乗り越えて前を向いて進んでいく平介たちに拍手を贈りたい、と思ってはいけないでしょうか。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.433
(5pt)

悲しみを包み込んでいた「秘密」

「意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった」そんな秘密を抱えながら生きていく2人。バスの事故でなくしたものは大きく、例えようのない悲しみでおおわれてしまうであろう日々の暮らしは、この秘密のために不思議な物語となり、また、2人の生きる支えになっていく。
ぎりぎりのところでバランスをとりながら生活が進む。しかし、この「秘密」がずっとは続かないということは、2人は当然初めからわかっていて然るべきである。にもかかわらず、「秘密」の不思議な状況を現実として受け入れて、他の周りの人々にはすべてうそをつきながら秘密を守ってきたのは、やはり2人の、そして3人の深い深い悲しみがあったから、それから目をそむけたいがための必死の行動であったように感じた。
しかし、現実を受け入れなければならないときがやってきて、「秘密」の魔法がとけていく。
バスの転落事故での愛するものの死、というどうやっても受け入れ切れない悲しみを不思議な「秘密」で包み込んだ物語。遺族の悲しみはこんなもんじゃない、というのは当然だろう。でも、いろんな葛藤と戦った道のりには共感したいし、悲しみを乗り越えて前を向いて進んでいく平介たちに拍手を贈りたい、と思ってはいけないでしょうか。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.432
(5pt)

苦悩の物語

感動を得たいがためにこの本を購入しようと考えている方は控えるべきでしょう。
なぜなら、読後は虚無感というか、切なさというか、筆舌し難いような気持ちになるはずだからです。それは感動とイコールとはいえないものだと思います。
ただ、その感情を体感できるのがこの作品の魅力でもあります。平介や直子達とともに、読後に悩む自分がいる…そんな体験をさせてくれる一冊です。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.431
(5pt)

苦悩の物語

感動を得たいがためにこの本を購入しようと考えている方は控えるべきでしょう。
なぜなら、読後は虚無感というか、切なさというか、筆舌し難いような気持ちになるはずだからです。それは感動とイコールとはいえないものだと思います。
ただ、その感情を体感できるのがこの作品の魅力でもあります。平介や直子達とともに、読後に悩む自分がいる…そんな体験をさせてくれる一冊です。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.430
(5pt)

物語後に

感動しました、色々考えた後その後を想像しました、東野さんの意図ならばすっかりはまりました。もなみ&直子が子供を産んだとき、平助が病で闘病生活とか平助の最後の時など二人はどうするんだろう自分ならこうするしかないだろうとか?東野的には平助が直子の手をとり耳元で指輪ありがとうと言って息を引き取りもなみが号泣って最後が良いかなと
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.429
(5pt)

物語後に

感動しました、色々考えた後その後を想像しました、東野さんの意図ならばすっかりはまりました。もなみ&直子が子供を産んだとき、平助が病で闘病生活とか平助の最後の時など二人はどうするんだろう自分ならこうするしかないだろうとか?東野的には平助が直子の手をとり耳元で指輪ありがとうと言って息を引き取りもなみが号泣って最後が良いかなと
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.428
(4pt)

直子の心理

主人公の妻で、結婚後はずっと専業主婦をしていた直子。
子供だけでも助けたいと必死にかばって、結局、子供の体を乗っ取る形で生き残った。
直子が藻奈美のことを愛していなかったはずがない。
自分が助かったことに罪悪感を抱きながら、誰にも子供を失った悲しみを悟られてはならない。
しかも、これからどうすればいいのかわからない不安。
きっと、直美は平介の妻として生きていきたかったんじゃないかと思った。
唯一、自分が自分でいられる場所だから。
でも、体は子供の、しかもこれから成熟してゆく娘ものだから、女としての直美の存在は倫理的に許されなかった。
セックスレスの妻が、夫から女として必要されなくなった嘆きというのは巷にあふれている。
しかし、直子はそれを誰かに相談することも嘆くことも許されない。
進路にしても、直子は相当悩んだはずだが、これも誰にも相談せずに決めている。
私立中学や高校なんか進学せずに、家に籠もる事だって可能だった。
世間的には異常な関係でも、二人だけの夫婦生活だって送ることが可能だったのに、それを選ばなかった。
平介の妻として生きてゆけないのなら、娘の人生を引き継いでゆくしかない。
もし、平介が事故や病気で死んでしまったら、直子は何をよりどころにして生きてゆけばいいのだろうか。
娘に恥じない生き方をするため、不思議な今の状況を解き明かすため。
そして、経済的にも社会的にも自立できる、かつ、第二の人生を賭けるに値する進路として医学部進学を選んだのではないかと思った。
直子の孤独感は想像するだに恐ろしい。
夫の平介でさえ、実の両親でさえ、誰にも自分の孤独をわかってもらえない。
その孤独感を誰かに吐露することすら許されない。
直子の心情が語られないだけに何度も読み返しては想像してしまう。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.427
(4pt)

直子の心理

主人公の妻で、結婚後はずっと専業主婦をしていた直子。
子供だけでも助けたいと必死にかばって、結局、子供の体を乗っ取る形で生き残った。
直子が藻奈美のことを愛していなかったはずがない。
自分が助かったことに罪悪感を抱きながら、誰にも子供を失った悲しみを悟られてはならない。
しかも、これからどうすればいいのかわからない不安。
きっと、直美は平介の妻として生きていきたかったんじゃないかと思った。
唯一、自分が自分でいられる場所だから。
でも、体は子供の、しかもこれから成熟してゆく娘ものだから、女としての直美の存在は倫理的に許されなかった。
セックスレスの妻が、夫から女として必要されなくなった嘆きというのは巷にあふれている。
しかし、直子はそれを誰かに相談することも嘆くことも許されない。
進路にしても、直子は相当悩んだはずだが、これも誰にも相談せずに決めている。
私立中学や高校なんか進学せずに、家に籠もる事だって可能だった。
世間的には異常な関係でも、二人だけの夫婦生活だって送ることが可能だったのに、それを選ばなかった。
平介の妻として生きてゆけないのなら、娘の人生を引き継いでゆくしかない。
もし、平介が事故や病気で死んでしまったら、直子は何をよりどころにして生きてゆけばいいのだろうか。
娘に恥じない生き方をするため、不思議な今の状況を解き明かすため。
そして、経済的にも社会的にも自立できる、かつ、第二の人生を賭けるに値する進路として医学部進学を選んだのではないかと思った。
直子の孤独感は想像するだに恐ろしい。
夫の平介でさえ、実の両親でさえ、誰にも自分の孤独をわかってもらえない。
その孤独感を誰かに吐露することすら許されない。
直子の心情が語られないだけに何度も読み返しては想像してしまう。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.426
(5pt)

読めば読むほど面白くなり・・・

面白い。
映画を見たくなりました。(映画の評判は今ひとつのようですが)
確かに最初の設定は、ありそうなものだと思いましたが、
筆者が、なにを描きたいのか、がポイントだと思いました。
性的なものについては、ふだん、自分が読むものに比較すると
too muchな感じがしましたが、
それも、いやらしく描いているのではなく、
彼が描きたいものを表現するために使っているように思いました。
自分には妻と娘がいるので、入り込めるような環境もありました。
この後に続いて、(偶然ですが)江くに香織の「神様のボート」
を読んだのですが、この世界との対比が絶妙でした。
東野 圭吾が描こうとしているものは、すごく現実実のある、
夫婦愛であり、家族愛のように思います。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.425
(5pt)

読めば読むほど面白くなり・・・

面白い。
映画を見たくなりました。(映画の評判は今ひとつのようですが)
確かに最初の設定は、ありそうなものだと思いましたが、
筆者が、なにを描きたいのか、がポイントだと思いました。
性的なものについては、ふだん、自分が読むものに比較すると
too muchな感じがしましたが、
それも、いやらしく描いているのではなく、
彼が描きたいものを表現するために使っているように思いました。
自分には妻と娘がいるので、入り込めるような環境もありました。
この後に続いて、(偶然ですが)江くに香織の「神様のボート」
を読んだのですが、この世界との対比が絶妙でした。
東野 圭吾が描こうとしているものは、すごく現実実のある、
夫婦愛であり、家族愛のように思います。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.424
(5pt)

あなたは誰と語りました?

東野圭吾さんの代表作(といってもこの方は、ハズレが少ないから、ほとんどの作品を“代表作”と言って差し支えないような気が・・・)
文庫版が発刊されて、もう7年も経ちますが、ここのレビューは途切れることなく、増え続けています。
これって凄いことじゃないでしょうか?遅ればせながら、自分もレヴューを書いてみました。
内容については読んでいただいてのお楽しみとして、この作品は「読んだあとに、誰かと話したくなる」作品です?
「男ってのは愚かだね」とか「女って恐ろしいね」あるいは「女はここまで優しいの?」
あるいは「ここまでお互いのことを想えるのなら、結婚も悪くないかも?(笑)」とか・・・
レビューを書かれた皆さんも、この作品を読んだ後、誰かと語った、あるいは語りたかったのではないですか?
少なくとも私はそうでした。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.423
(5pt)

あなたは誰と語りました?

東野圭吾さんの代表作(といってもこの方は、ハズレが少ないから、ほとんどの作品を“代表作”と言って差し支えないような気が・・・)
文庫版が発刊されて、もう7年も経ちますが、ここのレビューは途切れることなく、増え続けています。
これって凄いことじゃないでしょうか?遅ればせながら、自分もレヴューを書いてみました。
内容については読んでいただいてのお楽しみとして、この作品は「読んだあとに、誰かと話したくなる」作品です?
「男ってのは愚かだね」とか「女って恐ろしいね」あるいは「女はここまで優しいの?」
あるいは「ここまでお互いのことを想えるのなら、結婚も悪くないかも?(笑)」とか・・・
レビューを書かれた皆さんも、この作品を読んだ後、誰かと語った、あるいは語りたかったのではないですか?
少なくとも私はそうでした。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.422
(4pt)

詰まり、若い人生がなくなったということだ。

直子さんは、推測をした。イメージした。本人ではないのだ。直子は藻奈美には為りきれなかった。そして、平介は外見に騙され、直子は内面を騙した。嘘と現実が入り混じるそんな本。
内容はいたって、分かりやすく単純な文章であった。其れが彼の持ち味でだと思う。現代文学が哲学をしたような本だった。(大げさです。)
ためしに手に取ってみてください。本は軽い。しかし、読み終えたあなたは何かを気付き、ほんの重さを感じるかもしれません。
之を読んでいるあなたさえも、其の一人なんでは?
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.421
(4pt)

詰まり、若い人生がなくなったということだ。

直子さんは、推測をした。イメージした。本人ではないのだ。直子は藻奈美には為りきれなかった。そして、平介は外見に騙され、直子は内面を騙した。嘘と現実が入り混じるそんな本。
内容はいたって、分かりやすく単純な文章であった。其れが彼の持ち味でだと思う。現代文学が哲学をしたような本だった。(大げさです。)
ためしに手に取ってみてください。本は軽い。しかし、読み終えたあなたは何かを気付き、ほんの重さを感じるかもしれません。
之を読んでいるあなたさえも、其の一人なんでは?
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067
No.420
(5pt)

男(父親、夫)、女(母親、妻)、愛、絆、家族、嫉妬、宿命、未来・・・。

 江戸川乱歩賞受賞作『放課後』から14年後の1999年に日本推理作家協会賞を受賞したあまりにも有名な作品が本書『秘密』である。前作のラストがあまりに衝撃的であったせいか、本書も最後の最後で「何かがある」という私なりの「構え」が必要であった。
 亡くなったと思われた妻の心が娘の肉体に宿るという不可解な事態に戸惑いながらも、平介と直子はこれまで通りの生活を始めてゆく。肉体は事故当時小学校5年生であった娘である以上、当然のように彼女は成長してゆく。彼女は「女として後悔させたくない」という強い決意から、中学受験と高校受験を果たし、そして最終的には医学部に進学してゆく。夫はその成長を静かに見守りながらも自分には決して与えられない(過去の)時間=青春と若さに嫉妬を募らせてゆく。夫婦であっても普通の夫婦ではない。そこに男としての痛いほどの苛立ちや葛藤を覚えずにはいられない。
 ラストの部分に至るまでの筆致はこうしたさまざまな人間の本性・感情を生々しく描き出し、正直なところ平板な印象が拭えない箇所がなかったといえば嘘になる。しかし、である。やはり東野圭吾は卓抜した手法と構想力を有していることを遺憾なく発揮してくれた。382頁以降からだ。心は妻の直子だったところに、娘の藻奈美の心が蘇ってくるのだ。そして二人ではあるが、三人で生活をしているような奇妙な家族生活が始まる。以降のストーリー展開は書かないほうがよい。本書のタイトル『秘密』に投影された作者の真意も読者自らが味わうべきである。
 とはいえ、一言だけ記しておきたいのは、やはり覚悟を決めたときの直子の深層心理である。むろん複雑であったに違いない。しかしそれは彼女の「宿命」であり「使命」でもあった。彼女の心はいつまでも愛する夫である平介を見守り続けるに違いない。そしてそれを悟った平介の心のなかにも彼女の魂が未来永劫に生き続けるに違いない。感銘の作品だ。
秘密 Amazon書評・レビュー: 秘密より
4163179208
No.419
(5pt)

男(父親、夫)、女(母親、妻)、愛、絆、家族、嫉妬、宿命、未来・・・。

 江戸川乱歩賞受賞作『放課後』から14年後の1999年に日本推理作家協会賞を受賞したあまりにも有名な作品が本書『秘密』である。前作のラストがあまりに衝撃的であったせいか、本書も最後の最後で「何かがある」という私なりの「構え」が必要であった。
 亡くなったと思われた妻の心が娘の肉体に宿るという不可解な事態に戸惑いながらも、平介と直子はこれまで通りの生活を始めてゆく。肉体は事故当時小学校5年生であった娘である以上、当然のように彼女は成長してゆく。彼女は「女として後悔させたくない」という強い決意から、中学受験と高校受験を果たし、そして最終的には医学部に進学してゆく。夫はその成長を静かに見守りながらも自分には決して与えられない(過去の)時間=青春と若さに嫉妬を募らせてゆく。夫婦であっても普通の夫婦ではない。そこに男としての痛いほどの苛立ちや葛藤を覚えずにはいられない。
 ラストの部分に至るまでの筆致はこうしたさまざまな人間の本性・感情を生々しく描き出し、正直なところ平板な印象が拭えない箇所がなかったといえば嘘になる。しかし、である。やはり東野圭吾は卓抜した手法と構想力を有していることを遺憾なく発揮してくれた。382頁以降からだ。心は妻の直子だったところに、娘の藻奈美の心が蘇ってくるのだ。そして二人ではあるが、三人で生活をしているような奇妙な家族生活が始まる。以降のストーリー展開は書かないほうがよい。本書のタイトル『秘密』に投影された作者の真意も読者自らが味わうべきである。
 とはいえ、一言だけ記しておきたいのは、やはり覚悟を決めたときの直子の深層心理である。むろん複雑であったに違いない。しかしそれは彼女の「宿命」であり「使命」でもあった。彼女の心はいつまでも愛する夫である平介を見守り続けるに違いない。そしてそれを悟った平介の心のなかにも彼女の魂が未来永劫に生き続けるに違いない。感銘の作品だ。
秘密 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 秘密 (文春文庫)より
4167110067