ドグラ・マグラ

評判

ドグラ・マグラの評価:

3.96/5点 レビュー 504件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全536件 441〜460 23/27ページ
No.96
(4pt)

まさに奇書!

上巻の謎が解き明かされてきくが、
それが、本当なのかどうなのか、
夢であるかのような感覚に陥る。
最後まで読み終えると、
本作品は、十人十色、さまざまな解釈がなされると思う。
そこが著者の狙いなのであろうか。
そういった意味で、「奇書」である。

本作品は、好き嫌いがはっきりと分かれる本なので注意が必要である。


ドグラ・マグラ (下) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)より
4041366046
No.95
(4pt)

驚きの導入

ご存知の方もいると思うが、本書は、日本三大奇書の一つとうたわえれるほどの奇書である。
本作品は、好き嫌いがはっきりと分かれる本なので注意が必要である。
本作品は青空文庫でも読むことができるので、
そちらで少し読んでから、購入されると良いだろう。
この作品の導入(書き出し)には驚いた。
気味が悪く、奇妙としか言いようのない書き出しである。
若林教授の説明より、設定を把握することができるが、
不安な気持ちになる。
上巻は、正木教授が残した資料の途中で終了するが、
読者は気がおかしくなるような感覚になることだろう。


ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.94
(4pt)

からかうような多重幻魔感

ドグラ・マグラというのは、目くらましとか戸惑いとか幻魔術とかそういったたぐいの意味である。主人公は、記憶喪失のまま精神病院で目覚めるのだが、その主人公の記憶回復をめぐって正木博士と若林博士という二人の怪人が主人公を幻惑していく。主人公は呉一郎という青年による殺人事件の鍵を握っている・・・として。なにしろ主人公は自分さえ誰だかわからないので、この二人の話から事の次第を推理するしかない。特に、正木博士は饒舌なのだが、途中で「・・・というのはウソで」みたいなことをいうので、困惑させられる。しかも、それがウソとは限らず実はやっぱり本当かもしれないという不安定感があり、狂人の不安感を疑似体験させるような多重の幻魔感がある。
 この精神の不安定感、なにをもって「自我」を確立するのか、という心理の迷宮を構成していく上でポイントとなるのは「脳髄は物を考えるところにあらず」「胎児は進化の夢を見る」「心理は遺伝する」という思想(アイディア)である。すなわち、細胞の一つ一つに思考めいたものがあり、脳髄はその細胞思考の交換器にすぎない、実際、脳髄を持たない原始的な動物はたくさんいる、人間の胎児はその成長過程において魚のような姿をとったりしながら人間らしくなっていく(エルンスト・ヘッケルという学者の説を下敷きにしているといわれる)、これは胎児が「進化」を再度体験しているのであり、この進化再体験により先祖やもっと古い動物的感覚が細胞のような微細な単位で遺伝、すなわち、心理遺伝していく、という論法である。呉一郎は、唐代の画家である呉青秀(フィクションの人物)の子孫であり、この呉青秀が残した絵巻物を見ることにより、呉青秀による「妻殺し」の強烈な記憶が再現され、凶行に及んだ・・・ようなのだが、では、呉一郎と私はどういう関係にあるのか、というどこまでも推理小説的な奇書である。夢野久作に理解のあった江戸川乱歩でも「わからん」とサジを投げたらしい。わかりにくいのだが、今の日本の独特のマンガ文化に一定の影響を与えたのではないかと思われるような思想的革新性・斬新さがある。不思議な本だし、このような革新的で現代的とすら思われる本が1935年という古い時代に登場しているのもどこか異様である。
ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4)より
4390108840
No.93
(4pt)

からかうような多重幻魔感

ドグラ・マグラというのは、目くらましとか戸惑いとか幻魔術とかそういったたぐいの意味です。主人公は、記憶喪失のまま精神病院で目覚めますが、その主人公の記憶回復をめぐって正木博士と若林博士という二人の怪人が主人公を幻惑していきます。主人公は呉一郎という青年による殺人事件の鍵を握っている・・・として。なにしろ主人公は自分さえ誰だかわからないので、この二人の話だけから事の次第を推理するしかありません。特に、正木博士は、饒舌に語りますが、途中で「・・・というのはウソで」みたいなことをいうので、困惑させられます。しかも、それがウソとは限らず実はやっぱり本当かもしれないという不安定感があり、狂人の不安感を疑似体験させるような多重の幻魔感があります。
 この精神の不安定感、なにをもって「自我」を確立するのか、という心理の迷宮を構成していく上でポイントとなるのは「脳髄は物を考えるところにあらず」「胎児は進化の夢を見る」「心理は遺伝する」という思想(アイディア)です。すなわち、細胞の一つ一つに思考めいたものがあり、脳髄はその細胞思考の交換器にすぎない、実際、脳髄を持たない原始的な動物はたくさんいる。また、人間の胎児は、その成長過程において魚のような姿をとったりしながら人間らしくなっていく(エルンスト・ヘッケルという学者の説を下敷きにしているといわれる)。これは胎児が「進化」を再度体験しているのであり、この進化再体験により先祖やもっと古い動物的感覚が細胞のような微細な単位で遺伝、すなわち、心理遺伝していく、という論法です。呉一郎は、唐代の画家である呉青秀(フィクションの人物)の子孫であり、この呉青秀が残した絵巻物を見ることにより、呉青秀による「妻殺し」の強烈な記憶が再現され、凶行に及んだ・・・ようですが、では、呉一郎と私はどういう関係にあるのか、というどこまでも推理小説的な奇書です。夢野久作に理解のあった江戸川乱歩でも「わからん」とサジを投げたそうです。わかりにくいのですが、比類ない魅力があります。もしかしたら、今の日本の独特のマンガ文化に一定の影響を与えたのではないかと思われるような思想的革新性・斬新さがあります。不思議な本ですし、このような革新的で現代的とすら思われる本が1935年という古い時代に登場しているのもどこか異様です。
ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276)より
4150002762
No.92
(5pt)

終わらない悪夢

『ドグラ・マグラ』には章がない。おそらくは作品自体の構造のみならず作者の意図による演出でもあろうが、そのことが難解な作品をさらに読みづらくしている。上巻の半分以上を埋めている脳髄論、遺書、記録映像、新聞記事、等々は下巻に入っても続き、物語内の時間はしばらく停止したままである。ようやく話者がわれにかえり時間が流れ始めたと思ったとき、話者に話しかけてきたのはさっきまで同じ研究室にいたはずの法医学者若林鏡太郎教授ではなく、あろうことか一ヶ月前に自殺したはずの精神病学者正木敬之教授であった。彼によれば若林教授は嘘をついているのであって、今日は遺言書が書かれてから一ヵ月後の十一月二十日ではなく、研究室内のカレンダー通りの十月二十日であるという。さらに正木教授は自分と若林教授との戦闘状態を話者に説明し、どちらが勝つかはひとえに話者の記憶が戻るか否かにかかっているという。
 それでなくても記憶を喪失して混乱しているのに、話者は二人の教授のあいだで翻弄されることになるが、それ以上に翻弄されるのは読者である。正木教授と若林教授のどちらの言い分を信じればいいのか? 話者である少年は何者なのか? 話者と瓜二つの少年の登場、正木教授による離魂病の解説などによって、謎は深まるばかりである。
 普通のミステリーであればいわゆる名探偵が登場し、快刀乱麻あらゆる謎を一刀両断に解決してくれる。しかしこの作品はそうはいかない。名探偵はどこにもいないし、そもそも話者が精神病院にいる時点で、読者は話者の言葉さえも鵜呑みにすることができない。そして実際最後の最後で、読者は話者からも裏切られることになる。客観的な解答は最後まで与えられない。
 解説でなだいなだも書いているが、この作品は失敗作であると思う。もっと短くシンプルに仕上げることもできたはずであろう。だがもしもこの作品が成功していたら、すなわちもっと短くシンプルに仕上げられていたら、おそらくこの作品はとっくに忘れ去られていたに違いない。原爆に破壊されたことによって今日まで生き永らえている原爆ドームのように、夢野久作の狂気に破壊されたことによって今日まで読み継がれている廃墟的な作品である。

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)より
4041366046
No.91
(5pt)

悪夢のような作品

奇妙なタイトル。人を食ったようなペンネーム。そして複雑怪奇なストーリー。
 夢野久作畢生の大作『ドグラ・マグラ』は、もはやミステリーの域を超えた古典と言ってもいいほど知名度の高い作品であるが、これを最後まで読破し、しかも完全に理解したという読者は多くはないのではないだろうか。そしてその責任は少なからず作者の方にもあると思う。
 オープニングの異様さは今でも全く色あせることはない。ブーンという音と共に話者は密室の中で目が覚める。ここはどこなのか、自分はだれなのか。やがて隣の部屋から聞こえてくる女性の悲鳴。翌朝若林鏡太郎なる法医学部教授が彼を訪れ、ここが九州帝国大学の精神病科の病室であること、悲鳴をあげた美しい少女が彼の許婚であること、そして彼がここにいるいきさつを語り始める。その中で彼の主治医である正木敬之なる精神病学教授がクローズアップされてくるが、今から一ヶ月前に自殺したという正木教授の研究室に案内された彼は、そこで様々な資料を目の当たりにする。
 そこまではよい。否そこまでもかなり冗長な部分はあるのだが、作品の個性ということで許すことはできる。しかしその部屋で彼が資料の一冊を読み始めてからが異様に長い。物語中の時間が停止した状態のまま、結局上巻は終わってしまう。実に上巻の半分以上は物語内を流れる時間から隔離された脳髄論、遺書、記録映像、新聞記事、等々で埋まっている(しかもそれが下巻でもしばらく続く)。
「これを書くために生きてきた」と夢野久作自身が言っており、また実際構想十年執筆十年計二十年もの歳月をかけ、書き上げてまもなく死んでしまったこの作品に対する夢野の思い入れが生半可ではなかったことは、行間からもひしひしと感じられる。しかしその思い入れが、不幸なことに読者への配慮を忘れさせることになってはいないだろうか。ストーリーの複雑さよりも長すぎる挿入部を投げ出さずに読み通せるかどうかが、この大作を攻略するための最大の鍵になりそうである。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.90
(5pt)

これも胎児の夢?

長編を読了し、レビューを書きたくなった。
過去のレビューを見てみると

読了すべき:そう、とにかく長い、しかし読了後は・・
場面が浮かび上がる:そう、正木博士の、部屋の間取りが見えるようだ・・
いつのまにかドグラマグラを読んでいる:そう、いつの間にか読んでいた・・
この世はすべてキチガイだらけ:そう、全てが夢ならば・・
別に読んでもキチガイにはならない:そう、この程度の内容は、考えている人は考えている・・
60年以上前に書かれたとは:そう、すごいと思うが、考えられない内容ではない・・
表紙は内容と合っていない:そう、けど相応しい表紙すら思い浮かばない・・
読み手すべての感想が違う:そう、過去のレビューを読むと、私が書きたい事はすべて書いてある・・

ん?これは・・正に胎児の夢?

「アハハハハ、いかんよ!人に紹介するなんてできやしないぜ。この世が胎児の夢ならば、読む人は読むというわけだ」
・・アッ・・正木博士・・・
・・・ブウウウーーンンーーンンン・・・

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)より
4041366046
No.89
(5pt)

これも胎児の夢?

長編を読了し、レビューを書きたくなった。
過去のレビューを見てみると

読了すべき:そう、とにかく長い、しかし読了後は・・
場面が浮かび上がる:そう、正木博士の、部屋の間取りが見えるようだ・・
いつのまにかドグラマグラを読んでいる:そう、いつの間にか読んでいた・・
この世はすべてキチガイだらけ:そう、全てが夢ならば・・
別に読んでもキチガイにはならない:そう、この程度の内容は、考えている人は考えている・・
60年以上前に書かれたとは:そう、すごいと思うが、考えられない内容ではない・・
表紙は内容と合っていない:そう、けど相応しい表紙すら思い浮かばない・・
読み手すべての感想が違う:そう、過去のレビューを読むと、私が書きたい事はすべて書いてある・・

ん?これは・・正に胎児の夢?

「アハハハハ、いかんよ!人に紹介するなんてできやしないぜ。この世が胎児の夢ならば、読む人は読むというわけだ」
・・アッ・・正木博士・・・
・・・ブウウウーーンンーーンンン・・・


ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.88
(5pt)

最高の推理小説

この小説は一見奇妙に見えるのですが、博士のやっかいな論文と自説をとばして読むと、フィジカルでシンプルなひとつの事件が見えてきます。
 その殺人のために誰がアリバイを立てなければならなかったのか、だれが自己弁護する必要があったのか。それを考えると意外とシンプルな小説だと思います。
 そして、それよりもっとも奇妙なことは、そこまでわかっていてなお、作中の一人称が結局誰だったのかが特定できないことです。これこそ本書をただの推理小説ではないものにしています。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.87
(5pt)

奇書

初めて読んだのは、もう30年以上も前。
妙な女子高校生だった私は、妙な装丁に惹かれ手にした。

本は難解だったが、寝食を忘れ没頭してしまった。
のめりこんだわけではなく、あまりの読みづらさに目を離すと自分の思考がどこへ飛び立ってしまうのかわからなくなってしまうから、
だから、一気に読んでしまえと思った。
夢野久作という作家に叩きつけられた挑戦状を、真正面から切り返してやりたいと思ったくらい生意気な女子コーコーセーだった。

それきり夢野作品を片っ端から読んでみた。
一番のお気に入りは、『この世の涯て』という短編だが、どれもこれもまだ切り返せていない。

『ちゃかぽこ』は頭の隅にまだいる。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.86
(5pt)

本書は保存版、愛蔵版、そして作品世界を真に堪能するためのもの

三一書房版「夢野久作全集」も、文庫版も持っている。
だから、本作はつごう二度完読した。
三一書房版を最初に読んだ当時は、途中で挫折したが、大学生時代、社会人になってからは、いずれも最後まで読んだ。

そして、どうしても一度、本作を旧字の覆刻版で読みたくて、購入したのが沖積舎版だ。
高価であり、当時の不鮮明な印刷がそのまま覆刻されているのだから、非常に読みにくい。
しかし、それが、本作の不可思議さに絶妙にマッチングしている。
だから、覆刻版はやめられない。
この沖積舎の覆刻版シリーズは、小栗「黒死館〜」、「白蟻」、「オフェリヤ〜」、「紅殻駱駝〜」、夢野の本書、「氷の涯」、そして乱歩「探偵小説四十年」を持っている。
やはり覆刻版は、その初刊時の雰囲気が味わえるし、しかもしっかりとした作りで保存版としても良い。

さて、本作の内容は、今さら詳細に説明する必要もないほど、良く知られている。
テーマは「狂人の解放治療」であり、ある意味「操り」系ミステリともいえる。
覆刻版は総ルビなので、主人公の「呉一郎」は「くれいちろう」ではなく「ごいちろう」と、正しく読むことができる。
そして久作の文章は、人名等、正しく読むことが絶対条件なのである。
というのは、久作の文章は、音読されることを念頭においた、つまり語感というか音感を非常に大切にしたものだからなのである。
そのあたりは、本書中の「〜外道祭文」を読むと、良く分かる。
実にリズミカルな、そしてそのリズムに乗ることができれば、実にスラスラと気持ち良く読める文章である。
もちろん、内容まで気持ち良いというわけではないが。

本書はダンボール箱入りなのだが、その表カバーが久作のどアップである。
これは、実にインパクトが大である。
オークションでも最近はけっこう高価になることが多いが、本作に嵌った者は、一度はこの覆刻版をひもといてほしい。
もちろん自分で持っているのが一番良いのだが、図書館などにもあるはずである。
この独特の雰囲気を堪能するためには、ぜひとも本書でなければいけない。
ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4)より
4390108840
No.85
(5pt)

本書は保存版、愛蔵版、そして作品世界を真に堪能するためのもの

三一書房版「夢野久作全集」も、文庫版も持っている。
だから、本作はつごう二度完読した。
三一書房版を最初に読んだ当時は、途中で挫折したが、大学生時代、社会人になってからは、いずれも最後まで読んだ。

そして、どうしても一度、本作を旧字の覆刻版で読みたくて、購入したのが沖積舎版だ。
高価であり、当時の不鮮明な印刷がそのまま覆刻されているのだから、非常に読みにくい。
しかし、それが、本作の不可思議さに絶妙にマッチングしている。
だから、覆刻版はやめられない。
この沖積舎の覆刻版シリーズは、小栗「黒死館〜」、「白蟻」、「オフェリヤ〜」、「紅殻駱駝〜」、夢野の本書、「氷の涯」、そして乱歩「探偵小説四十年」を持っている。
やはり覆刻版は、その初刊時の雰囲気が味わえるし、しかもしっかりとした作りで保存版としても良い。

さて、本作の内容は、今さら詳細に説明する必要もないほど、良く知られている。
テーマは「狂人の解放治療」であり、ある意味「操り」系ミステリともいえる。
覆刻版は総ルビなので、主人公の「呉一郎」は「くれいちろう」ではなく「ごいちろう」と、正しく読むことができる。
そして久作の文章は、人名等、正しく読むことが絶対条件なのである。
というのは、久作の文章は、音読されることを念頭においた、つまり語感というか音感を非常に大切にしたものだからなのである。
そのあたりは、本書中の「〜外道祭文」を読むと、良く分かる。
実にリズミカルな、そしてそのリズムに乗ることができれば、実にスラスラと気持ち良く読める文章である。
もちろん、内容まで気持ち良いというわけではないが。

本書はダンボール箱入りなのだが、その表カバーが久作のどアップである。
これは、実にインパクトが大である。
オークションでも最近はけっこう高価になることが多いが、本作に嵌った者は、一度はこの覆刻版をひもといてほしい。
もちろん自分で持っているのが一番良いのだが、図書館などにもあるはずである。
この独特の雰囲気を堪能するためには、ぜひとも本書でなければいけない。
ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276)より
4150002762
No.84
(4pt)

ミステリー、とても深いです。

最初は、不気味さを感じて、ホラーなのかと思いました。
読み込んでいくと、いろいろとストーリーに仕掛けがされていて、とても引きつけられました。

ある面では、科学的な切り口でもあり、批判的でもあり、さらに、輪廻を思わせる宗教のようなところもあります。
また、仕掛けがひとつずつ分かるところは、まさしく、推理小説です。

まとまってなくて申し訳ないですが、いろいろな面で深い小説で、とても面白いと思います。
ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (現代教養文庫 884 夢野久作傑作選 4)より
4390108840
No.83
(4pt)

ミステリー、とても深いです。

最初は、不気味さを感じて、ホラーなのかと思いました。
読み込んでいくと、いろいろとストーリーに仕掛けがされていて、とても引きつけられました。

ある面では、科学的な切り口でもあり、批判的でもあり、さらに、輪廻を思わせる宗教のようなところもあります。
また、仕掛けがひとつずつ分かるところは、まさしく、推理小説です。

まとまってなくて申し訳ないですが、いろいろな面で深い小説で、とても面白いと思います。
ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (ハヤカワ・ミステリ 276)より
4150002762
No.82
(5pt)

完食せよ!

本書は、途中で挫折するひとが多い作品であろう。特に「脳髄論」あたりのストーリーと直接関係のない話が出てくるあたりが、挫折のポイントではないだろうか。
 しかし、とにかく読むことをお勧めする。苦しくても最後まで読んでほしい。

 けっして本格ミステリではない。いや、一般的なミステリという概念では測れないものである。ルヘイン「シャッター・アイランド」が似たような設定であり、ああ「ドグラ・マグラ」だと思ったものである。映画化されている、という点も共通している。いや、あちらは「治療島」か。

 少し前の島田荘司の「21世紀本格」の主要モチーフだったが、本当のミステリは人の心(脳)の中にある。これを大正から昭和初期にかけてテーマとし、このような長編作品をクリエイトした夢野久作は天才であり、本書は読み終えることで、読者の中に生じるものがあるはずである。それは人によってまちまちであるが、私の場合はミステリにおける真の「操り」を認識した。操り系ミステリの面白さが分かるようになった。
 だが、途中で挫折したら、それは得られないのである。

 本書の面白さは、読み終え、さらに再読したときに、初めて分かると思う。時代を超えた傑作というのは、こういう作品のことである。
 「三大奇書」?いや孤高の傑作である。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.81
(5pt)

幻魔の奈落に落ちていく感覚。

世の中には奇書と呼ばれる書物があります。常識という観点では理解し難く、
むしろ常識という物の危うさを逆に揺さぶってくる危険な作品の事です。
この本はまさに奇書中の奇書といえると思います。

狂人の書いた推理小説という設定、胎児の夢、輪廻する世界。読み進めるうちに
誰が正気で誰が狂気か、何が本当で何が嘘か、時間間隔も失われ、もはや判断する
気力すら奪われていきます。

他人の心について無責任に語る前に、自分自身の心の軸がどちらの世界にあるか。
この本を読めば答えが見つかるかもしれません。

尚、実験映画の雄松本俊夫氏によって映画化もされています。桂枝雀師匠の狂いっぷりは圧巻です。
ドグラ・マグラ (下) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)より
4041366046
No.80
(5pt)

狂気と正気を隔てる地獄門的奇書

世の中には奇書と呼ばれる書物があります。常識という観点では理解し難く、
むしろ常識という物の危うさを逆に揺さぶってくる危険な作品の事です。
この本はまさに奇書中の奇書といえると思います。

狂人の書いた推理小説という設定、胎児の夢、輪廻する世界。読み進めるうちに
誰が正気で誰が狂気か、何が本当で何が嘘か、時間間隔も失われ、もはや判断する
気力すら奪われていきます。

他人の心について無責任に語る前に、自分自身の心の軸がどちらの世界にあるか。
この本を読めば答えが見つかるかもしれません。

尚、実験映画の雄松本俊夫氏によって映画化もされています。桂枝雀師匠の狂いっぷりは圧巻です。


ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.79
(4pt)

息が苦しくなるほど先が読みたくなる。

今、丁度読み終わりました。普段読むのは速い方だと思うのですが、この本は普段の3倍ほど時間がかかりました。文体の凄さに圧倒されて、息をつめて読んでいたはずなのに、気が付くと頭がショートして、今まで読んでいた文章がグルグル廻りながら、そこにいるはずもない正木教授の見開かれた目や、小さな椅子に座り肩を丸めて咳をする若林教授の姿が見え隠れし、目が文章の上を上滑りするという現象が度々起こりました。最終的に読み終わっても完璧に分かった事なんて一つもなかった。だけど、なぜか、解答を求めない自分がいます。ああ、まだ胸がどきどきしています。もっと早く読んでいればよかった。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.78
(5pt)

ぶっ壊れてる、みんなぶっ壊れてる、これが世界の真理だ。

この本は、海外に翻訳されて、しかるべきですね。僕は、この夢野久作という男が、この本で何を書きたかったのか?全く理解できない・・・むしろ、海外で読まれてどう評価されるかを知りたいです。まず、こんな本はないでしょう・・。トマス・ピンチョンの混沌のカオス文学を超えていて、ジャパニーズ・カオス文学としか言いようがない。宗教も神も救いすらない。超人・・・この言葉を残したニーチェがどうこの本を読むか?読んでいては、このリズム感は天才の書いた文体としか言いようがないです。これは100年残る文学でしょう。この本の下に、2位はない。唯一無二。天上天下唯我独尊的作品。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038
No.77
(5pt)

上巻を読み終えて

何と言ったらしっくりくるのか表現が難しい。
困惑、混沌の渦の中に居るような、落ち着かない気持ち。
本作を読んだのに読んでいないのと同じような、、、
引き込まれていくのに、引き離されていくような。
途中、先が気になるのに1日2ページ読むと頭がショートして、
自分がひどく馬鹿になったような感覚に陥る。
終わりごろからまたいいペースで読めたけれど、
わけがわからないまま下巻にすごく期待してる自分がいる。
上下読み終えて、その後もう一度読みなおせば、
今とはまた違う感想になるのかもしれないとも
自分の読解力のなさを撤回できるのではと期待していたり。
この作者に関しては、先に短編から入って良かったと思った。
(2010.7.18読)
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) Amazon書評・レビュー: ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)より
4041366038