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かくれさと苦界行
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かくれさと苦界行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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江戸期を題材にしているというだけで、リアリティを感じさせる時代小説とは程遠い作品である! 都市伝説的要素の中に必然性も裏付けもない無敵のヒーローが暴れまわり、超能力者が都合の良い部分だけ助けてくれたり、なんともご都合主義的なストーリー展開が延々と続くファンタジー! | ||||
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とてもきれいな状態で満足しています。 | ||||
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徳川家康より与えられた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いに勝ち、松永誠一郎は色里・吉原の惣名主となった。だが、一度は敗れながら、なお執拗に御免状を狙う裏柳生の総帥・柳生義仙の邪剣が再び誠一郎に迫る。加えて吉原を潰すべく岡場所が各所に乱立し、さらに柳生の守護神・荒木又右衛門も江戸に現れた。ついに吉原と裏柳生全面対決の時が――。 | ||||
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前作以上に一人ひとりが際立っており、読んでいて何度も心が震えた。絶品。 | ||||
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『吉原御免状』続編。読めば判るとは、正にこのような本のこと。前作に登場のいかにも個性的な面々に加え、荒木又右衛門や小太夫(お小夜)、吾妻などなど、濃い(いや濃すぎる)一団が物語を引っ張り、感動そして感涙の一気読みでした。それにしても、隆慶一郎の筆力はすごい。頭の中に場面々々の映像が明瞭に浮かぶのを超えて、何と云うか戦闘シーンをはじめとして評者自身がその場に立ち会っていたかのような錯覚を覚えさせられっぱなしでした。ただ唸るのみです。 「吉原以外の、つまりは公娼ではなく私娼を置いた場所を岡場所といった。・・・ もっと簡単に埒をあけることが出来、しかも近間で値段の安いところが欲しくなるのは、低きに流れる人間の常である」(142〜4頁)。 「吉原の太夫は、売る女であって、売られる女ではない。そして己れを売るのは、惚れた場合だけなのである。・・・ つまり当時の男は、殆んどが生涯恋というものを知らなかった、と云っていい。その男たちが、吉原では恋を要求されるのである。・・・ しかもその上に、永年の伝統によって磨き上げられ、繊細化された性技が来る」(247〜8頁)。 「死の時に人は血圧が急速に低下する。この急激な血圧の低下の一瞬、人は何物にも替えがたい倖せを感じるという」(433頁)。 「なんで殺さなきゃいけないんだ。この世はこんなに楽しいのに」(461頁) 「色好みの忠清にとって、・・・ 手を伸ばし足を伸ばせば、そこに若い女体があった。顔もろくに見えぬ暗闇の中で、誰とも知れぬ女体を一晩のうちにいくつも、思いのままに犯せるのである」(486頁)。 「以後の忠清は錯乱の連続だった。将軍家綱が僅か四十才で死に瀕した時、忠清は次の将軍になんと有栖川宮幸仁親王を迎えようと提議している。・・・ 忠清は将軍の血に、 天子の血をまじえたかったに違いなかった」(521頁)。 作中、最も評者の印象に残ったのは、やはり義仙の改心(461頁、470〜1頁)の箇所でしょうか。それにしても、青年から壮年へと足を踏み入れた松永誠一郎とおしゃぶ、おふうの行く末を描くはずであった第3部・第4部が本当に読みたかったです。なお、解説はネタばれしてしまうので、先に読まない方がよいでしょう。 | ||||
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男のロマンまんさいです 強い男 陽と影のおもしろさ。時代物の面白さ 頭の中で配役を決め映像化しますが いい役者いません そのような楽しみ方ができます | ||||
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「吉原御免状」の続編。前作では青年だった松永誠一郎だったが、今作では青年期に終わりを告げ、壮年へとさしかかる姿が描かれる。 前作同様、予想できないストーリーで楽しめる。前作から引き続き、庄司甚右衛門、柳生義仙などが活躍するが、今作には荒木又右衛門が登場する。その人物造形、異能とも言える戦闘力、人格はまさに圧巻。圧倒的な存在感がある。 「吉原御免状」で隆慶一郎の世界に魅了された人には、ぜひとも読んでおきたい本だと思う。 このシリーズは「かくれさと苦界行」で終わってしまった。壮年期に入った誠一郎がどうなるか、傀儡の砦・吉原がこのあとどうなるのか、隆氏のファンなら興味は尽きないだろう。作者のあまりにも早すぎる死が惜しまれる。 「吉原御免状」「かくれさと苦界行」で興味深く思ったことがある。松永誠一郎が二作とも戦を通じて強い精神的なショックを受け、深く傷つくこと。そして傷ついたときの描写だ。人なら誰しも、愛情を持った人間が死ねばショックを受け、激しく落ち込むだろう。誠一郎のように純粋な人間にはさらにその衝撃は大きいはずだ。隆氏はその状態を荒野にも例えた。その描写は、悲しく淋しい。あまりにも荒涼としていて、読む側に訴えかける。この描写を読んで、作者の隆慶一郎氏も、こうした経験があったのだろうか、と思った。 | ||||
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吉原御免状の続編です おしゃぶも母となり、やはりおふうも 普通の子供ではなさそうです 影武者徳川家康を読破してから読むと 何と無く、作家さんの意図が分ります | ||||
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残念ながら私はこの本の前作は未読です。 なぜならば、もらった本の中にこの本があり 残念なことに前作は見当たらなかったので。 しかしながら途中から読んでも 悪くはない内容でした。 吉原という現実とは少し離れた場所で起こる さまざまな戦い、そして死… ある男の陰謀は 彼の「弱み」を握る文章の争奪という ところで大々的に繰り広げられます。 そしてからむは多くの血と命。 もちろん誠一郎もその戦いの中で大切な人を 失います。 もちろん見所は ある二人の一騎打ちでしょう。 そう、ひときわ異彩を放つあの二人の。 だけれども悲しくもありました。 一方で希望もありますが… これ以上続編は望めないのです。 残念。 嫌いでない世界観ではあります。 | ||||
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主人公松永誠一郎との戦いで片腕を失った柳生義仙が片腕で扱える小太刀の剣を極めて再度吉原に。 吉原の惣名主となった主人公の前にはさらに裏柳生の代表である「お館さま」が新たに登場します。 前作を勝る迫力で描かれ、 吉原と裏柳生の神君家康の御免状を巡る闘いが一先ず決着します。 解説によるとこの後の話の構想があり連作となる予定だったようです。 吉原御免状を読んだ方はこちらもぜひ、というか、必ず読んでもらいたい一作です。 | ||||
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故・隆慶一郎「吉原御免状」の続編。 悲しくて、切なくて、涙がとまりません。 男女わけ隔てなく、登場人物全員が文句なしで格好いい。 身分であったり、血筋。生まれながら人間が背負い込む宿命。その中で、それぞれが果敢に織り成す人生。人間の力では、どうしても抵抗しようがない宿命に、正面から向かっていく全ての登場人物に惚れてしまいます。 文芸作家として5年で急逝した隆慶一郎。 幕府の吉原対策として建てられた上野寛永寺を舞台に予定されていた3部作目が惜しまれる。 | ||||
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吉原御免状の続編で、吉原御免状の結末が中途半端となっていた、宿敵の柳生義仙との決着、吉原御免状を巡る老中酒井忠清との顛末などが描かれて、物語が見事に完結する。 ストーリーも面白いが本書の魅力は登場人物のキャラクターの豊かさである。 主人公の松永誠一郎は宮本武蔵野直弟子である上に、柳生宗冬から柳生新陰流の伝授も受けた天才的な剣士であるが、人間的には素朴かつ純真であり、それ故に柳生一族との本意でない争いに巻き込まれて人を斬る苦しみは計り知れないものになる。その他の登場人物も悪役である柳生一族でさせも、各々が苦しみを抱えながら生きていることが鮮やかに描かれている。 もう一つの魅力は詳細かつ真に迫った決闘場面である。剣に関して全く無知な人間が読んでも柳生新陰流の技や秘術が目に浮かぶように鮮やかに描写されており、息を呑むような迫力がある。 以上のように色々な角度から楽しむことができる傑作だと思う。 | ||||
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「吉原御免状 」の続編。 <これが遂に覚者になれなかった男の、成れの果ての姿か> 今作から登場する荒木又右衛門の哀切の念。相手と自分の命をやりとりする中で、積み重ねてしまう愚行。 人物として一種爽やかなだけに、余計にその悲しみが迫ってくる。 荒木又右衛門と幻斎の死に様。 作中の人物以上につまらぬ愚行を積み重ねている自分は、果たしてどんな死に様を見せるのか。 それでも「無益な行為にも、結着はつけねばならぬ」。 | ||||
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「吉原御免状」の続編。この巻に至ってその正体が明かされる。ネタバレするとつまらないので他のレビューは読まないほうがいいと思うのだが・・・ ポーの「盗まれた手紙」ではないが、世の中には内容がわからないゆえにより効力を発揮する書状というものがある。脅迫、というのもそれと同じで、実際に脅しの内容を実行してしまうと、もう恐ろしいものはなくなってしまうということだ。そして、この吉原御免状は神君徳川家康から吉原の創設者庄司甚左衛門に下された書状なのだが、まさしくそういった性質を持つものなのだ。 この書状を苦心惨憺して入手した時の権力者、酒井忠清は、その内容を見たことが原因で狂死してしまう。さて、果たしてその内容は何だったのか。あとは本作を読んでのオタノシミです ^^ | ||||
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後水尾院に落胤と認められ、色里 吉原の惣名主となった松永誠一郎と、『神君御免状』を執拗に狙う幕府老中 酒井忠清との戦いを描いた、「吉原御免状」の続編です。剣の技に天賦の才を持ち、立場ゆえに人を斬らざるをえない松永誠一郎、前作で修羅の道を生きる覚悟を決めたとはいえ、それでもまだ煮え切らない態度に歯がゆさも覚えますが、「人殺し」と「勝負」を全く別物にとらえ、「勝負」では一切手を抜かず全力で相手を倒しにいく剣士としての生き方は潔く格好がいい。勝負の相手も、すでに死んだと思われていた鎰屋の辻の仇討ちで有名な荒木又右衛門に、片腕を斬られ復讐の鬼と化した元裏柳生の総帥 柳生義仙と錚々たる顔ぶれ。これだけそろっておもしろくないわけがないでしょう。前作同様、吉塊??の隠された真の姿や天皇と流浪の民との関係など各所で問題が提起されていて、深読みすればいくらでもできるのですが、そんな難しいことは措いておいて剣豪小説としても充分に楽しめます。 「吉原御免状」から登場していた主要人物が次々と死んでいき、一つの時代の終わりと新しい時代の到来を感じさせる本作、解説によると作者はこのシリーズを四部作にするつもりだったそうで、第三部の構想もほぼ固まっていたとのこと。作者の急逝が全くもって悔やまれます。 | ||||
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主人公、松永清一郎は極めてストイックな剣豪にして上皇のご落胤。しかもあの宮本武蔵の直弟子で新吉原の総元締め。おまけに裏表の柳生忍び軍団が絡むとあっちゃ、面白く無いわけがない。本作は「吉原御免所状」との前後作といった趣で後に最愛の妻となる不思議な少女おしゃぶとの出合いのエピソードも。戦闘活劇でほどよくエロチック。江戸という時代と吉原という異界。実は徳川家康は影武者で漂泊民の子孫とか、荒唐無稽といえばそれまでだが、歴史の皮肉をこれだけエンターテイメントに仕上げた筆者のパワー。その他の作品にしても同レベルの出来というから恐れ入る。早逝されたのがホント惜しい。 | ||||
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