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明智左馬助の恋
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明智左馬助の恋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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『信長の棺』、『秀吉の枷』に続く本能寺の変にまつわる歴史ミステリーの第3弾。 本能寺の変のもう一人の主人公である明智光秀ではなく、その娘婿を主人公に設定している。 光秀の娘と彼の悲恋を描いているかと思いきや、それは前半だけ。後半は、光秀が信長を討ち、さらには自らが討たれ、左馬助らの自決に至るまでを描いている。 初めのラブストーリーの方がよかったな。全編それで通せばよかったのに、後半はそれが薄れてしまい、最後だけ。ちょっと残念。 でも信長の死にまつわる設定は、3篇共通で、本能寺の変をそれぞれの視点で見ることができて、面白い趣向だと思う。 | ||||
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敢えてなのかも知れないが、信長を高く評価する歴史解釈や学説等には極力触れず、信長がいかに偏狭で気まぐれな暴君であったかを執拗に描写しているように感じられ、それが些か公平を欠くように思われた。 また、その他の人物像やエピソードなどに関しても、ある特定の解釈等をさもそれが真実であるかのように描いている箇所が散見され、いくら娯楽小説であるとはいえ、やや強引な印象が否めないようにも感じれらた。 もっとも、明智左馬助という、これまで脚光を浴びることが少なかった人物を主人公に据え、新たな視点から戦国の動乱期を捉えなおそうという試みは高く評価されて良いと思われ、その点では理屈抜きに楽しめる作品であった。 | ||||
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第1作 第2作に比べ表題は地味だが 文章の一字一句が実に良く練られて いる。前2作はドラマ性が強くそれなりの 面白さはあったが 今度の作品は 人間の 心の内面を女性的柔らかさで見事描写して いる。加藤廣氏はこの作品で押しも押されぬ 文学者となった。 第4作 楽しみです。TOYA | ||||
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前々作は織田方の視点・前作は豊臣方からの視点そして今作はいよいよ首謀者と称される明智方の視点から本能寺の変の真相について描いてきた歴史小説の最終章。 著者の渾身の3部作であろう。 いざ、今作を見てみるといきなり「明智左馬助の恋」というお題目になっている。 (ちなみに左馬助は明智光秀の養子であり、家来であり、かつ娘婿です。) 「???」 一抹の疑問を胸に抱えながら読み進んでまいりますと、なぜこのようなタイトルにされたのか、著者の思いもなんとなく頷けるような気がしました。 きっと、明智光秀という人物像をより客観的に描くには他者の視点が必要だったのでしょう。 光秀を筆頭としたこの明智一族、非常に律儀な性格が有名なのはあなたもご存知かと思いますが、今作を読んでいきますと、律儀もここまでくると何とやら… ある意味、どうに入っております。 そして、肝心の本能寺の変の明智方の動き。 ここには様々なご意見があるとは思いますが、著者の描かれている明智方の動きは説得力があるように思います。 (これは本能寺の変後、光秀が身内にあてた手紙があるのですが、この手紙の内容を見る限りではとても光秀は・・・、ネタバレはつまらないのでこれ以上は書きません。ちなみにこの手紙はこの本には登場してきませんのであしからず。) この本能寺の変後、物語りはまだ続きます。 一体、明智一族はどうなってしまうのでしょうか? それはあなたの目で確かめてください。 | ||||
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いちばん面白い話は、最後の最後に残ってました。 著者が怒ってらっしゃる! 「本能寺の抜け穴」という 着想について、「心ない批判があることは知っている」、 「ならば対案を出せ!」と。三部作が完結するまで、 ジッと耐えてらしたんですねぇ。 かくなる上は、「是非に及ばず」。 印税を投入して、旧本能寺→南蛮寺ルートの発掘調査 を自ら始めるしかありません。 この三作目、てっきり「光秀の・・・」と、くるかと 思いきや、「左馬助の恋」と、はぐらかして恋物語が 延々と続く。 戦国モノ好きには少々つらいかも。 また文中、現代用語がポンポン飛び出す。突然、 「面会謝絶」なんて文字が現れて、大病院の廊下に 立たされてしまう。「遠隔操作」「成果主義人事」 「国内留学」...アレレ。 三部作計4冊、お付き合いしましたが、一作目の骨格 は崩せないため、二作、三作で細部を掘り下げてみても 新味はどうも。『信長の棺』だけで終わったほうが 鮮烈なイメージが温存できて良かったのでは? 「謀叛の真相」「信長の遺体」どちらも永遠の謎? 否!『未来ビジネスを読む』によれば、米国マレット 教授はワームホール理論を根拠に、タイムマシン製作に 取り組んでいるとか。期待しましょう。(笑) 美濃人としては「天皇、仏教、秩序を守るための義挙」と 信じたい。『人国記』も云う。「東美濃は生得のまま にして木地なり」。「天下取り」が先ではないでしょう。 著者も光秀ひいきで信長嫌いのご様子。が、書『信長の呪い』 では「信長は日本資本主義の開祖」と讃えています。 この三部作。敬服すべきは「転身はかくあるべし」と 著者自ら手本を示したこと。齢は不問。要は用意周到な プランですね。 次回作は?「妙心寺から天海現る」?マサカ! | ||||
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本能寺三部作完結編として出されたこの本、大方の想定外の明智(予想の多くは家康だった)、しかも光秀でなく、その娘婿明智左馬助。前二作にもチラチラとは登場していたが、余り良く知らなかったこの男が超が付く程カッコ良く、秀吉の鼻を明かしてゆく。が明智の名が辿る運命に、主人公の人生におもわず肩入れして、泣かされました。 | ||||
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本能寺三部作の完結編。 正直、「信長の棺」、「秀吉の枷」に続くのは、「家康」かと思ってましたが、「明智」でした。しかも、光秀ではなく、左馬助であり、意表をつかれました。 そのため、時系列的に、前二作、特に第一作と舞台設定が重なってしまい、「未発見である織田信長の遺体」に焦点を当てた第一作、「豊臣秀頼は秀吉の子では有りえない」との着眼から生まれた第二作のような歴史再検証、発見が乏しかったです。 物語自体は、登場人物のかかわり合い等は流石に面白いです。ただ、やや盛り上がりには欠ける気もします。ただ、歴史上の人物をポジティブに捉えている点は好感が持てます。 佳作ですが、前二作が良すぎた分だけ、もの足りなさも感じます。尚、本作だけを読まれても、意味は通じるのではないかと思います。 | ||||
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「信長の棺」、「秀吉の枷」と来て「明智左馬助の恋」。三作目は、明智左馬助の物語と聞いてはいましたが、このタイトルは予想できませんでした。しかし、内容は正しく左馬助の恋。戦国時代のラブロマンスです。物語としては、一番面白かったのではないでしょうか。<br /> 「本能寺」三部作の完結編となる本作ですが、既に謎らしい謎は前二作で明かされております。あとがきにもありますように『一つの謎は三つの方向から追う』の観点で、三つの立場から、このお馴染みとなった本能寺の抜け穴物語を読み解いていくというのが、このシリーズの楽しみ方でしょう。一作目の牛一から見た信長と本作の光秀から見た信長と立場が異なれば、こうも評価が異なる。これこそが歴史なのでしょうが。<br /> 前二作同様、大胆な歴史解釈で、今までに見たことの無い場面を描き出してくれているのも歴史ファンには興味深いところ。でも、妙に納得できたりします。<br /> 左馬助が主人公と聞いた時、二種類の結末を予想しておりました。どちらになるか、非常にドキドキしながら読み進めましたが、読み終えて何故タイトルが光秀でなく左馬助なのか、なんとなく解った気がします。あくまでも「本能寺」三部作の完結編なのかなと勝手な解釈をしつつも、そういった余韻に浸らせてくれる優良歴史エンターテイメントだと思います。<br /> <br /> | ||||
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第1作「信長」は、本能寺の変をめぐる奇想天外な着想と謎解きの巧みさに脱帽だった。 第2作「秀吉」は、主殺しに走る秀吉の心理描写は面白いが、既知の解釈の描直しの域を出ず 小説のスケールは遙かに小振りになったという印象だった。 そして3部作の最後、タイトルが「左馬助」と聞いて、わずかに期待しつつ読み始めた。左馬 助が第1作の終盤、信長の遺体処理に謎めいた行動を取った人物として登場していたためだ。 著者の言う3点照射の最後の光源は、敗者の側からどのように事件を描くのだろうかと期待し たのだが、正直なところ、左馬助とその妻、舅であり主である光秀を巡る家族ドラマでしかなく 「本能寺」という歴史上の事件に関する謎解きも物語の中では付け足しのように見える(信長 の遺体処理での左馬助の行動や安土城天守の謎解きも含めて)。 左馬助にも、もう1人の主役であるはずの光秀にも、回天の軸となる人物としての躍動感は読 みとれない。姿を隠したままの真の反逆者のシナリオに翻弄されながら、利ではなく、義や理 の一分を守ろうとした武士の悲喜劇といったら言い過ぎだろうか。いずれにしろ、様々に書か れてきた光秀とその一党の解釈に新たに付け加えるものは感じられなかった。 本能寺という事件を異なる3つの視点から照射するという3部作の完結編としては残念な結果 になったが、湖水渡りという爽やかな武辺譚で記憶される部将に光を当てた佳作ではある。 | ||||
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「信長の棺」「秀吉の枷」に続く、織田信長の遺体の謎に挑む三部作の完結編です。 三方から書かれた作品の最後は、明智方から見た物語になっています。主人公は光秀の娘婿左馬助です。 正直、前の二作品を読んでからだと、もう一つ盛り上がりに欠ける作品のような気がします。 左馬助と綸との二人の恋物語をバックに明智一族の破滅に至る道を描いているのですが、前二作で謎の大半が解ってしまっており、残された謎は信長の遺体が何故見つからなかっただけです。従って、二人の恋物語や、光秀、左馬助の生き方に魅力を感じられなければ、この作品の良さを感じられないことになります。その意味で、前二作に比べて、やや魅力に乏しい作品になってしまっているように思います。それと、一番気になった のは、信長の死に纏わる周りの動きの理由が、前よりもぼんやりしてしまったことです。 とは言うものの、<小の慈悲><中の慈悲><大の慈悲>という論議が出てきますが、そこで、<大の慈悲>を「善悪の彼岸で、人間同士が、お互いの未熟と至らざる性を悲しみ、抱き合いながら流す熱い涙」と定義しています。この本の主人公左馬助の人生の中に、それを感じさせるものがあるような気がしました。 | ||||
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