下町ロケット

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下町ロケットの評価:

4.52/5点 レビュー 611件。 S ランク

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平均点4.52pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全559件 541〜559 28/28ページ
No.19
(5pt)

したたかに不屈のおじさん

町工場を経営する離婚したおじさん。かつては宇宙開発機構で働いていたのが、ロケット打ち上げに失敗した過去を持つ。
町工場のくせに開発費を潤沢にもち、使えもしないロケットエンジンの特許を持っている。
バカな勘違いおやじか。
理工系の夢見る勘違い経営者か。

特許をめぐってしかけられた大企業との訴訟。
特許をめぐって持ちかけられた別な大企業からの儲け話。

私だったらそうはしない。
いや、だれだってそんな選択をしないよ。

なぜ仕事をするのか。
何のために生きているのか。
働く意義を説きつける一冊。

でもこんな生き方をしてたら身が持たんぜ。
痛快町工場経営者の物語。

<後日追記>
 3度目の正直!直木賞受賞おめでとうございます!やたー!
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.18
(5pt)

インフルエンザになってよかった!

とてもとても面白い本です。
実はインフルエンザで寝込んでしまって苦しみぬいた後、友達にすすめられ寝ながら読んだ本。
「病み上がりに読むにふさわしくなさそう・・・」とダラダラページを勧めたが、
これがこれが実によくできた本。
下町の中小企業を舞台にした地味〜な先入観は捨ててください。
倒産の危機に陥った佃製作所、でもそこで働く人たちには心があり、夢があり、情熱がある。
取引先から見放され、ライバル会社からは特許侵害されながらも腐らない。
夢が莫大なお金をうむ仕事へとつながっていく・・・。
読後はすっかり元気に復活できた、読む人に元気をくれる本。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.17
(5pt)

現代の勧善懲悪ストーリー

勧善懲悪、池井戸氏の作品を一言で現わすとこうなると思う。高い志を抱き、筋を曲げずに、誠実に努力を重ねると必ず報われる。逆によこしまな考えから人を裏切ったり、貶めたりする者は罰を受ける。わかりやすい勧善懲悪ストーリーを池井戸氏は企業を舞台に繰り返し描き、私たちを「志を抱いて誠実に生きよ」と励ましてくれる。

本作は、夢と理想を追い求める中小企業経営者が主人公である。ロケット発射失敗で挫折して研究者から2代目経営者となった佃が開発したロケットエンジン技術がついに日の目を見る時が来る。幾度も妨害があり、危機が訪れるが、佃は的確な判断と行動で乗り切っていく。ここでも目先の利益ではなく「夢」や「志」の有無がものを言うのだ。シーンが浮かぶように描きだすリアルな筆致も池井戸氏の作品の特徴だろう。登場人物たちの造形が確かなのでそれぞれが身近な隣人のように感じられる。そのため読み進むにつれ魅力的な主人公に感情移入してしまう。

「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」と池井戸氏の作品を読んできてこの「下町ロケット」にたどり着いた。前2作も面白かったが、本作はさらにパワーアップしていて読みながらハラハラドキドキの連続。最後のロケット打ち上げのシーンでは不覚にも涙がにじみ、読み終えて「よかった」と私はつぶやいていた。

多くの人々が一度は悩むであろう「何のために働くのか」という命題にこの小説は説得力のある回答を示してくれている。退職を申し出た社員に「企業は2階建ての家のようなものであって、1階は食べるため、2階は夢を追うため、両方なければ意味がない」と佃は言い放つのだが、これは池井戸氏のメッセージそのものだろう。経済小説としても出色の出来である。とりわけビジネスに携わる人にこそ読んで欲しい。

追記:池井戸氏は元三菱銀行の銀行マンであり、「融資こんなときどうしたら」など金融関係書10数冊を上梓されている。銀行在職中はさぞ有能なビジネスマンであられたろうと想像するが、その体験が作品に生かされていて説得力を高めている。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.16
(4pt)

経済小説のスタイルを借りたヒューマンドラマ

大企業に知財を荒らされる中小企業は枚挙にいとまがない。本書にでてくるナカシマ工業のように訴訟を起こしてくるのは、ある意味ましなほうで、中小企業に提携話をもちかけておいて、突然打ち切りにし、自社ブランドで同じ製品を出すなんてことをする大企業がある。どうせ訴訟にたえる資金なんかないと高をくくっているからである。あるいは周辺特許を固められて泣く泣くクロスライセンス契約を交わす中小企業もある。中小企業の特許戦略が甘いといえばそれまでなのだが、中小企業側からすれば腹が立つことこの上ない(もっとも最近は中小企業をリスペクトする大企業も増えているようには思う)。でも、本書にでてくる佃製作所は、優秀な弁護士の支援を得ることができて窮地を逃れるどころか損害賠償金まで獲得する。しかし、この話は枝葉にすぎない。

本番は、佃製作所が開発した水素エンジンのバルブの特許を丸の内の大企業(だれでもわかる企業)が売ってくれないかという話から始まる。売るにせよ独占使用を認めるにせよ、佃製作所には大金が入ってくる。だが、佃が下した決断は、どちらでもない。バルブを納品させろというものだった。大企業とのかけひき、社内のあつれきが丹念に描かれる。夢を追う(中小企業にとっては大事なことだ)か、現実を追うか。読んでいて引き込まれる。とくにメインバンクから出向してきている殿村がいい。彼がキーパーソンだといってもいいだろう。顛末はだいたい想像がつくと思うが、こうあってほしいという終わり方で、読後は爽快である。

あえて難点をいえば、佃製作所は、中小企業とはいってもかなり優秀な一握りの企業だということ。多くの中小企業は、こんなうまくはいかない。著者が勤めていた三菱銀行ならば、中小企業といえばこのクラスなのかもしれないが、できればもっと小さな企業を描いてほしい。


下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.15
(5pt)

頁をめくる手が止まらない

読みながら、随所に「仕事の矜持」というものを感じて、胸が熱くなりました。ストーリーも抜群に面白い。ロケット技術に関するディテールも適度に専門的で、適度に分かりやすく、リアルなエンタメとして、非常によく練られています。予定調和的なラストではあるんだけど、それでも気持いいですねえ。わくわくドキドキ、ときにホロリで、最後はスッキリ。なんとも気持ちのよい読書でした。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.14
(4pt)

下町ロケットの書評

典型的文系人間のくせになぜか幼少期より機械いじりが大好きで、愛用品が故障するとこれ幸い、修理という名目でやたらと分解する悪癖が未だ抜けきれない。様々な技術者たちへのインタビューで綴る「メタルカラーの時代」(山根一眞小学館)は書棚の中央に鎮座しており、今も時折眺めて楽しむいわば図鑑代わりだ。そんな私が本書を目にして黙っていよう筈がない。汗と油にまみれた技術者の悲哀を求め、勇躍しつつページを捲った。
 ところが、読み進める内に作者の名前が「高杉良」または「楡周平」と混濁していく。もしやこれは経済小説?前半部分はそんな印象が強い。何事につけ日和見主義に徹する銀行の厚かましさや大企業の狡猾さ傲慢さなどを、執拗なまでに描いている。著者は元都市銀行のバンカーなだけに、多少は自責と自戒の念を込めたのかも知れない。
 後半に入ると内容は一変する。描かれているのは、夢を追い求める中小企業の社長とその夢につきあう社員たちの熱き人間ドラマ。しかも入念な取材の元、宇宙航空工学をリアリティ溢れる繊細な筆力で実にわかりやすく表している。一度は離散しかけた社員の心がプライドというキーワードによって一つにまとまっていく様は、本来日本人が持つべき品格の表象といえるのかも知れない。
 昨今、就活という言葉を耳にしない日はない。老若男女いずれを問わず、職を求める人で溢れている。特に新卒者の就職難は、国の存亡に関わる重大事といえよう。「仕事とは二階建ての家だ。一階は飯を食うため。そして二階は夢を育むためにある」辞めていく若い社員に投げかける社長の言葉は、単に「勤め先」だけを求めようとする若者達への著者なりの警鐘かも知れない。また「オレはもっと自分のために生きていいのかも知れない」社長自身が自問する言葉は、家族のためにと歯を食い縛ってもがき続けるオヤジ諸氏への、著者からの暖かいエールだといえるだろう。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.13
(5pt)

あきらめるな!夢は、きっと叶う!

大手企業から取引終了を告げられ、資金繰りに苦労している佃製作所に魔の手が伸びる。ナカシマ
工業から、特許侵害で訴えられたのだ。会社存続の危機!次々に起こる困難に、佃航平はどう立ち
向かっていくのか?

吹けば飛ぶような町工場。父親の跡を継ぎ社長に就任した航平に、次々に試練が襲いかかる。大手
企業からの取引終了宣言、銀行の貸し渋り、特許侵害訴訟・・・。八方塞がりの中、航平はおのれの
信念を曲げることなく貫いていく。どんな状況の中でも、どんな困難に陥っても、夢をあきらめることなく
追い続ければ、いつか夢は叶う。この作品からは、そういう作者の思いがひしひしと伝わってくる。
「こんなにうまくことが運んでいいのか?」そういう疑問もあったが、あきらめないことの大切さを
教えられ、努力の先に待っている素晴らしい感動を存分に味わうことができたので、満足だ。
読後もさわやかで、心に余韻が残る面白い作品だった。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.12
(5pt)

大企業ばかりが企業じゃない!

池井戸潤に中小企業を書かせたらピカイチですね。涙なくしては読めませんよ。
中小企業を踏みにじろうとする大企業、大企業ばかりを信用する世間、負けずに頑張る町工場の社長。
全く期待にたがわない名作です。後半はうるうる来る事確実です。
できすぎ感はありますが、これでいいのです。町工場に勤めてる人、中小企業で頑張ってる人、とにかく
働いている人は絶対読んで欲しい一冊です。
不朽の名作「空飛ぶタイヤ」はスポンサー問題で潰された感がありますが、これは地上波でドラマにする
べきでしょう!
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.11
(5pt)

物作りの大田区中小企業の本領発揮に感激。

東急池上線の長原駅、大田区上池台にある(株)佃製作所。資本金30百万円、従業員200名の精密機械製造業。物作りの街、大田区にある典型的な中小企業。しかしこの会社、一味も二味も違う。最先端のロケットを打ち上げるエンジンを制御する高品質のバルブの特許を保有する。しかしなりふり構わぬ大企業の論理を押し付けられ、中小企業の誠意や真心までを踏みにじる大企業の傲慢さに泣かされる。一方で佃航平社長や、彼を支える営業第一部長、第二部長、技術開発部長がいい。特に主力行である白水銀行出身の経理部長が、当社内で仲間として認められるのが泣けてくる。そして池井戸作品の十八番である若手・中堅社員の活躍が華を添える。勿論その過程には企業内の様々な深刻な問題が展開され、社長はひどく悩む。この作品にはとにかく感激した。涙も出てきた。 では池井戸作品の面白さはどこにあるか。(1)企業・銀行内の現実が描かれていること。(2)企業や組織、また非常に多くの人物が登場すること。(3)いつも舞台は著者らしく三菱村の企業で、銀行、商事、重工、自動車のつもりで読めること。(4)若手や中堅社員の活躍が素晴らしく頼もしいこと。基本は勧善懲悪だ。本書でも若手リーダー的存在、営業第2部の江原春樹課長、そして係長、主任クラスもいい。これは「オレたちバブル入行組」等の半沢直樹や、「鉄の骨」の富島平太と同じだ。 本書では我が国の科学技術水準の高さが重要とも教えてくれる。LDP政権の財源探しの事業仕分けでは、短期的な追及のみで、中長期的視野の科学技術予算が不安になる。女性の行政刷新担当大臣の「迷セリフ」が忘れられない。また本書内の帝国重工や京浜マシナリーという大企業の仁義なき戦略は、隣の成金大国が圧倒的軍事力で周囲の小国の海域を蹂躙する傲慢さと同じだ。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.10
(5pt)

またまた面白い作品が登場ですね。

空飛ぶタイヤ、果つる底なき、俺たちバブル入行組、俺たち花のバブル組・・・と読みついで本作品を読みました。
この作品もまた面白い!最後まで一気に読んでしまいました。
中小企業が二代目社長の情熱と、技術で大企業に伍していくという展開、正に大人のビジネスマンみんなが心に抱く夢です。
それも製造業に携わる人ならなおのこと。
銀行や大企業が絡んだときのディテールとリアリティがたまりません。
また、基本的に性善説な感じの、登場人物の性格付けも爽やかです。
詳しくはネタバレになりますので書きませんが、買って損なし、読んで損なし。
文庫化まで待つのは勿体無い。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.9
(5pt)

男の夢とロマンを感じる極上の小説

ロケット打ち上げ失敗により研究所を辞め、父親の会社を引き継ぎ自身の夢を追い求める物語だ。
ロケットと言うスケールの大きい話しながら、中小企業ならでわの技術力とスタッフのチームワークで
大企業相手に押し潰されそうになりながらも、立ち向かっていく姿がとても爽快である。
私自身も以前小さな町工場で車の部品の試作品を製造していた事を思い出し懐かしかった。
とにかく面白くてあっという間に読み終わってしまいました。

下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.8
(5pt)

誇りを持って一生懸命働くこと

大企業で働いている人は偉くてかっこいい。
多くの人が漠然とそう考えているような気がする世の中で、
プライドを持って働くプロフェッショナルの素晴らしさを
教えてくれる名作です。すごく面白かった。

小さな会社だから、自分のしているのはたいした仕事じゃ
ないからと卑屈になるのではなく、今いる場所で今すべき
ことを力の限り頑張る、そういうのが一番素敵だなと思い
ました。明日からまた仕事を頑張ろうと背中を押してくれ
る本です。
あらすじだけ読んでもわからない面白さがたくさんつまって
います。頑張りたいと思っているすべての人におすすめです。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.7
(5pt)

「二番目」を狙う人には、きっと分からない。

ロケットの研究者であった佃航平は、打ち上げ失敗の責任を取って
辞職し、父がやっていた町工場・佃製作所の経営者に転身する。
大企業の下請けではあるが、独自の高い技術も持つ優良会社であった。
それが下請け苛めや銀行の貸しはがしにあい、突然存亡の危機に
立たされ、さらに追い打ちをかけるように特許侵害で訴えられる…。

現在の日本のおかれている状況に思いが重なる。
価格競争ではなく品質で勝負したいのは、現場で頑張っている人たちの
本音だろう。
 機械に負けない人間の技術の高さ、金の力学に屈しない航平たちの生き方
こそ、戦後日本の発展の姿だった。
 今ではもう、そんなやり方は古いのだろうか…?

 誰もが不安な現在だからこそ、航平の姿は拍手をもって迎えられるのでは
なかろうか。
 例の「仕分け」で「二番目じゃダメなんですか?」と言った人にこの本を
読ませてやりたい。
 安易で楽な道を敢えて選ばず、苦難の道を歩もうとするのは会社の明日を
見据えればこそだ。
 それはまたエンジニアである航平の誇りであり、夢であったと思う。
 実に爽快な一冊だ。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.6
(5pt)

企業で働く人なら誰にでも薦められる良書だと思う

大手の取引先から契約終了を告げられたり、ライバルの大企業に特許侵害で訴えられたりと次から次へと発生する苦難に従業員200人の中小企業である佃製作所が立ち向かっていくビジネス小説。

著者の別作品「空飛ぶタイヤ」もそうだったが、この著者は中小企業の苦労を描くのが本当にうまいと思う。社会的信用という観点では大企業が圧倒的に有利で、取引先の銀行からも信用してもらえない状況の中でも、自分たちにできること、自分たちがやっていることを信じて立ち向かっていく様子はリアリティがあっておもしろかった。企業で働く人なら誰にでも薦められる良書だと思う。

物語の中盤から後半にかけては、ロケットエンジンに必要な特許を取得している佃製作所が、大手企業の帝国重工と特許技術を巡る駆け引きが繰り広げられるのだが、中小企業らしく常に新しいことに挑戦していく佃製作所のスタイルは仕事に対する情熱が伝わってきた。

「仕事というのは二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は飯を食べるなど生活に必要な金を稼ぐために働く。だけど、それだけでは窮屈で仕事には夢がなきゃならない。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。」

佃社長が言った上記の言葉は、「働く」ということの本質をついていると思った。

下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.5
(5pt)

知財争奪戦は踏み台に過ぎない。ものづくりに夢を託しプライドを賭け闘う町工場のドラマ

Amazonの内容紹介や、腰巻きの惹句から想像される内容は、中小企業と、それを食い物にしようとする大手企業の闘い、だろう。
その期待は、良い意味で裏切られた。
物語の前半は、確かにその通りで、特許侵害を巡る法廷劇や、大企業による買収といったビジネスドラマであり、主人公は翻弄されながらも何とか生き残っていく。研究者として挫折し父の町工場を継いだ主人公、メインバンク、ライバル企業、巨大企業といったそれぞれの立場の人物の思惑とその錯綜がよく描かれている
でも、それはプロローグに過ぎない。
嵐が過ぎ去って、主人公は、これが俺の人生なのか?という問題に立ち返る。
そこからが、この「下町ロケット」の本領だ。ロケットエンジニアリングをネタにした知財争奪戦というプロローグを軽々と踏み越えて、この物語は、真正面からロケット開発の現場へと挑戦する。主人公とともに。
「ものをつくる」ってことには、それ自体感動がある。自分がつくったものに惚れ惚れと眺め入ってしまうような感動。ものづくりは、現代であっても夢となりうる。数年前「レボリューション・イン・ザ・バレー」を読んだときにも、ものをつくるという行為に宿る昂揚と恍惚に打ち震えたが、「下町ロケット」の後半も、ものづくりに夢を託しつつ、それを夢物語でなく、現実のドラマとしてリアリティを持って書き抜いている。
自己の幸福を他者の評価に委ねず、自らの胸の裡に何らかの矜恃を秘め、辛うじてそれを守りながら生きている人であれば、必ずこの物語に勇気づけられるだろう。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.4
(5pt)

「心は少年」の技術者たちの、大それた挑戦!

池上彰氏が自著で、池井戸作品のことを
「勉強になる」「面白い」と絶賛していたが、
この作品も、今話題の「特許侵害」問題が
人間ドラマを交えてわかりやすく描かれており、
とても勉強になる。

ドラマはもちろんそれだけでは終わらない。
男にとって「夢の実現」とは何か、
人間にとって「一番大切なもの」とは何かが、
ロケットの打ち上げとともに、後半、熱く展開していく。

一気読み間違いなしの、今年一番の収穫作だ。

下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.3
(5pt)

こんなに爽快かつ、感動した読書体験は久しぶり。

小さな組織でプライド持って働いている人だったら、涙なしには読めないんじゃないかな。

町工場版の「GIANT KILLING」といった感じ。描写がとても上手なので、まるで漫画のようにスイスイと読み進めていける。町工場の経営者が、自分たちよりも大きな組織との闘うというテーマも素晴らしいけれど、それぞれの組織に生きる沢山の登場人物を的確に書き分け、話をまとめあげる筆力は本当に素晴らしいと思った。

間違いないです。
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.2
(5pt)

あっという間に読み終わりました

一気に読みました!すごく面白かったです。どうなるのか気になって仕方ない反面、スピード出して読むとせっかくの楽しい小説がすぐ終わっちゃうというジレンマの中、やっぱりあっという間に読んでしまいました。

以前、知財侵害に携わる仕事だったこともあり、懐かしい思いで前半を読みました。そして後半は、登場人物の皆さんが生き生きと動く映像が、自然と頭に浮かびました。素晴らしかったです。

具体的な感想は、これから「下町ロケット」を読む方々のために控えますが、この小説を読んで深く思ったことは、自分が属する組織が大きいからと安住するのではなく、小さいからこの程度と限界を作るのでもなく、大切なことは、自分自身がどうあるかだなあということでした。

読み終わったばかりなので、こなれていない感想ですみません。年末年始に再読したいと思っています。1度読んだので、安心して(ってヘンですかね?)ゆっくり味わって読むことができそうです!
下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923
No.1
(5pt)

ものすごく面白い。読むべし。

元ロケットエンジン研究者が失敗の責任を取って研究所をやめた後、佃製作所という親の町工場を継いだところから始まるビジネス小説です。

 この企業がもつエンジン部品の特許を巡って大手企業がおりなすさまざまな策略や圧力のなか、社長と社員が力を合わせて乗り切ってゆく姿が本当にリアルに描かれていて、時間がたつのを忘れさせてくれるほどぐいぐい引き込まます。私にとって、久しぶりに読みごたえのある小説で、実際私は通勤途中で読んでいて2駅乗りすごしてしまいました。

 町工場の佃製作所が大手企業から降りかかる様々な難局に立ち向かい、ギリギリのところで乗り切ってゆく姿はエンターテーメント性も抜群ですし、主人公がつねに突きつけられる難局の中で「会社とは?」「仕事とは?」「生きるとは?」を問いながら選択をした結果、反対者、傍観者、協力者との関係性や態度が徐々に変化てゆく様子は感動ものです。
 
 本書のタイトルを見たとき、実在する「植松電機」という会社のことが脳裏によぎり手にした本でしたが、植松氏の講演にも似たような高揚を感じる読了感で、大正解でした。また、「ハゲタカ」の真山氏に続き、新たに追いかけたい著者が増えてうれしい限りです。  

下町ロケット Amazon書評・レビュー: 下町ロケットより
4093862923