■スポンサードリンク


呪われた天使、ヴィットーリオ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
呪われた天使、ヴィットーリオ

呪われた天使、ヴィットーリオの評価: 3.50/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

ヴァンパイア・クロニクルに属さない独立した作品です

イタリアがまだ統一されていず、たくさんの王国、共和国、教皇領などに分かれていたルネッサンス期1450年を舞台にしています。ミラノ、フィレンツェ、ヴェネチアなどの有力諸国が勢力を伸ばそうと争いが絶えなかった時代、フィレンツェに忠誠を誓っていた地方領主を父親に持つヴィットーリオは16歳の美貌の青年。敬愛する両親や親族たち、愛する弟、妹と共に平穏な生活を送っていました。ある夜、突然訪れた見知らぬ客を激怒して追い出した父親に驚きますが、それが惨劇の始まり・・・。彼らは人間ではない魔物で、血の生贄を求めていました。その夜、城は襲撃を受け、彼ひとり残して、一族、配下の兵士たちはみんな虐殺されてしまいます・・・。

・・・という始まりです。レスタトやルイなど、おなじみのヴァンパイアたちが登場する年代記とは関連のない独立した作品です。アン・ライスはここでも、まるで見てきたかのように過去の時代やその雰囲気を鮮やかに描きだしています。ルネサンス期イタリアの政治状況、人々の生活、修道院や教会の様子、明るい月夜に城から見下ろした街、崖からそこへ飛翔し駆け下りてくるヴァンパイアの群れ・・・などなど。

ただ、やはりヴァンパイア・クロニクルに属する作品群よりもスケールが小さいというか、ひとつのエピソードをさらっと書いただけという感じで、いつもの重厚さはなく、凡庸な印象を受けるのは否めません。また、ライス作品は後になるに従ってだんだんと宗教色が強くなってくるのですが(それは作者が長女や夫を亡くしたり、いったん離れた教会の信仰に戻ったりした個人的な体験に影響を受けているようです)、ここでもヴィットーリオと天使の会話が続き、キリスト教に興味のある人でなければ、ちょっと冗長な感じを受けてしまうと思います。

他のレビューアさんも書いておられるように、初めてアン・ライスの作品を読む方は、ヴァンパイア・クロニクルの最初の作品「夜明けのヴァンパイア」か、または「魔女の刻」シリーズ「魔女の刻1」から始められるのをおすすめします。こちらは小粒な作品という印象でした。
呪われた天使、ヴィットーリオAmazon書評・レビュー:呪われた天使、ヴィットーリオより
4594041515

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!