長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。

五千メートルのレースで貢に敗れた碧李。その時、碧李の胸には勝ちたいという新たな衝動が込み上げる。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

箱根駅伝出場を逃がした大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

中学入学直前の春休み、父の転勤で岡山県の山間の町に引っ越してきた原田巧。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。

大学陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠の選考レースに出場する。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。

４７歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

池井戸潤最新作! 経営戦略室から左遷された男が挑む――。

家族の気持ちがバラバラな若菜家。その中を取り持ってきた母の玲子の脳にガンが見つかった。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。

村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。

ヒーローだけが主人公じゃない。補欠も就活生もお母さんも、誰だって主人公なんだ! 読むほどに人生が愛おしくなる。

放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。