彼岸花



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初公開日(参考)2000年05月
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長編小説

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彼岸花 (角川ホラー文庫)

2000年05月31日 彼岸花 (角川ホラー文庫)

何者かに誘われるように晩秋の京都に出かけた、女子大生の有沙、融、菜つみは偶然、新幹線の中で知り合い、すっかり意気投合する。楽しい旅行のはずだったが、やがて3人は身の毛もよだつ恐怖に、次々と襲われる。追いかけてくる、無気味な舞妓“お篠さま”。そして、行く先々に置かれた彼岸花の意味とは…?怪筆、長坂秀佳が書き下ろす「弟切草ワールド」待望の第2弾。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

彼岸花の総合評価:7.78/10点レビュー 9件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

彼岸花の感想

シリーズ第2弾。ホラーな雰囲気が良い。

ジャム
RXFFIEA1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.8:
(5pt)

あまたを数えることよりもひとつを選ぶ愛しさは、きっと鬼には嗤わせない。

「彼岸花」シリーズ二作目であり、異聞と冠することからわかる通りに一種の「IF」、パラレル・ストーリーです。
「弟切草」シリーズの要素も少々流入していますが、そちらはおまけといったところになります。
『弟切草』と絡んでの本番はシリーズ最終作である『幽霊花(上・下)』にて。そちらは後述させていただきます。

さて、新幹線車内、京都古刹めぐり、そして本番の「鬼谷寺」からなる舞台立ては変わりません。
物語を構成する章立てにはじまり、タイムラインや大まかなイベントも『彼岸花』からおおむね共通です。
前作から流用された文章も多いのですが上手く再構成しているので、受ける印象はかなり異なってくることでしょう。

なぜならば、今回は長坂先生があとがきでおっしゃられている通りに原著にみられたホラーとしての側面をほぼ捨て去っており、ミステリー一本で勝負しているためです。
当然ながら犯人も異なります。種明かしの装いを変えた比較も込みで、私自身新鮮な気持ちで楽しめました。

それに最初の一ページからして、今回はこう来たか!? といった感じで一気に話の前提を塗り替えます。
『彼岸花』とは絶対同じ結末にはならないだろうと、冒頭からして万人に納得させる作りに仕上げたわけです。

ただ、ミステリーとしてはやはりと言いますか、かなりの破格でした。超展開と言っても差支えありません。
なかなかに奇想天外なオチはミステリ的に「おいおい……」となりそうなものですが、本命の謎解きが終わった後なのでまぁありでしょうか。私は完全に開き直っているので参考になるかはわかりませんが、個人的にはめっちゃ好きです。
メイントリックそのものは置いておいて、その背景に隠されたものは冷静に考えればツッコミどころ満載なのですが、一周回って勢いで読ませてくるパワーがありました。

とまれ、読者を煙に巻くべくそのほかにも多種多様な攪乱要素が前作同様全編に振りまかれているわけです。
それらすべてを取り払えば「犯人はなぜここまで仰々しいことをしたのか?」という疑問が浮上してくるはずです。
この際、読者諸姉諸兄は問題を切り分けてノイズを除去し、いったい何を推理すべきかを一点絞ってみましょう。
そのポイントさえ当たっていれば、たとえ推理が外れていても胸を張れると思います。

それでもお怒りになられる方は一定数いらっしゃるのでしょうが、作中で手掛かりは提示されているのできっとフェアプレイの範疇に入ると信じています。
前作を読んだ方なら刷り込まれるであろう先入観を活かしての、伏線とミスリードの張り方が実にお上手でした。

よって単独で読めないこともないのですが、前作を先に読んでおくことはほぼ必須といえます。
作品のコンセプトとしては『彼岸花』の補遺であり、解答編も兼ねているようにお見受けしますから。
すなわち、前作の舞台裏でどのような仕掛けが繰り広げられていたかがわかります。具体的には三人娘を脅かす各種トリックのことを、完全イコールではないにせよ知ることができて地味に嬉しいかもしれません。

それから起こる事件は(表面上は)同じでも、三人娘な主人公トリオをはじめメインの登場人物は続投しているので、キャラクターのファンの方なら必読といえます。
先述の通り、本作は前作のバージョン違いなわけですが、ともすればメインキャスト続投の続編を読んでいるように錯覚させられる方もいるでしょうね。色々とお膳立てを変えてみても、キャラクターの芯がブレないことにグッときました。

なお、今回の主たる視点人物は「有沙」と「菜つみ」、それともうひとりをチョイスしています。
「融」視点はないことはないのですが、読者向けにこれら視点人物三名が企図するものが早期のうちに提示され、思惑が交差していく都合もあってか。最後まで彼女の視点は伏せられていました。融ファンはちと残念かもしれません。

友情と愛情、そして復讐や使命感など、誰が何と何を天秤にかけるのかをここで列挙することはしませんが、それぞれの心境と葛藤がしっかり表現されていて人間ドラマを盛り上げてくれました。
前作で棘が目立った有沙も、友情と冷徹な計算、それに愛情を天秤にかけての揺れ動くさまが光ったのでグッドです。
菜つみについては言わずもがな。悪い男に振り回されつつも、きちんと我を示す彼女たちは実に魅力的でした。

時に、今回はそれぞれの思惑がかなり透けています。
ゆえに読者目線で彼女たちの知恵比べ、伏せ札をどうめくり反応を引き出すかの駆け引きが刻一刻手に取るようにわかる。言ってしまえば、ハラハラドキドキのスペクタクルを楽しめるわけなんですよ。

以上。
喩えるのなら『彼岸花』は一周目、プレイヤー全員が辿ることになる共通ルートでこちら『死人花』はそちらのクリア後に解禁される派生ルートといったところでしょうか。
似て非なる二編の小説を並べることにより、ゲームのルート分岐を疑似的に再現したような趣があります。
紙の本で通しで読むことは元より、電子書籍を使えば細かな差異を確かめる楽しみが容易に行えるかもしれません。

小説でそういうことをやるのはすごくぜいたくな試みな気もするのですが、ゲーム版が大不評を食ったという風聞を聞きつけた私としてはそちらをプレイする余力がありません。こちらで代わりとばかりに楽しませていだたいております。
ともすれば長坂先生がゲームでやりたかったのは、こういうことなのではないかと推測することができました。

一見、同じ前提で進むのかと思いきや根底から違っていた。
そして一度確定した結末をひっくり返し、真実と引き換えに失うモノの重みを嚙みしめることができる。 
――能動的に分岐を選ぶゲームでなく本質的には読み進めるしか選択肢のない小説なこともあって、もし仮にこの小説をゲームに落とし込んでも感触が異なることは否定できません。とはいえ、面白いコンセプトに出会えて満足しています。

考えてみれば『彼岸花』という小説の時点からして、シナリオ中に大量のフックというか、イベントのフラグがばらまかれているのですね。今回はここを拾い、あるいはここを膨らませるといった風に。
そういった作者の試行錯誤ですら、『彼岸花』と『死人花』の二編の小説の読み比べで追体験できるかのようでした。

また、本作では独特の文体も控えめで、女同士の友情で終結したこともあってかなり読みやすかった面もあります。
あと「弟切草」シリーズの方では大暴れした「ばらもん」も、今回は名前だけの言及でついに影すら出なくなりました。
そちらを鑑みると、ばらもんもシナリオ中に用意された数あるフックのひとつに過ぎないと示すようで興味深いです。
選び方次第で変化するゲーム体験を、小説に落とし込めたのではないでしょうか、と。

さて、いい加減長くなってきましたのでレビューをそろそろ畳むことにいたしますか。
「彼岸花」シリーズのうち最後に残る『幽霊花(上・下)』ですが角川ホラー文庫版『弟切草』の続編にも位置づけられるタイトルだそうで、ある種のお祭り的クロスオーバー作品として世に送り出されました。

そちらはそちらで『弟切草』に由来する「メタ・フィクション」としてのコンセプトを活かした快作なので、シリーズのファンなら大いに楽しめることでしょう。「読者への挑戦状」と並行して長坂先生のゲームを取り巻く事情が虚実こもごもでしっかり記されて、また異なった意味でゲーム的な面白さが描かれたことも見どころだったりしますし。
それと同時に、間違いなくこれで終わった実感と達成感が得られるはずなのでこの記事でもおススメしておきます。

ただし、『弟切草』にさほど思い入れがなく『彼岸花』という作品そのものの純度をより高めたい読者なら、奇妙な読後感は別にしてこちら『死人花』でいったん切っておくのも選択のひとつに入るでしょうね。
『彼岸花』が出題編なら『死人花』は解答編、ないしは基本形に続いての発展形と定義することもできますから。

優に百を越える異名を持つ花、彼岸花。
百八十七の結末を数えると豪語したゲーム『彼岸花』。
けれど本当に大事なのは数ではなくて。目で読んで、声に出して愛せるかどうか。

だから、たったひとつの名前でも、ただひとつの結末でも心に残せた方がその人にとっての正解なのかもしれません。
それは、たったひとつないし、ふたつの結末を愛した私だから言えることだと信じたい。
もっとも、読んでいる道中、私自身はぜんぜん真相が読めなかったのですけれどね。見えてるようで見えてない。知ってるようで勘違い。奇しくも、来年のことを言ってしまったことで誰かさんに笑われたかのようでした。
死人花―「彼岸花」異聞 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:死人花―「彼岸花」異聞 (角川ホラー文庫)より
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No.7:
(3pt)

最後を除けば

PS2の、傑作になっていたかもしれないのに、大失敗作になってしまったゲームの原作です。角川ホラー文庫から出版されている長坂秀佳作品では、これが一番面白いかも知れません。交互に入れ替わる三人の視点の生み出すスリル、雰囲気ある京都の伝奇描写、読みやすい文章など、時間のあるときに読んだら、ハマる人はハマると思います。しかし、読みやすいとは言っても、後半頃から出始める四人目の視点の文章は、まるで子供の書いたもののようで苛立ちを感じさせるし、何よりも、ページも残り少なくなった頃の最終章の展開が、まるで作者が突然正気を失ったかように、あまりにもとんでもなさすぎて、正直、ついていけません。長坂氏のホラー小説は、ほとんどがそんな感じです。読み直す度に、最後の直前までは面白いのに、もったいない気がします。ラストがもう少しマトモなら、もしかしたら、もっと幅広い人が楽しめる傑作になっていたように思えて、非常に惜しい小説です。
彼岸花 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:彼岸花 (角川ホラー文庫)より
4043475020
No.6:
(1pt)

つまらない・・

弟切草ワールドといいつつ、ほとんど関係なしです。
新たな主人公、新たな謎等で構成されています。(当然前作キャラは出ません)
前回ほどどろどろした感じはないものの、話として面白くない。
結局そうなるの・・って感じで、最後のグダグダ感は今までの時間なんだったの?って気さえ起こさせます。。
彼岸花 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:彼岸花 (角川ホラー文庫)より
4043475020
No.5:
(5pt)

彼岸花 異聞

この作品を読む前にできれば彼岸花を読んで欲しい。ストーリーは彼岸花をもじったものだが結末は全く違うものになります。彼岸花を先に読んだ人にはトリックがそうゆうことだったのかというのが分かる場面がでてきます。
 ホラーミステリーということで最後がハッピーエンドになるかバッドエンドになるか 謎?! とします。とにかく読んでください。
死人花―「彼岸花」異聞 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:死人花―「彼岸花」異聞 (角川ホラー文庫)より
4043475063
No.4:
(5pt)

小説版も面白い

 この作品は同名タイトルで発売されたPS2版彼岸花を小説化したものである。私はゲーム版を先にやってから小説版を読んだのだが、もともとこの作品が大好きなため面白かった。 前作弟切草では2人の主人公の視点で描かれており、内容が重複するところがあり、少しまどろっこしさがあったが、今作品では主人公が3人いるにもかかわらずストーリーはサクサクすすむので読んでいて気持ちよかった。 京都が舞台であることで風流であり、ミステリーとしても完成度が高いため最後まで楽しめる。最後の最後まで犯人はわからないだろう。 ぜひゲーム版もやって欲しい良作である。文句なしの星5つをつける。
彼岸花 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:彼岸花 (角川ホラー文庫)より
4043475020



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