(短編集)
葛山二郎探偵小説選
- 探偵小説選 (68)
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この作家の一番の長所はバラエティに富んだアイディア。 蝸牛の道筋という突飛な発想(「赤いペンキを買った女」)、股の下から世間を覗く変態趣味(「股から覗く」)、猟銃音の錯覚(「杭を打つ音」)、 聴覚を視覚に変換する科学の奇蹟(「影に聴く瞳」)、コンゲーム(「慈善家名簿」)、花嫁の処女を奪いに来る満洲版大江山酒呑童子(「紅鬼」)。 法廷劇、理化学トリック、ミスディレクションと八面六臂の多様な探偵小説を読ませてくれる。 常にトリッキーなものを書こうとしている姿勢は大いに評価してよい。 だが、「骨」で密室殺人を狙うもややスベっていたり、構成力が足りず作品を織り成す要素が渾然一体になっていなかったり、 結末から見る一篇の全体像が明確でなかったりする欠点もある。良い発想に筆力が少しだけ足りていないというか。 本書中最も長い中篇「蝕春鬼」がスリラーになってしまった点といい、長篇がない(書けなかった?)のもこの辺に要因があるかもしれない。 シリーズ・キャラ/花堂琢磨弁護士が最初はイヤミな面を見せるも、登場が進む毎に生真面目になっていくのも賛否あるだろう。 葛山二郎は本格に近いポジションにいただけに昭和10年以降進化できず戦後フェイド・アウトしたのは誠に無念。良い探偵小説を書くという事は本当に難しい。 いつもこの叢書は解題を読むのも楽しみなのだが、今回は鮎川哲也・権田萬治ら先人の引用が多く、新しい論評が少なくて物足りなかった。 葛山自身が己を語るエッセイもないし、彼に関する情報がそれだけ少ないということか。 | ||||
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