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No.49
母性
湊かなえ
母性の感想
No.48
マリアビートル
伊坂幸太郎
マリアビートルの感想
No.47
ハーモニー
伊藤計劃
ハーモニーの感想
No.46
太陽の塔
森見登美彦
太陽の塔の感想
No.45
火の粉
雫井脩介
火の粉の感想
No.44
裏庭
梨木香歩
裏庭の感想
No.43
七回死んだ男
西澤保彦
七回死んだ男の感想
No.42
虐殺器官
虐殺器官の感想
No.41
隠された帝 天智天皇暗殺事件
井沢元彦
隠された帝 天智天皇暗殺事件の感想
No.40
隻眼の少女
麻耶雄嵩
隻眼の少女の感想
No.39
KAPPA
柴田哲孝
KAPPAの感想
No.38
猿丸幻視行
猿丸幻視行の感想
No.37
幽霊人命救助隊
高野和明
幽霊人命救助隊の感想
No.36
クリムゾンの迷宮
貴志祐介
クリムゾンの迷宮の感想
No.35
豆の上で眠る
豆の上で眠るの感想
No.34
パラドックス13
東野圭吾
パラドックス13の感想
No.33
奪取
真保裕一
奪取の感想
No.32
掏摸
中村文則
掏摸の感想
No.31
ハサミ男
殊能将之
ハサミ男の感想
No.30
ソウルケイジ
誉田哲也
ソウルケイジの感想
が、何故かまた読んでしまう作家である。
この作品は各章が、「母性について」「母の手記」「娘の回想」という3人(?)の視点から語られる3つのショートストーリーを1セットに、計6章+終章という構成で成り立っている。
従って、表題の通り 母と娘の話である。
そうして登場する人物は、この2人に纏わる近しいヒト、主に家族と呼ばれるヒトのみである。
ここには、巷の小説でよく登場してくる異常者や偏執狂、殺人鬼が出てくる訳ではないしホラー的な作品でもない。
登場人物それぞれが、聖人君子とまではいかないまでも、それほど異常でも特別変わっているわけでは無い。
にも関わらず、これが同じ時を過ごし同じものを見聞きした母と娘との話か!というくらいに食い違うのである。
些細な思い込みやスレ違い、食い違い広がり深まって行く到達点がこうなるのかと、薄ら寒くさえある。
特筆すべきは、母の実母の存在か。
ある意味彼女のみは聖人かもしれない。が、その聖人性が関わるすべての人に悪影響を及ぼしており、ある意味では 良い人であるが故に 逆に言えば悪魔的でさえある。
どちらにしても、相も変わらず 人に対する悪意に満ち満ちた作品である。
では何故読んでしまうのかといえば、他人事として「まだましか」と思える期待を持って読み始め、その期待を裏切らない安心感と、 「他人の不幸は蜜の味」、それだけの為に読んでいるのかもしれない。 了