終戦のローレライ

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評判

終戦のローレライの評価:

4.45/5点 レビュー 177件。 A ランク

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平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全197件 141〜160 8/10ページ
No.57
(5pt)

過去があるから、現在がある

「国や社会はおかしくなっている。でも、もう流れを止める事ができない」。太平洋戦争末期、多くの人がそう感じていた事だろう。しかし、運命に抗う者達がいた。彼らを結びつけるのは、1隻の潜水艦と秘密兵器ローレライ。刻々と変わる状況に翻弄され、様々な思惑を抱えつつ戦いに臨む人々。繰り広げられるのは一級のエンターテイメント。しかしながら、メッセージ性も強い。後に続く世代へ向けて語られる言葉は、戦争から59年経った今日その重みを増している気がする。難点を挙げるならば頁数の多さだが、本書に魅力を感じる人ならば最後まで読み通す事ができるだろう。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.56
(5pt)

過去があるから、現在がある

「国や社会はおかしくなっている。でも、もう流れを止める事ができない」。太平洋戦争末期、多くの人がそう感じていた事だろう。しかし、運命に抗う者達がいた。彼らを結びつけるのは、1隻の潜水艦と秘密兵器ローレライ。刻々と変わる状況に翻弄され、様々な思惑を抱えつつ戦いに臨む人々。繰り広げられるのは一級のエンターテイメント。しかしながら、メッセージ性も強い。後に続く世代へ向けて語られる言葉は、戦争から59年経った今日その重みを増している気がする。難点を挙げるならば頁数の多さだが、本書に魅力を感じる人ならば最後まで読み通す事ができるだろう。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.55
(4pt)

強靭な思索の大著(1)

大著である。昨今のエンタテイメント作品はそのディテールの細かさから分量が多くなる傾向があるがこの作品もご多分に漏れず、長い。しかし1968年生まれの作者福井氏にとりSFに近い60年前の潜水艦戦を、かくも臨場感に溢れ描写できる筆力に世の賞賛は惜しまれないであろう。汗をかかない悪役(浅倉大佐・フリッツ少尉)やぴったりとした戦闘服を身に纏った少女(エヴァンゲリオンの世界?)・超能(感応)力といった極めて現代的な意匠を散りばめながら尚、戦後世代が見上げる日本と日本人についての考察の強靭さに流動食のようなエンタテイメントになれた読者は必ずやたじろぐであろう。しかし歯ごたえのある思索の記述をしっかりと読みこなすことにより自らの立つ地平を再確認させられる書である。心ある映画化を今は望むばかりだ。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.54
(4pt)

強靭な思索の大著(2)

日本人と日本を根底から考えさせられる大著の下巻である。何のためでもなく、ただ自らの覚悟のため特攻に近い攻撃を仕掛ける潜水艦の、孤独な戦いが手に汗握るクライマックスを演出している。1968年生まれ、新人類世代の作者が問い掛ける日本とは何なのか?世代的に右翼も左翼もその言論の力を失った資本主義社会の申し子から過去を望む視線は徒な忠義礼賛にも、戦前全否定にも陥ることなくあるべき日本の姿を静かに問い掛けてくる。そしてその視線は60年という時間を超えてイラク戦争ともオーバーラップしていく。歯ごたえのある思索の記述をしっかりと読みこなすことにより自らの立つ地平を再確認させられる書である。心ある映画化を今は望むばかりだ。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.53
(5pt)

現代日本人が遺すべき遺産。

まずは、ローレライ搭載の「ナーバル」を牽引した潜水艦「伊507」の行動を見届けましょう。絹見艦長とフリッツ・エブナーの心の交流、パウラ・エブナーと折笠上等兵の魂の交流が必然的に生み出したラストは感涙ものです。その後は、本作品の意図を考えましょう。ボツダム宣言受諾による敗戦→戦後混乱期→朝鮮特需による高度経済復興期→バブル経済→バブル崩壊と続く「自由の使い方を忘れた」日本の歴史的経緯。そんな「故郷」を生きたローレライ。生きることさえ意義を見出せない日本人に投げかける「自由を使うこと」の本来の意味・・。作品の内容に感動するのは勿論ですが、そんな戦後日本の課題を実感した本書は、「亡国のイージス」以上の現実味を帯びています。私たち現役世代が将来に残すべきものが、果たして今の日本に存在するのか・・。真面目ではない一読者の私が真剣に思考しました。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.52
(5pt)

本という概念を超えてます。

福井氏が東宝と映画公開を前提にプロジェクトを組んだ小説でしたね、確か。つまり、そのまま映像化が可能なほどのディテールがあるわけです。潜水艦内部構造の細かさ、当時の国際情勢の正確な知識には脱帽します。その意味で、イデオロギー関係なく読める客観的な作品ですね。それから、前作の「亡国のイージス」でも強烈な臨場感に驚いた記憶がありますが、本作はそれ以上です。文字を追いかけるだけで情景が浮かび上がります。内容面も満足の一言。ナチスドイツが降伏し、原爆が広島、長崎に投下される中で、正式の軍令から外れても人間、軍人としての大義を貫く不器用な潜水艦員の情熱に胸が熱くなりました。絹見艦長、折笠上等兵、フリッツ、パウラ・エブナーといった出生の異なるメンツが心をひとつにして行く人間味溢れる展開にも涙しました。長尺な作品にも関わらず、これほど下巻への期待感を残す上巻は初めてです。誇張無しで賞賛出来る傑作です。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.51
(4pt)

異色の架空戦記

第二次大戦末期、連合国から“シーゴースト”と恐れられた謎の巨大潜水艦。そこに搭載されていた乗員さえ正体を知らない謎のシステム「ローレライ」。日本海軍はその潜水艦を入手して『伊507』と名付け、海戦のどさくさに投棄されたローレライ・システムを回収するために改めて出撃させるが、集まってきた軍人達は皆半端者ぞろいで……と書くと、良くあるトンデモ海洋戦記物にも見える。だがそうなっていないのは、『伊507』に関わる人々が皆何らかの“闇”を抱えているからだろう。華々しく豪快な『伊507』の戦闘と、自らの中の闇に苦しむ人々、このふたつが交互に描かれ、影響を与えながらひとつの結末へと向かっていく。これがこの物語をただの架空戦記にとどまらない、息詰まるような人間ドラマに仕上げている。惜しむらくは、物語の流れから完全にはずれた上に、いきなり説教くさい響きが漂う終章がやや蛇足気味に見えることであろうか。だがそれを差し引いても、決して損はしない面白さを持つ作品だと言えるだろう。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.50
(4pt)

壮大にして緻密!

福井晴敏作品3作目です。読むたびにだんだんと文章量が増えていきますが(川の深さは→亡国のイージス→本作)、上下2段組1000ページの量で読むのに流石に時間がかかりましたが、きっちりと読めます。きっとテーマがはっきりしているからでしょう。当書は『このミス2004年国内作品第2位』の作品です。舞台は第2次世界大戦下、連合国に降伏した独から密かに秘密兵器〝ローレライ〟が日本の手に渡る。浅倉大佐は〝あるべき日本の終戦の形・戦後の日本の姿〟を求めて〝国家の切腹を断行〟する。例によって壮大なスケールの内容ですが話が雑にならずにむしろ本当の史実であったかのような錯覚を覚えさせられるほどの迫力です。ただ、内容的には60年前を舞台にしながらバブル後の不況=日本にとって2度目の敗戦 を意識して書かれている事は読み進めると見えてくる様な気がします。世界における日本とは何か?国家とは何か?というスケールの大きいテーマをアイデア満載・人間の感情の〝ヒダ〟まで描ききる内容には感服しました。それにしても主人公達、とてもかっこいいです! 来年の映画化、とても楽しみになりました。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.49
(4pt)

戦争物としては非常に面白い

巻末の参考文献が、全てを表わしていると思う。序盤の戦闘に始まり、ローレライの力が遺憾なく発揮されるトリのアメリカ艦隊相手の決戦は正に手に汗握らせる。愚直な良心を守って生きる各登場人物の動きも、類型的だが手堅くまとまっている。だが、本来まとめにならねばならない終章の戦後史や、政治関連の薄っぺらさは一体なんだろう?もとより細かな史実の誤り(全く細かくないものもあるが)などに一々突っ込む気は毛頭ないが、イザヤ・ベンダソンの「ユダヤ人と日本人」が参考文献に入っているのを見たとき、呆れ返ると共にある程度納得がいった。その方面に関しては、まともな資料集めなど最初からする気が無かったと言うことだ。とは言え、それはそれで構わないと言える。もとより戦争物としては非常に良くできているし、十分に面白いのだから。浅倉大佐の政治理論のいい加減さにしても、その役目は最終段階で主人公の叫びを誘発するための仕込みであるのだから。しかし、そうであるからこそ、作者の政治信条が透けて見えてしまうような描写はもっと抑えるべきだったろう。終章に端的に顕われているように、バックボーンのない戦後批判が宙に浮いてしまっている様は、取り損ねた毛羽を思わせる。戦争物として、変化球のSF小説として、間違いなく非常に面白い。だが、何か政治思想の表明として受け取れる様なものではないし、そう言う物を期待するべきではないだろう。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.48
(4pt)

読む価値のある一冊!

福井さんの作品は亡国のイージスを読んだことから、それ以前にかかれたものも何冊か読んでいるのですが、読むたびに色々考えさせられます。この本も前半は専門用語が多く話に入り込みにくかったのですが、後半になるにつれ徐々に引き込まれていきました。私達の祖父母の時代。戦争という私たちが知識でしか知り得ない事柄について、とてもリアリティのある文章で描いています。福井さんの作品は毎回日本人としての意識や、日本という国について深く読者に訴えかけています。男女問わず一読の価値ある作品だと思います。ぜひ読んでみてください!!(前半の専門用語の多さが少しわかりづらかったので★四つです。)
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.47
(5pt)

購入しなきゃ

久しぶりに読み応えのある本にであった一冊でした。福井晴敏さんの本は「亡国のイージス」で始めてであったのだけれど、あの本も休みを入れずに読んでしまいました。今回のこの終戦のローレライは、それよりさらに夢中にさせてくれます。後半は、生々しいまでの戦争の描写もあったので、深呼吸をしながら読んでみたけれど、全体的には頭の中で一場面一場面想像しながら息を詰めてみてしまいました。途中は、笑いあり、涙あり、怒りあり。いろんな感想をもたらしてくれました。この本を読み終わったのが5月3日、憲法記念日。今、ちょうど憲法についての意見が問われています。そんなときに出会って、読んだ本としては、なんというかタイムリー、といった感じでした。今の自分は生きているのか、どう生きているのか。日本は、未来は。そんなことを問われた気がした作品でした。実は、この本を図書館で借りて読みました。けれど、あまりに問いかけの多い作品だったので、これからの自分のために、これは購入して手元においておかなくては、と思いました。ほんとにそう思ったので、これから買いに行こうと思っています。来春には映画化されるそうなので、どんな作品に仕上がるのか楽しみです。できたら、多くの人に読んで、あるいは観てもらって、この作品の問いかけるものを感じてもらいたいなと思います。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.46
(5pt)

泣きどころ満載の感動巨編

 “ローレライ”の正体は、ナチスが生んだ生身の秘密兵器でフリッツ少尉の実妹パウラだった。パウラはナチスの人体実験の副産物により特殊な能力を得た。それは海中の潜水艦に目をつけるような能力で、海水を伝って詳細に敵艦の位置が分かるというものだ。一方、この任務の首謀者である浅倉大佐の本当の目的は、“ローレライ”を使って日本に少しでも有利な終戦を迎えようとすることだったのだ。その取引の代償が首都東京への原爆投下‥‥。 次の任務から外され南方の島に残された清永は、偶然に真の目的を聞いてしまい、征人とともにこれを伝えようと伊507ヘと向う。何とか乗艦した征人と清永を待っていたのは、真の目的を成功させるべく潜り込んでいた浅倉大佐の部下たちであった。そして清永が銃弾に倒れ、妹の危険を察知したフリッツが立ち上がり、征人とともに原爆投下を阻止すべく戦う。 南方の最前線で一線を越えて人間の本性を見つめた浅倉の答えは、日本の未来を救うためには少しの犠牲は仕方ないとするもの。一方、征人は純粋に人の命の貴さを叫ぶ。伊507は浅倉の手に落ちるのか‥‥、東京への原爆投下は阻止できるのか!? 最高に感動できる展開が待っています。泣きどころ満載です。読みながらも涙が止まりませんでした。ただ後日冷静に考えると、同じような感じで泣いたなと思うのが映画『アルマゲドン』。少し似ているような‥‥。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.45
(5pt)

さすが!

とにかく熱かった。「Tweve Y.O.」を読んだ時から凄い人がでてきたなと思っていたのだが、今回もさすが福井さん!と、うなってしまった。海軍五省と共に魚雷を撃つシーンは思わず涙してしまった。電車の中で読んでいたので、涙を堪えなければならない箇所が幾多もあり大変だった。読んでいるとじわっと涙が出てくる、これが福井晴敏の作品の真骨頂だと思う。前作「亡国のイージス」の、仙石と如月 行との構図が、伊507全体に拡がっていったように感じた。また、作者がガンダムから多大な影響を受けているのが顕著で、一ガンダムファンとしても非常に楽しめた。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.44
(5pt)

「亡国のイージス」という亡霊が頭をよぎるが‥‥

 ドイツが無条件降伏をし、日本は本土決戦を決意した第2次世界大戦の終戦間近。属する国を失ったドイツ軍の残軍は、特殊装置“ローレライ”を搭載した潜水艦を手土産に日本へ来る途中、“しつこいアメリカ人”の攻撃を寸前のところでかわすため、“ローレライ”を海中へと投げ捨ててくる。 “あれ”以来、妖刀のような浅倉大佐は“黄色いSS”こと日系ドイツ人のフリッツ少尉を先頭に“ローレライ”の回収作戦を決行する。その作戦に従事する兵士は、内容の全貌を知らされることなく“伊507”に乗り込む。その無謀とも言える回収作戦の重要任務を任されたのが、清永と折笠。だが、回収地点に“しつこいアメリカ人”が‥‥。作戦延期に対し、フリッツ少尉がとった行動とは‥‥。“ローレライ”の正体とは!?  「貧乏暇なし」読んで字のごとく金も暇もないので文庫待ちを決心したそんなある日、幸か不幸か行きつけの古本屋で半額の値札を付けた本作品と目が逢ってしまい、理性を抑えきれなかった書評子は当然のごとく購入。まだ上巻しか読んでいないが、なけなしの小遣いを使っても購入したことに少しの悔いもない。そんな内容となっている。文庫化するのを待っている方、単行本で買う価値あり!
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.43
(5pt)

超長編だけどあっという間!

福井さんの作品は比較的最近になってファンになりました。それ以前の3部作は全て文庫本になっていたので気軽に購入できたのですが、この作品は上下巻、なおかつ2段組のため実は購入をためらっていました。しかし映画かも決定したため、これは先に原作を読む必要があると考え先日購入しました。文章としてはすごいボリュームですが、読み始めるとあっという間、しかも無駄な描写が少ないので非常にテンポ良く一気に読めました。福井さんの作品は一貫して戦後正面から向き合う課題に対して避けてきた逃げてきたこの国の形、をテーマにしています。エンターテイメントとしても大変評価できますが、国家としてのアイデンティティーやそこに生きる人間ドラマとしても大変楽しめた作品です。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.42
(5pt)

超長編だけどあっという間!

福井さんの作品は比較的最近になってファンになりました。それ以前の3部作は全て文庫本になっていたので気軽に購入できたのですが、この作品は上下巻、なおかつ2段組のため実は購入をためらっていました。しかし映画かも決定したため、これは先に原作を読む必要があると考え先日購入しました。文章としてはすごいボリュームですが、読み始めるとあっという間、しかも無駄な描写が少ないので非常にテンポ良く一気に読めました。福井さんの作品は一貫して戦後正面から向き合う課題に対して避けてきた逃げてきたこの国の形、をテーマにしています。エンターテイメントとしても大変評価できますが、国家としてのアイデンティティーやそこに生きる人間ドラマとしても大変楽しめた作品です。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.41
(5pt)

さて映画は期待に応えてくれるか

いよいよ映画の公開が近づいてきました。文庫本も発売になりワクワクします。もう1年以上読んでから経ちますが、前半の締めくくりの2行は(文庫だと2冊目の最後)店頭でパラパラと見ただけでまた熱くなってしまいました。10年ほど広島に住んでいたこともあって、この物語を振り返ると潜水艦の中の葛藤、登場人物の魅力もさることながら、思わず力がはいったかもしれません。福井氏の小説で私の最も好きな「決めせりふ」は、個人的には小説の通り映画でも言って欲しいと思います。良いのがたくさんありますが、やはり1番は唯一出てくる「終戦のローレライに・・・」でしょう。期待します。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.40
(4pt)

戦争と椰子の実

美しい装丁。「亡国のイージス」に受けた感銘。
迷わず手に取りました。

重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛い
のは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。
ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。

熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。
冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。
戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か
何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物
達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、
考えずにはいられません。

殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、
琴線に触れます。
強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流して
いく素晴らしい小道具となっています。
正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安
を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを
与えています。

かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、
読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。
できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願う
のは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.39
(5pt)

最高。お世辞じゃなく。。

難しそうな本だなあ、と感じた貴方もご安心を。自分は中2だが、宿題するのも忘れてのめり込んだ。こんなに面白い本には最近出会ってない、と思う。伊507の仲間たち(浅倉たちもですけど)一人一人が魅力的・個性的で強烈に印象に残る。フィクションなのだが、なぜか感情移入してしまい、こういう【太平洋戦争】もありなのかな、と考えさせられる。・・・それと。久々に泣いた。学校の<読書の時間に>だ。まわりの奴らに笑われたが、仕方なかった。自分の贔屓してた【清○】が死んでしまったのだから。・・・と、まあ貴方もすぐ伊507の乗員になれる≦終戦のローレライ≧。今までで読んだ書籍のなかで最高。これを読まないわけにはいかない。・・・・映画化とかないんかなあ。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.38
(5pt)

戦争のひとつの真実

この作品は、もちろんフィクションなのですが、アジア・太平洋戦争においてあるひとつの真実ではないかと思います。とても面白く、そして悲しい物語です。お断りしておきますが、仮想戦記のように次から次に新兵器を投入し、敵をバッタバッタとなぎ倒し、最後には逆転勝利をする。そういった痛快な物語を考えている方にはお勧めはできません。確かに激しい戦闘シーンも多々ありますが、ストーリーは全然別物です。私は、こういった物語をよく読むほうで、その流れで手にしたのですが、読んでみると違うんです。瞬く間に物語の中へ引き込まれてしまいました。今までに一度も読んだことのない、そしておそらくは他にありえないだろうストーリー。戦争の裏側については最近結構明るみに出ていますが、その明るみに出ていない部分の一端を見たような感じです。私はこの本を読んで久しぶりに涙が出ました。今の自分を見つめなおさせてくれる、そんな一面も持った本です。まさに魔法の力を持つ「ローレライ」システム。その魔力に触れ、手に入れたのはとっくの昔に敗北へのカウントダウンが始まっている日本。この魔力で戦況を覆すことはできるのか。話は思いもしなかった方向へ次々に展開します。作者に引っ張られながら読み進めると、突然緊迫の戦闘シーン。無防備な状態で敵から一方的な攻撃。静かに、しぶとく耐え続ける緊迫の海中戦。そして物語は様々に絡み合い、複雑になっていきます。しかしそれを解く鍵はただひとつ。何のための戦争なのか。何になるというのか。戦うものの本音。こうして徐々に佳境へと向かい、最後にはすべて理解し、戦争は終わります。それは、望んだ形だったのでしょうか・・・。できるだけ多くの人に読んでもらいたい。「戦争を知らない世代」だからこそ読んでほしい。戦争はいけないとかではなく、その時その時を生きる人の「今」があります。その人たちにとって「今」はそれが全てであり、真実であり、現実なのです。私が読んだ本の中でも最高の作品だったと思います。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X