終戦のローレライ

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評判

終戦のローレライの評価:

4.45/5点 レビュー 177件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全197件 121〜140 7/10ページ
No.77
(5pt)

とうとう来ました!!

とうとう来ました。待ちに待った「終戦のローレライ③」!!実は終戦のローレライのスペシャルBOXを予約しちゃったので買おうかどうか迷っています・・・・。
終戦のローレライ(3) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(3) (講談社文庫)より
4062750023
No.76
(5pt)

熱い!!しかし上巻の最初の50ページは我慢しましょう。

男達の熱き心が伝わってきます。それぞれの男の信念!まじで熱いです、しびれます。熱さに弱い私にとってこの作品は最高傑作です。ただ少し固いし長いので読むのに疲れるし時間がだいぶかかります。しかし時間をかけて読む価値のある小説です。少しSFが入ってますが、現実にありうる感じがしますので全く違和感もありません。この本を書いた福井さんは本当にすごいと思います。私も小説家は諦めるべきかな、こんな大作見せられたらね・・・・。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.75
(5pt)

ローレライとは

 1巻ではまだ始まっていない。ここから始まる。その為の序章があり、第一章があり1巻は終わる。 1945年、7月。ドイツ軍が開発した秘密兵器は、あるべき終戦の形をもたらすという。それが沈んでしまったため回収の任務に当たることになる艦長の絹見や上等工作兵として派遣された人間魚雷回天の乗組員だった清永喜久雄や折笠征人。作戦遂行のために用意された戦利潜水艦《伊507》。秘密兵器とは一体何か。何故この作戦を命じられたのか。 1巻はまだ始まっていないプロローグ部分にも近いので、特にプロローグである序章はまたあとで響いてくる。状況の中、殆ど死にに行くような状況。その前のやすらぎはあったのだろうか、という感じか。心理描写が細かく、清永や折笠のささやかな関係だったり、戦争に行く前の状況を細かく書かれている。このあたりは福井らしいディティール。 分からないことが多いが、これからがより楽しみだと気付かせてくれるには十分な1巻。軍事的なこともあり専門用語も十分すぎるくらいだがストーリーの壮大さとこれから分かってくると思うが圧倒されたら作家の勝ちだろう。 これからどのように始まるのか。タイトルの意味するものは何か。あるべき終戦の形とはどのようなことなのだろうか。民族が生き残るために、祖国のために、死んでも戦い抜くというのはどのようなことか。問題提起にあふれている中十分にエンターティンメントとしても楽しませてくれるだろう。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.74
(4pt)

良作だが、少し長い

えー、ページ数が多いです。読むのに少し疲れます。しかし、良作であることには変わりありません。戦闘シーンは、それほど多くないですが密度が濃く、なかなか楽しませてくれます。椰子の実の歌が聞きたくなる小説です。映画の予告編がよい出来なので、ぜひ一度見ることをおすすめします。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.73
(4pt)

歯ごたえのある。

まず「長い」と言おう。それもそのはず、映画等のジャンルでは割愛されざるを得ない脇役的人物ひとりひとりの背景・思いが切々と書き連ねられている。その分読者にも負担はあるが、敵・味方のどちらにも感情移入してしまう分、勧善懲悪ではない、純粋な命のやり取りにこそ相応しい悲哀を疑似体験する。人間ドラマが濃い。軍人でありつつ人間であるからこそ人の生き死にを直視することへのやりきれなさ。敵艦を破壊する度に、「何故」と問い続けられる人間兵器となったヒロインの姿がいじましい。2005年度に映画化されるという事を耳にしたので読んでみた。読み終わった後は、映画館でもう一度ローレライの乗組員ぶるのも悪くない。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.72
(5pt)

泣ける笑える荒唐無稽なキャラクター小説

『亡国のイージス』が楽しめたので続けて手にとった。やはり頁を繰る手が止められず千頁程を2日で読みきってしまった。F・フォーサイスばりに、実際の史実のアイテムを織り交ぜながら展開する裏物語。本書もやはり『亡国』同様に饒舌で、マンガチックで、荒唐無稽。「ヤマト」「ガンダム」おまけに「最終兵器彼女」…。「君は誰の為に闘うのか?」という空耳が聞こえてきそうで恐かった(笑)。はっきりいって、アニメ世代より上の年代にはキツいノリかも。浅倉大佐の口を借りて語られる「国家を切腹」云々のケジメ論や極限体験談も、石原莞爾をベースに、渡辺清『砕かれた神』と大岡昇平を足して思い切り稀釈した感じで「あーあ、やっちゃったかな?」と一瞬不安に(映画では浅倉役は堤真一。汗)。最終章を借りて開陳される「戦後総括」に至っては、今やある種の紋切り型と評するしかなく、思わず苦笑いするしかない(参考文献はJ・ダワー『敗北を抱きしめて』か?まさか、小林よしりんの『個と公論』では?)。にも関わらず、引き込まれ楽しめてしまうのは、結局、私自身が体で戦争を知らないからなんだろうなと逆説的に納得。つまり単純にドンパチ物として面白いのだ!特にお気に入りは、主題を象徴する藤村の「椰子の実」と、ローレライ・システムの「コロセウム」が何ともレトロでドイツっぽいところ(もしかしておもちゃの「お絵かき先生」がヒント?)。それとカバー(あの魚眼の視線は…)。あと、ソナーについてパッシブ/アクティブの2種類の違いを知ってるとお徳かも。尚、主要登場人物の中で米内海軍大臣は開戦前は首相も勤めた実在の人物。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.71
(5pt)

ついに明らかになった『ローレライ』

第二巻。ついに『あるべき終戦の形』をもたらすとされる特殊兵器ローレライの正体が明らかにされます。そこには読者の想像を遥かに超える重い過去があり、そしてユダヤ人を大量虐殺したナチスの真実があります。フリッツ・エブナーの語る過去に、涙を流さずにはいられませんでした。
そして主人公・折笠征人は『死ぬ理由』を求めもがき続けます。何もわからないまま死んでたまるか。その想いは、果たして届くのか。
必死に生き抜く男たちを乗せた伊507の行く末から、もう目が離せません。来月発売の三・四巻。果たしてどのような結末を迎えるのか、非常に楽しみです。
終戦のローレライ(2) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(2) (講談社文庫)より
4062749718
No.70
(5pt)

ヤマト世代の著者が描く太平洋戦争!

「亡国のイージス」でたっぷりと自衛隊と護衛艦の世界を描いた、福井晴敏が今度は旧帝国海軍の潜水艦を描く。終戦間際の日本。ドイツより供与された謎の兵器“ローレライ”をめぐる海洋冒険小説の趣。日本へ搬送される途中、九州五島沖で海中に投棄されてしまった“ローレライ”を探すべく、潜水艦“伊507号”が秘密裏に出航する。乗組員は、潜水艦学校の閑職にあった艦長以下、海軍中から集められた様様な屈折した過去を持つ男たち。主人公は素潜りの能力により搭乗することになった17歳の少年兵。冒頭からアクションシーンも満載。“ローレライ”を追う米潜水艦2隻とUボートとの戦い、呉軍港への米艦載機の大空襲(史実)。五島の岩礁海域、さらに硫黄島沖での米潜水艦との2対1の状況下での対潜水艦戦。「亡国のイージス」でもそうだったが、軍隊に関する描写、潜水艦に関する描写などかなり詳しく、登場人物の描きこみも力が入っており、文庫全4巻かなりのボリューム。心理描写や独白なども少なくないため、単なる戦記ものとは違う雰囲気を漂わせる。文章が饒舌すぎる嫌いもあり、読みづらい部分もあるが、その多弁さに圧倒される力作。日本軍軍令部が固執し、米軍も執拗に追う“ローレライ”とは何か?“ローレライ”の探索行でストーリが進むかと思うと、伊507号には新たな任務が与えら、連合国艦艇が多数遊弋する太平洋に進路をとる・・。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.69
(5pt)

星5つでは足りない

第24回吉川英治文学賞受賞2004年度 このミス2位、文春2003ミステリーベスト10で5位本作品をまだ読んでいない方のためにあえてジャンルを分けると、「女王陛下のユリシーズ号」に代表される、「海洋冒険小説」というのが一番近いだろうか?(異論もあると思うが・・・)。しかし、戦争の意味を我々に問いかけ、閉塞した現代社会へエールを送る本作品は、そのジャンルにとどまることのない大作である。 1945年8月、終戦を間近に控えた日本では、未だにあるべき終戦の形が見えないでいた。その中で、ドイツが開発した秘密兵器「ローレライ」の存在が明らかとなり、一足早く敗戦したドイツから、「ローレライ」が極秘裏に日本に運ばれることとなる。本編中で主人公・折笠征人の叫ぶ、「戦争だからって、なんでも許されるわけじゃないでしょう」ということが、本作品のメインテーマのひとつであろう。 先に書いた「亡国のイージス」だが、私にとっては文章を読みづらく感じ、世間の評判ほど面白いとは思わなかった。しかしながら、私と同様の感想を持った方も、心配することなく是非購入して頂きたい。最初の51ページ(序章)は、前作同様若干読みがたいが、ここをすぎるとあとは本を置くことが困難になる。(ただし一晩くらいの徹夜では読み終わらないと思うが・・・)このような素晴らしい作品に出会えるから、読書はやめられない。久しぶりに読書の喜びを実感できた作品であった。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.68
(5pt)

壮大な物語の幕開け!

全四冊構成のうち、唯一薄い第一巻。しかしながら、中身は非常に奥深いです。神風特攻、一億玉砕が叫ばれていたころの日本。負け方を知らなかった日本の中で、密かに行われていた終戦工作。特殊兵器『ローレライ』を用いて、無条件降伏を避けようとする日本。そしてその船『伊507』の中で必死に生き抜く主人公たち。「国のために死ぬのは構わない。だが、何もわからないまま死んでいくのは嫌だ」この本は読者にそう語りかけてきます。特攻して死んでいく人々の気持ちなど到底理解できない現代人に、彼らの気持ちを伝えてきます。この国に、あるべき終戦の形をもたらすと言われる『ローレライ』。壮大な物語の幕開けとなる、第一巻です!
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.67
(5pt)

レビューの書き方

ハッキリ言って、最終章は蛇足に感じた。ここまでかたる必要はあるのか?と考える場面も。でもそれを差し引いても、☆5つじゃ足りない。それぐらい、完璧な大作だった。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.66
(5pt)

世界に誇る日本の軍事スリラー

この数週間で、福井晴敏氏の著作「川の深さは」「Twelve Y.O.」「亡国のイージス」そしてこの「終戦のローレライ」を一気に読破したが、上記四作の中では、「終戦の…」がずば抜けて面白かった。というより、非常に長い作品なので、その間「ローレライワールド」へどっぷりと浸かりこんでしまい、読了後も登場人物へ感情移入してしまって、非常に困った(笑)。恐らく多くの男性読者にとって、ヒロインのパウラ・エブナーは永遠の恋人であろう。本書のストーリー、テーマは、他の方々が触れているので割愛するが、綿密な考証、緻密な伏線の張り方は、明らかに世界のトップレベルライターを凌ぐ。福井晴敏氏は、押しも押されぬ、現代世界のトップミステリーライターの一人であろう。私の場合は、寝食も忘れて読み耽ったが、恐らく私のようにハマリ込んでしまう人は多勢いるだろう。文句なしにオススメの作品である。ただし、難を言うと、福井晴敏氏の作品はどれも、キーとなるキャラクターが、20歳前後の若者で、そのキャラが超人的な活躍を見せて物語が進んでいくが、やはりこれは現実離れして無理があるだろう。氏がまだ若いということから無理からぬことかもしれないが、30代以上の大人が読むと、相当な違和感が伴うことは否めない。また、緻密な考証の割には、ストーリーの展開が、どうしても男同士の友情と、若い男女の愛情によって進んでいってしまうところなどは、浪花節の体質が抜けきれていないのだろう。このへんが、「ガンダム」作家たる所以だろうか。この二つの欠点を克服した時、30代以上の読者も安心して読める、名実ともにトップの作家になるのではないだろうか。だが、これらの欠点に目をつぶっても、この作品は文句なしに面白い。素晴らしいの一語である。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.65
(5pt)

ガンダムは知らないが

「ガンダム」を聞くと、それを知らない者にとってはマニアックな響きであり、一歩ひいてしまう。現にわたしがそうだ。この著者は確かにそのノベライズ等も書いているようだが、この話は全然別物にである。物語の根底にガンダムがあるという、一部のガンダムファンもいるが、これから手に取る人で、ガンダムという言葉を聞いただけで敬遠してしまう人もいるので「終戦のローレライ」はあくまで独立した物語として、よさを伝えて言ってほしい。私も、もしこの話を読む前に「ガンダムが根底にある」などと聞かされていたら確実にこの本は手にする事がなく、この感動を見逃してしまっていただろうから・・・。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.64
(5pt)

手にとって是非読んで欲しい!!

終章が無ければ星を一つ減らしていたかもしれません。それくらいこの物語にとって終章は重要なポイントだったと私は思います。巷では純愛ブームとか囁かれていますが、もっと大切な”物”がこの小説にはありました。戦後生まれの日本人の一人として、深く考えさせられます。現在日本の軽率に戦争を語るメディアに一石を投じる力作です。戦後私達日本人はどこに向かおうとしているのだろうか?あの敗戦で、日本人の良き”モノ”すら捨ててしまったかのように思えてならない。とても長い小説ですが、是非最後まで読んで欲しいです。オススメです。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.63
(5pt)

何か懐かしい心地がする

特にここで作品内容についてどうこう語る気にはなれない。この小説を読んで感じたのは、「終戦のローレライ」が持つエンターテイメントの根底に、「機動戦士ガンダム」が見え隠れしていた事。あの伝説的アニメがエンターテイメントになりえた要素が、この「終戦のローレライ」にある。著者が「機動戦士ガンダム」を原体験し、そこから得たアイデアが歴史を舞台に花開いた感じを受けました。登場人物一人一人が綿密に描かれ、誰一人端役として描かれない。序章が少し長く気がだれてきますが、その序章が複線となりその後の展開にどんどん引き込まれていきます。こんな分厚い本本当に読めるのか不安だったけど、気が付いたら読めてしまっていました。私を含めて戦争を知らない世代に読んで欲しい戦争冒険小説です。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.62
(5pt)

映画よりアニメむきでは?

 圧倒的な筆力に感服しました。今までは、集中して読みきる自信がなかったので、後回しにしていました。しかし今回意を決して購入。上下巻を通して、じっくり味わいました。 まず、キャラクターがいい。やはり若い真っ直ぐな主人公というのには、感情移入しやすいです。秘密兵器のキャラクターも、彩りとして大変いい。いわくあるフリッツという存在なんて、ガンダムにおけるシャアではないですか。福井もガンダム・シリーズの「ターン・A」を書いているので、ガンダムの世界と福井の世界が相互にいい影響を与え合った感じです。無論、敵役や脇役もいい。 次に、リアリティーと創造性のバランスがいいのです。南方の人食い伝説、マッチ箱の新兵器など、太平洋戦争ものの恐怖のツボを押さえています。そこへ、大局を見る俯瞰的な思弁がそれぞれの立場で語られる。米軍の秘密攻撃作戦とシーゴースト+超兵器ローレライは、さすがのオリジナリティー。 天才肌の艦長と信じられない命中率の雷撃・砲撃で、バッタバッタと敵をなぎ倒すところは、痛快です。ときどき絶体絶命のピンチが訪れるタイミングも、言うことなし。この迫力シーンは、アニメでないと表現できないかもしれませんよ。 最後に、敵艦を沈めるたびにその中にいる大勢の乗組員の死を生々しく描くところが、単なる戦記物とは一線を画す所です。作中の「戦争は悲惨だなどというバカでもわかる教訓」の一節に、強く共感しました。「繰り返してはいけない」と十年一日どころか七十年も念仏のように無責任に唱えながら、今日この体たらくをさらす日本の現状です。その日本人の一人として、そんな空々しい言葉を安易に口になどできないはず。血の涙で恥じる気持ちと、悩み続ける覚悟を抱きながら、読み終えました。 それはそれとして、エンタテイメントとしても申し分ありません。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.61
(5pt)

人生の課題図書

上下2段、1000ページを超える大作でありながら、一気に読ませる本です。極上のエンターテイメントであり、感涙の人間ドラマであり、第2次世界大戦の意義を問う歴史書であり、現代を生きる僕たちに重く深い問いを投げつける警世の書でもあります。特殊兵器「ローレライ」を搭載した潜水戦艦「シーゴースト」。日本軍に託され「イ507」と改名した一隻の潜水艦を巡り、敗戦間近の日本をさらに揺るがす陰謀が進んで・・・ハリウッド的な、映像が目の前に浮かぶような迫力ある戦闘の描写(「ユーボート」や「レッドオクトーバーを追え」など、潜水艦映画を彷彿とさせます)。一人一人が生き生きと躍動するようなどうしようもなく魅力的な登場人物の数々。エンターテイメント作品として、文句なく楽しめます。ただし、この作品はそこに留まりません。明日の「あるべき日本の姿」を夢見て冷静に狂う者、押しつけられた大儀に殉じ思考停止のまま命を落とす者、ただ餓えを満たすために他者の血肉をすする者。次代を生きる者に微かな希望を託し、自らが盾となり命を散らす者。。。僕たちが生まれるはるか前、既に風化し、歴史となりつつある太平洋戦争を生きる人々の生き様が、「人は何のために、何を為すために生きるのか?」という、本質的な問いかけを、50年以上経った今を生きる我々読者に突きつけてきます。自分の国にプライドを持てず、漂流する椰子の実である僕たちがたどり着くのはどこなのか。その答えは自分たち一人一人が自ら考え、求めていくしかないようです。大げさでなく人生が変わる。日本人なら誰しもが読むべき本です。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.60
(5pt)

何度も読み返したい!

第二次大戦末、日本敗北までの約1ヶ月、歴史の表舞台に上がる事のなかった多くの人々・事柄の中であったかもしれないひとつの道。「死して護国の鬼になる」をよしとする国情の時節、友の為、愛する者の為に戦った潜水艦乗り達の物語。重くなりがちなテーマを持ちながら読み進める事を止めさせない力強いエンターテイメント性は圧巻。是非、多くの人に読んで欲しい!!
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.59
(5pt)

美しき悪

久しぶりに「大作」を読み終えた充実感と、物語が終わってしまう寂寥感を感じました。あらすじは他の評者の方が書いているので、読後の注目点を2点ほど。作品の完成度は、『亡国のイージス』の方が上であると思うが、ことスケールでは、終戦の~ほうが、はるかに上だ。ほぼ主人公の同期や物語の構造が、デヴュー作から一貫して同じな福井作品にあっても、その広がり射程距離共に申し分なく、別格の風格を与えている。同じテーマばかりなのに、すごい筆力ですね。それは、この時代の近代日本が、まだ戦争を忘れていない時代だという背景もあろう。一つは、悪役?というか、《伊507》の思想に対抗する帝国海軍将校朝倉良橘大佐軍令部一課長の純粋な哲学です。この余りに妖しく美しく純粋な「悪」の思想に、ふるえました。地球を守るためにアクシズを地球に落とそうとしたシャア・アズナブル大佐や紀里谷和明監督『キャシャーン』の悪の総帥ブライ(唐沢寿明)らの悪役の哲学・理由が美しく純粋であるほど、物語の構造は輝きまします。物質消費文化至上主義の真っ只中で生きる現代日本人の我々には、朝倉大佐の絶望は、痛いほどわかります。作者自身も、507の乗組員も朝倉大佐の絶望による「国家の切腹」は、否定し切れていません。実際には、陳腐なヒューマニズムよりも、朝倉大佐の純粋さの方が、もしかしたら正しいのではという妖しい思いもよぎります。富樫義博『幽遊白書』なんかも、陳腐な正義感の主人公よりも、人間に絶望した悪役の方が、ゾクゾクするほどかっこよかった。この作品の時代設定は、1945年(昭和20年)8月近辺を描いている、いわゆる戦記ものになるであろう。陳腐な歴史IFものではなく、現代アメリカンウェイオブライフの消費文化への懐疑と同時にその背景にある圧倒的な軍事・資本の力や近代日本の持つ組織の致命的欠陥など、前提が非常に深刻かつリアルである。最近山崎豊子『不毛地帯』、瀬島龍三『大東亜戦争の実相』、司馬遼太郎『坂の上の雲』や小林よしのり『戦争論』、『亡国のイージス』等など、この時代の話を集中的に読んでいたので、イメージがすごく湧きやすかったのも、作品の背景を深読みできて面白かった。それと、なんでかは読めばわかるが、浦沢直樹さんの『Monster』も強く思い出された。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.58
(5pt)

名作

福井晴敏の書く物語にはパターンがある。
テーマ、登場人物の設定、ストーリーの展開。
『終戦のローレライ』も、そうした福井作品に共通のパターンが踏襲された物語だが、
それでもワンパターンとしらけさせられる事が無いばかりか、深く感動させられてしまった。
福井晴敏の作品はハズす事なく傑作ぞろいだが、中でもこの作品は名作と呼べるだろう。
読者は『椰子の実』の歌を聴くたびに、この物語を思い起こすに違いない。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298