終戦のローレライ

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評判

終戦のローレライの評価:

4.45/5点 レビュー 177件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全197件 41〜60 3/10ページ
No.157
(4pt)

非常に面白かったです。

少し、設定が甘いきらいはありますが、全体としては非常に面白かったです。潜水艦を舞台にして物語りが展開されるのですが、乗組員一人一人の人物描写が細かすぎる欠点もあります。好き嫌いはあるでしょうが、ストーリーは星3つ、描写は星4つといった所でしょうか。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.156
(5pt)

椰子の実

 この長編の最後を飾る「終章」が素晴らしい。
 そこまでは 潜水艦を舞台とした息詰まる短い日々をじっくり書き込んできた。それに対し「終章」は 戦後60年間を その時々の流行歌に乗せて 実にさらりと描いている。それまではスーパーマン的な活躍をしてきた主人公達が市井に埋もれ 人並みの苦労を経て 戦後を細々と生きていった姿は 正直感動的である。
 機内で酒を飲みながら読んだせいか 途中から涙が止まらなくて困った。「椰子の実」という曲が かように心に迫るものがあることがよく分かった。
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.155
(4pt)

すぐれた終章

自分探しの物語…
終章の抑えた筆致が印象的である.
人が生きるということの難しさ,大変さを静かに,しかし,たしかに問いかけてくる,そういう作品と言えようか.
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.154
(4pt)

終戦を舞台にしたガンダムです

太平洋戦争の終戦を舞台にしたガンダムです。
主人公はガンダムやガンンタンクの代わりに、特殊潜航艇
「海龍」や「ナーバル」に乗って活躍する。
戦利潜水艦・伊507はさしずめホワイトベースといった所。
一兵卒が艦長の作戦に口出ししても、もちろん許されます。
なんたってガンダムなんだから。
真面目な戦記物として読むと少々期待を裏切られます。
だけど、そこは福井作品、例によって登場人物を一人一人
丁寧に書き込み、作者の主張もたっぷりです。
エンターテイメントとしては充分楽しめます。
ただ、ローレライは潜水艦で使うより、防諜で使った方が
効果があったのではないでしょうか。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.153
(4pt)

2巻目です

2巻目となるこの巻ではローレライとの接触〜しつこいアメリカ人との戦闘開始までを描いています。
全体的に見ると終戦のローレライの要となる人物の登場により話に「締り」のようなものが出ていて、1巻より集中して読むことが出来ました。
それと彼女達の過去回想を上手くまとめているのが良かったです。
私は彼女たちはずっと患者さんが着るような白い服だけを着ているのだと思っていたら、少しだけ普段着のような洋服を着ているシーンがあり、彼女たちが置かれている異常な状況を印象付けられました。
戦闘も1巻目と同様にテンポ良く進み、小説とは違って「絵」で見る漫画の利点を活かした潜水艦の動きや戦術の説明がありストレスなく読めます。
アイスを渡すシーンは小説版と違う漫画版アレンジでそういった点では良いと思うのですが、後の展開ことを考えると征人を間接的ではなく直接絡ませてほしかったです。
あと、読んでいて少し気になった所は背景の書き込みにバラつきがあるといったところでしょうか。
演出でわざと背景が白い箇所もある…という事は十分承知しているのですが、他のコマで緻密な背景が描かれていることに目が慣れるとその部分がどうしても気になってしまいました。
長々と書いてしまいましたが、戦闘が始まる所で2巻が終わっているので続きが気になるのが正直なところです。
3巻では序盤〜中盤にかけての見所、「しつこいアメリカ人」との戦闘が待っているので、そこさえ面白く描ければ最後まで安心して読むことが出来ると思うのですが…どうなるのでしょうか。
終戦のローレライ(2) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(2) (講談社文庫)より
4062749718
No.152
(5pt)

平和ボケした国に喝を入れる超大作。

よくこういった小説、映画で人を殺しすぎるという感想を言う人が、自分の周りにもよくいるが、考えてみて欲しい。
もし、今この国が他国に攻められ、大切な人が目の前で殺されるとしたら?
そして自分が死に直面したら?
殺生という言葉を非常に嫌う感があるが、それは平和という器に守られているからこそ言えることではないだろうか?
ともすればそういった危うい要素を含んだ物語を、ここまでエンターテイメントとして昇華させる作者の力量には脱帽するしかない。

「亡国のイージス」もそうだが、この作家の作品で善い所は、物語の主役の顛末をしっかりと描いている部分だろう。
中にはそういった蛇足的なエピローグは必要ないという方もいるが、この部分があるからこそ、重いテーマを持った作品に感動できるのだと思う。
主人公が多くの人々の死を乗り越え、掴んだ答えを最後に提示することで、作品に深い余韻と希望を残すと共に、作者が突きつける国の在り方について考えさせられるのだと思う。
お見事としか言えない荒技である。
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.151
(5pt)

映画には出来ません・・・

映画のために第2次世界大戦を舞台にした原作、それも予算が少なく出来そうという理由で選ばれた舞台の潜水艦は、結果として凄く濃厚な人間を描いた作品になっている。文庫本にしろハードカバーにしろ書き出しはとても固くとっつきづらい。おもいっきって下巻、それも終わりの2章から読んでもらいたい。映画の原作という事を作者は忘れてしまったようで、何度でも読める・・・面白い、かっこいい、切ない・・全てが詰め込まれたこんなにも惹かれるのはなぜ?と思える作品です。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.150
(5pt)

人を殺し過ぎ??

 一般的に戦争を描いた作品では、名前のない一兵卒や一般市民等がかなり多数死ぬことになります。
 描かれているのが、“戦争”ですから、これは分からなくはありません。
 しかし、本作品では名もない一兵卒や一般市民ばかりでなく、人物像がしっかりと構築された登場人物までもが多数死に至ります。
 それは、「え?この人まで死んじゃうの?」という感じが否めないくらいかなりの数です。
 そのため、私には読書中、「人を殺し過ぎでは…」という疑問が湧いてきてしまいました。
 本作品のような超大作では、登場人物に対する思い入れもひとしおになりますし、最期の最期まで、この疑問は払拭されることがなく、猛烈な勢いで湧き出すばかりでした。
 私は読破後に、このことについて改めて考えてみました。
 物語全体から考えたり、“戦争”について考えてみたりしました…
 私はつい最近まで“戦争”をしていた国へ行ってその惨状を肌で感じたり、埋まっている地雷を目の前にしたりしたことはありますが、“戦争”自体を身を持って味わったことがありません。
 なので、実際の“戦争”がいかなるものなのかということはよく分かりません。
 以上のような自分の境遇を鑑みるに、作者は「“戦争”とはこういうものなんだぞ。親だろうが恋人だろうが無差別に人の命を奪うものなんだぞ」と“戦争”を味わったことのない世代に対して、一つ指標を示してくれてるのではと感じるようになりました。
 戦争に対する考えは千差万別なので、本作品の内容が気に入らない方もいらっしゃるとは思いますが、一つの指標として本書を受け入れることができるくらいの心の余裕はいつも持っていたいものです。
 
 どうもありがとうございました。
 ソレデハ…
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.149
(5pt)

ノンフィクションとフィクションの絶妙なハーモニー

第24回吉川英治文学新人賞受賞作品
 第21回日本冒険小説協会大賞受賞作品
 「宝島社 このミステリーがすごい!」 2004年度 第2位
 「週間文春 傑作ミステリーベスト10」 2003年 第5位
 「ミステリチャンネル 闘うベストテン2003」 第2位
 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 総合ランキング 第16位
 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 ミステリー&エンターテインメント部門 第25位
 本書では、日本人ばかりでなく、世界中の人々が忘れてはいけない日・1945年(昭和20年)8月6日についての記述があります。
 私のような若輩が持っている「あの日のできごと」についての知識は、映像ないし伝聞で得たものですので、たかが知れてます。
 そんな私は、本書における「あの日のできごと」についての詳細な記述に圧倒されました。
 読んでいて、人々の息遣い、一瞬一瞬の風景の変化等々を直接自分の肌で感じているような気さえしてきました。
 この部分はノンフィクションだと思います。
 一方、その周りで展開される物語はもちろんフィクションです。
 フィクションの中にノンフィクションがうま~く織り込まれています。
 そのため、読者に対して投げ掛ける『何か』がより鮮明になってくるような気がします。
 福井晴敏氏の作品全般に言えることですが、読んでいてドキッとすることが本当に多いのです…
 それは、誰もが本来、目を背けてはいけないはずなのに、見ない振りをしがちな問題に正面から一石を投じているからだと思います。
 福井晴敏氏の織り成すノンフィクションとフィクションの絶妙なハーモニーを是非味わってみてください。
 ソレデハ…
終戦のローレライ(3) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(3) (講談社文庫)より
4062750023
No.148
(4pt)

タイムスリップよりすごい設定

 第2次大戦末期にこの設定か と驚きのストーリー。 イージスと同じく、ローレライの正体が判るまではちょっと重い読み口と、さらにえぐい戦闘描写。 前半だけでは謎は謎のまま。下巻に手は伸びる。
終戦のローレライ 上 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 上より
406211528X
No.147
(5pt)

胸が熱くなりました!!

 第24回吉川英治文学新人賞受賞作品 第21回日本冒険小説協会大賞受賞作品 「宝島社 このミステリーがすごい!」 2004年度 第2位 「週間文春 傑作ミステリーベスト10」 2003年 第5位 「ミステリチャンネル 闘うベストテン2003」 第2位 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 総合ランキング 第16位 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 ミステリー&エンターテインメント部門 第25位 全4冊中の2冊目。 いよいよ潜水艦が大海原へと繰り出します。 様々な人生や思いを乗せるにはあまりにも小さすぎる潜水艦。 そんな潜水艦が実際に乗っている人数の何十倍、何百倍という人々の思いを賭けて死闘を繰り広げます。 潜水艦の乗組員は、それぞれ階級が高かろうが低かろうが1人の人間です。 また、それぞれ家族や恋人等の思いを背負っています。 人間の命や思いに軽重の差はありません。 というか、あるはずがありません。 死闘を繰り広げる潜水艦の乗組員1人ひとりのことを考えると、胸が熱くなりました。 ソレデハ…
終戦のローレライ(2) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(2) (講談社文庫)より
4062749718
No.146
(5pt)

ラストは圧巻

 後半は本を手放せないほど、これでもかというストーリー展開。 ガンダムかヤマトかという感じがしないでもないが、終章がさわやかさを出している。
終戦のローレライ 下 Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ 下より
4062115298
No.145
(5pt)

大海原へ!!

 第24回吉川英治文学新人賞受賞作品 第21回日本冒険小説協会大賞受賞作品 「宝島社 このミステリーがすごい!」 2004年度 第2位 「週間文春 傑作ミステリーベスト10」 2003年 第5位 「ミステリチャンネル 闘うベストテン2003」 第2位 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 総合ランキング 第16位 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2003」 ミステリー&エンターテインメント部門 第25位 『川の深さは』→『Twelve Y.O.』→『亡国のイージス』と現代の日本社会に問題提起をしてきた福井晴敏氏。 そんな彼が、本作品では時代設定を太平洋戦争末期にします。 果たして、本作品で福井晴敏氏は読者に何を投げかけるのか… 4冊にも及ぶ超大作の第1冊目に当たる本書では、主人公・折笠征人、その親友・清永喜久雄を始めとした登場人物の人物像がしっかりと構築されます。 この先、大海原へと旅立っていく男達の人物像をしっかりと把握しておくと、より物語を楽しむことができるはずです。 本書を読んで、熱い男達と一緒に大海原へと旅立ちましょう!! 『終戦のローレライ』のⅠ~Ⅳ全てにレビューを載せる予定です。 参考にしていただけると幸いです。 ソレデハ…
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661
No.144
(5pt)

いつまでも読み続けたかった

征人がパウラと二人っきりの時に交わした会話を、どうしてフリッツが知ってたの?という細かいツッコミはさておき…。第4巻は、戦闘シーンが大半を占め、よく分からなくて少々退屈でした。しかし、その後が濃いの何の。恋愛小説っぽい部分もきっちり網羅して。遠い異国の地で孫に未来を託した祖母。不思議なことにパウラもまた、見知らぬ地で、孫に未来を託しました。祖母と同じ運命を辿っていると、パウラは気付いていたのかどうか。自らの生き様を長年責め続けた征人も、自分が未来を紡ぐ役割を果たせたことに気付き、ようやく苦しみから解放されました。もうホントに、読み終わってしまったのが残念です。いつまでも読み続けていたかった。
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.143
(5pt)

絵と音を感じる圧感のラスト

かなり説明に文章を使っているため1,2巻はちょっとかったるい印象がありますが、3,4巻は・・・圧感でした。クライマックスは原爆投下機発進阻止の後にあります。米艦隊に追い立てられながら乗組員が歌うシーンは、情景が見え歌が聞こえてくるほど心にしみてきます。そして生き残ったものの後日談もまた夢中になって読み、考えました。冗長にも見える1-2巻はこれらの感情が理解できるための伏線だったのだなあ、と読後に感じます。その点映画にするのはつらい小説ですね。余談ですが、映画は・・・先ほどDVDで見ましたが私は残念ですとしかいえません。時間が足りないのはわかりますがずいぶん軽いストーリーになってしまった感じがあります。演技はすばらしかったのですけど。ローレライの最期のシーンの映像での再現を期待したのですが・・・
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.142
(4pt)

惜しむらくは、少々非現実的

その若さにも関わらず、人の心を動かすまっすぐな言葉を持つ人物。修羅場をくぐって学んだ訳でなく、狡猾に動き回って生き延びてきた訳でもない。むしろ、世間というものを味わう前の若い人物が、周到に用意したわけでもない言葉を使って、人の心を動かす瞬間があります。「ブラックジャックによろしく」の斉藤医師とかですね。
わずか17才の折笠征人が、伊507の乗組員の心を動かすシーンが、この巻には収められています。過酷な境遇に翻弄され続け、人間としての心を閉ざしてしまったドイツ人兄妹さえも、この青年と知り合って眠っていた心が徐々に解けていく。自分でも気付かないほどわずかずつではありますが。
謎に包まれた秘密兵器「ローレライ」の正体が明らかになる、重要な第2巻ですが、私はそれよりも、征人が全員の心を動かし、みんなの心が一つになるシーンが好きです。そしてそれにより、絹見艦長が決断を下し、見事に艦を操って敵を叩くシーン(まるで「沈黙の艦隊」みたいです)は、少々非現実的ですが、痛快です。
終戦のローレライ(2) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(2) (講談社文庫)より
4062749718
No.141
(5pt)

南国で読んだ『椰子の実』のくだり

実はずるい読み方をしてしまいました。2巻を読み終えた時点で2人の主人公の行く末がどうしても気になり、4巻の結末部分を先に読んでしまったのです。
しかし結末を知ってなお、3巻は途中で置くことを許してくれないくらい、迫ってきました。それこそ、カバンに入れて持ち歩き、寸暇を惜しんで読み進めましたもの。
ちょうど、パプアニューギニアへ出張中だったことも重なり、乗員挙げて『椰子の実』を唱うくだりには、涙がこぼれました。
時代考証、事実確認というのは、歴史小説の絶対条件です、おそらく。なまじっか第二次世界大戦という、まだまだ生き証人も大勢おられる舞台であるだけに、厳密でないことが気になる点も確かにあります。
しかし、ローレライという秘密兵器の存在自体、どうにもこうにもフィクションです。なので、ま、いっかと、私は純粋に楽しみました。
終戦のローレライ(3) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(3) (講談社文庫)より
4062750023
No.140
(5pt)

感動した!

いままで長編はすぐに飽きて途中であきらめることが多かったのですが・・この作品は4巻でも、一気によみあげてしまいました。
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.139
(5pt)

生きる力を与えてくれる小説

通常、このストーリーならば、ナーバルが日本に向かって出航するところで終わるはずである。二人の人生の旅立ちであり、新生日本の誕生の日でもあるからだ。ところが、肩透かしをくらわされた。そこでは終わらず、延々と戦後史が描かれるのである。もちろん、蛇足ではない。きちんとテーマに総括をつけてくれている。この小説は様々な側面から楽しむことができるが、まとめ方は、タイトルにふさわしく、「歌」であった。不覚ながら涙を流した。明日は特攻で死ぬ運命にあると知りながら、状況に流されるままの少年兵が、満足して死ぬまでを、この小説は力強く描いた。時代設定は60年前でも、テーマは現代に通じる。
終戦のローレライ(4) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)より
4062750031
No.138
(4pt)

「けど」を多めに感じてしまう

全4巻のストーリーは完成度も高く読みやすい、けど。
戦争の悲惨さを現代小説として伝えている、けど。
若い男女の恋愛、そして将来が物語に絡んで展開、けど。
太平洋戦争当時の日米間の緊張を描いている、けど。
新兵器により歴史に、もしを吹き込むリアリティーが、けど。
と、納得するには至らない思いがする。
多分に、「亡国のイージス」よりも時代背景が半世紀程前であることから、作品の発表も「時代順」と捕らえ、この「ローレライ」と「イージス」に共有する戦後意識が芸術的と思えるほど巧みに表現されている、と勝手に感動していた私の勘違いが、余計に厳しい目にさせてしまったのかもしれない。
しかし、それでも高く評価してしまうのは、「新兵器」と「(その時代背景の)近代兵器」を違和感無くマッチングさせた技法によるものと思う。内容には触れないが、このアナログとデジタルの境目である「新兵器」こそが、ちょうどレーダーやコンピューターへ主導権が移って行く時代を象徴しているようで、感情移入を通り越して哀愁すら覚える。
ただし、前述した「けど」は気になる。
もう少し、キャラクターに深みを持たせて欲しい。この「新兵器」がなければ、「小説で描く太平洋戦争潜水艦日誌」である。
終戦のローレライ(1) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)より
4062749661