国境の南、太陽の西

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評判

国境の南、太陽の西の評価:

4.22/5点 レビュー 233件。 B ランク

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平均点4.22pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全375件 241〜260 13/19ページ
No.135
(5pt)

人生の長さを感じる

物語の筋だけをいえば、
主人公が恋をして、恋をしながら学生が終わり、社会人になり、年をとり・・・
その間には、住む場所が変わったり、仕事が変わったり、
お金や車も、昔とは全然違っていく。
でも、10年たっても、20年たっても、40年たっても、
最初の恋を忘れない。
何度読んでも不思議な本で、人生の長さを、
そしてやはり、「人生は短い」と感じさせてくれる本。
だって1つの恋も忘れないうちに、どんどん年ばかりとっていってしまうんですから。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.134
(4pt)

村上春樹氏の作品、初読

瑞々しい文章を書かれる作家さんと聞いて、店頭で何気なく購入してみました。
その際ページをパラパラと捲って中身を軽く覗いてみたのですが、一行あたりの文章量が多く、「読むのに疲れそうだな」と思いました。
ですが、読了後の感想としましては「買って良かった」の一言です。
購入前気になっていた文章ですが実際のところ、一文一文はさっぱりとしていて余計な付属品がなく、単純に読み進めているだけで面白味がありました。他の方の言うとおり、確かに登場人物たちの会話はどこか冷静すぎて、一つの問いかけに関してまるで一週間ほど家で考えてきたような印象を受けます。が、私としては逆にそこが良かったですね。
物語については……購入される前にあれこれ言ってしまうのはどうかと思うので、少しだけ。
少なくとも二十一歳男性の私でも共感、感心するものが随所にあり、決して年齢を選ぶような作品ではないと思えます。そのあたりで購入を検討されている方にはお勧めしたい作品です。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.133
(4pt)

村上春樹氏の作品、初読

瑞々しい文章を書かれる作家さんと聞いて、店頭で何気なく購入してみました。
その際ページをパラパラと捲って中身を軽く覗いてみたのですが、一行あたりの文章量が多く、「読むのに疲れそうだな」と思いました。
ですが、読了後の感想としましては「買って良かった」の一言です。
購入前気になっていた文章ですが実際のところ、一文一文はさっぱりとしていて余計な付属品がなく、単純に読み進めているだけで面白味がありました。他の方の言うとおり、確かに登場人物たちの会話はどこか冷静すぎて、一つの問いかけに関してまるで一週間ほど家で考えてきたような印象を受けます。が、私としては逆にそこが良かったですね。
物語については……購入される前にあれこれ言ってしまうのはどうかと思うので、少しだけ。
少なくとも二十一歳男性の私でも共感、感心するものが随所にあり、決して年齢を選ぶような作品ではないと思えます。そのあたりで購入を検討されている方にはお勧めしたい作品です。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.132
(5pt)

自己増殖していくシステム

 読んでみて、この本での一番の重要人物は有紀子の父なのではないか、という気がしました。そして、彼に教わった「自己増殖していくシステム」との「僕」の闘いが描かれているように思われます。その過程で「僕」は多くの人を傷つけてしまう。そういう風に、というより、そういう風にしか「僕」は生きていけない、という点が重要なのではないか、と思いました。
 『国境の南』を聴きたくなりました。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.131
(5pt)

自己増殖していくシステム

 読んでみて、この本での一番の重要人物は有紀子の父なのではないか、という気がしました。そして、彼に教わった「自己増殖していくシステム」との「僕」の闘いが描かれているように思われます。その過程で「僕」は多くの人を傷つけてしまう。そういう風に、というより、そういう風にしか「僕」は生きていけない、という点が重要なのではないか、と思いました。
 『国境の南』を聴きたくなりました。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.130
(5pt)

「大人であること」をポジティブに書いた良作

 春樹作品の中で、最も認めている作品のひとつです。いつもと同じように内向的で欠如を抱えた主人公が、これまで出会った重要な女性達(=初恋の人、初体験の人、妻)を愛したり傷つけたりしながら、大人になってしまった自分の社会生活や家庭と向き合っていくストーリです。
 自分ひとりで煩悶し、妻に問いかけることが全くなかった主人公が、妻にそのことを指摘されてからのポジティブな感じが、他の春樹作品には余りない読み心地を生んでいます。
 「少年が大人になること」をいつも書いている作者が、一人の男が「大人であろうとすること」に焦点を当てて書いたこの作品の持つ、「救いようの無さ」と「救いの感じ」の両面性が好きです。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.129
(5pt)

「大人であること」をポジティブに書いた良作

 春樹作品の中で、最も認めている作品のひとつです。いつもと同じように内向的で欠如を抱えた主人公が、これまで出会った重要な女性達(=初恋の人、初体験の人、妻)を愛したり傷つけたりしながら、大人になってしまった自分の社会生活や家庭と向き合っていくストーリです。
 自分ひとりで煩悶し、妻に問いかけることが全くなかった主人公が、妻にそのことを指摘されてからのポジティブな感じが、他の春樹作品には余りない読み心地を生んでいます。
 「少年が大人になること」をいつも書いている作者が、一人の男が「大人であろうとすること」に焦点を当てて書いたこの作品の持つ、「救いようの無さ」と「救いの感じ」の両面性が好きです。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.128
(5pt)

実は素直な小説。桜庭一樹『私の男』と並べて読む。

桜庭一樹『私の男』(文藝春秋2007年)を読んでいて、本書の存在を
思い出した。
ずっと以前、出たばかりのときに読んだときは何だか当惑させられた。文
章そのものは、いつもの村上テイストだからどんどん読めるけど、セック
ス描写がとても多くて、辟易してしまったのだ。セックスだけが持つある
種の力が、小説の主題なのだから、描写が多いのは当然なのですが。
今回、『私の男』と並べて読んで、小説のつくりとテーマが、初読のとき
より遥かによくわかった。『私の男』は、同じ一つの部屋で、ひたすら深
く濃い関係を持つ設定で、性の深さをさぐっていく小説である(時系列を
ひっくり返すなどの仕掛けはあります)。それに対し、こちら『国境の南、
太陽の西』は、主人公の僕と島本さんの関係は、決して縦に深まっていく
わけではない。むしろ、セックスを軸に主人公のいる場所は横にどんどん
動いていく。最後の最後に、深く濃いところへ入っていこうとするのだけ
れど、それはほとんど死と隣り合うような場所である。
こうまとめてしまうと、つまらない感じですが、実作はもちろんもっと余
白に満ちていて、もちろんこんな拙い要約からは漏れてしまう広がりを
持っています。
本書は、きっと作者の村上さんの実体験・実感が小説的に変奏されている
のだと感じられました。この通りの経験が生のものとしてあったというの
ではありません(小説家という人種はそんな風には素直でない。まして村
上春樹なのだから)。言いたいのは、100%想像力で書かれたファンタ
ジーではなく、実感の裏打ちのある小説だという意味です。
だから素直な小説というのが、再読の感想です。1949年生まれの春樹
氏は、本書出版時で42歳。そのぐらいの年齢以上の人が読むと面白い小
説だと思います。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.127
(5pt)

実は素直な小説。桜庭一樹『私の男』と並べて読む。

桜庭一樹『私の男』(文藝春秋2007年)を読んでいて、本書の存在を
思い出した。
ずっと以前、出たばかりのときに読んだときは何だか当惑させられた。文
章そのものは、いつもの村上テイストだからどんどん読めるけど、セック
ス描写がとても多くて、辟易してしまったのだ。セックスだけが持つある
種の力が、小説の主題なのだから、描写が多いのは当然なのですが。
今回、『私の男』と並べて読んで、小説のつくりとテーマが、初読のとき
より遥かによくわかった。『私の男』は、同じ一つの部屋で、ひたすら深
く濃い関係を持つ設定で、性の深さをさぐっていく小説である(時系列を
ひっくり返すなどの仕掛けはあります)。それに対し、こちら『国境の南、
太陽の西』は、主人公の僕と島本さんの関係は、決して縦に深まっていく
わけではない。むしろ、セックスを軸に主人公のいる場所は横にどんどん
動いていく。最後の最後に、深く濃いところへ入っていこうとするのだけ
れど、それはほとんど死と隣り合うような場所である。
こうまとめてしまうと、つまらない感じですが、実作はもちろんもっと余
白に満ちていて、もちろんこんな拙い要約からは漏れてしまう広がりを
持っています。
本書は、きっと作者の村上さんの実体験・実感が小説的に変奏されている
のだと感じられました。この通りの経験が生のものとしてあったというの
ではありません(小説家という人種はそんな風には素直でない。まして村
上春樹なのだから)。言いたいのは、100%想像力で書かれたファンタ
ジーではなく、実感の裏打ちのある小説だという意味です。
だから素直な小説というのが、再読の感想です。1949年生まれの春樹
氏は、本書出版時で42歳。そのぐらいの年齢以上の人が読むと面白い小
説だと思います。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.126
(5pt)

読み返しをお勧めします。

10年以上前に大学生だった僕は、世間の評判と同様、まったく面白さを感じることができなかった。
先日、再度読み返してみると、この作品の面白さ、すごさを感じることができた。
この主人公と全く境遇も異なるし、不倫なんてできっこないのではあるけれど、日々の生活の空虚感や島本さんの「吸引性」など、共感するところ多く、考えさせられた。
渋谷や青山の細かい描写も学生時代と比較して、今はよく知った土地・地域となっているのも過去読んだ時と異なり、現実味が出てきている。
過去、駄作と評し全く読み返していない方へ是非お勧めします。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.125
(5pt)

読み返しをお勧めします。

10年以上前に大学生だった僕は、世間の評判と同様、まったく面白さを感じることができなかった。
先日、再度読み返してみると、この作品の面白さ、すごさを感じることができた。
この主人公と全く境遇も異なるし、不倫なんてできっこないのではあるけれど、日々の生活の空虚感や島本さんの「吸引性」など、共感するところ多く、考えさせられた。
渋谷や青山の細かい描写も学生時代と比較して、今はよく知った土地・地域となっているのも過去読んだ時と異なり、現実味が出てきている。
過去、駄作と評し全く読み返していない方へ是非お勧めします。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.124
(5pt)

大切な局面での人生の綱渡りの在り方

 私は、この「国境の南、太陽の西」が村上春樹作品の中で一番好きだ。10代の学生の頃によみ、20代、30代と思いだしたようにページを開く。10代の時には分からない主人公の心情が分かるようになってくる。
 本書主人公「はじめ」は経営者として成功をし、妻子もあり幸せな部類に属す生活をしている。しかしある日突然、小学校の頃に好きだった女性が現れ、今ある全てを捨てる覚悟を一度する。どのようの転んでもおかしくない精神状態の中で主人公は人生の選択をしなければいけなくなった。結末は本書に譲るが、大切な局面での人生の綱渡りの在り方を考える。
 この物語を読んでいると、なぜか自分の人生にあてはめて考えこむ。とても良い小説です。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.123
(5pt)

大切な局面での人生の綱渡りの在り方

 私は、この「国境の南、太陽の西」が村上春樹作品の中で一番好きだ。10代の学生の頃によみ、20代、30代と思いだしたようにページを開く。10代の時には分からない主人公の心情が分かるようになってくる。
 本書主人公「はじめ」は経営者として成功をし、妻子もあり幸せな部類に属す生活をしている。しかしある日突然、小学校の頃に好きだった女性が現れ、今ある全てを捨てる覚悟を一度する。どのようの転んでもおかしくない精神状態の中で主人公は人生の選択をしなければいけなくなった。結末は本書に譲るが、大切な局面での人生の綱渡りの在り方を考える。
 この物語を読んでいると、なぜか自分の人生にあてはめて考えこむ。とても良い小説です。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.122
(5pt)

他の作品とは好きの質が違いました。

20代の頃から(現在45才)作品を読んできましたが、この作品は若い時に読んでも、たぶん読めなったでしょう。
私は主人公の男性の感覚に共感する部分が非常に多く、島本さんに対する主人公の感情に移入してしまい切なくなりました。
人生も40才に近くなると、生活の安定と引き換えに背負うものも多くなり、時には辛く逃げ出したりなくなる瞬間があります。そんな時、自分について考え過去に関わりあった人を通じて自分を再確認したくなる瞬間があります。実行に移すかどうかは別として。そんな時、封印されていた記憶が抜け出してきて、今の自分を試します。過去の恋人やもっと早く出会うべきであった人と出会った時に。
そんな感覚を持ってしまった世代なら、この小説は特別なものとなるでしょう。
特に村上体質の人には。
けれど女性の立場として、島本さんは、男性の「妄想の対象としての理想の女性」という感が拭えませんが。そういう女性に魅かれる男性がまたいいんですけどね。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.121
(5pt)

他の作品とは好きの質が違いました。

20代の頃から(現在45才)作品を読んできましたが、この作品は若い時に読んでも、たぶん読めなったでしょう。
私は主人公の男性の感覚に共感する部分が非常に多く、島本さんに対する主人公の感情に移入してしまい切なくなりました。
人生も40才に近くなると、生活の安定と引き換えに背負うものも多くなり、時には辛く逃げ出したりなくなる瞬間があります。そんな時、自分について考え過去に関わりあった人を通じて自分を再確認したくなる瞬間があります。実行に移すかどうかは別として。そんな時、封印されていた記憶が抜け出してきて、今の自分を試します。過去の恋人やもっと早く出会うべきであった人と出会った時に。
そんな感覚を持ってしまった世代なら、この小説は特別なものとなるでしょう。
特に村上体質の人には。
けれど女性の立場として、島本さんは、男性の「妄想の対象としての理想の女性」という感が拭えませんが。そういう女性に魅かれる男性がまたいいんですけどね。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.120
(4pt)

繰り返す事で癒されていくもの

この本のテーマはノルウェイの森、ダンス・ダンス・ダンスに共通のものがある。成熟しきれない主人公は自分でそれに気付いているが、どうしたらいいのかはわからない。しかし最終的には自分の責任で自分の世界を創ることに希望を見い出していく。人生が物語のようなものと考えると、この繰り返されるテーマは作家自身が自分を癒すために書いたものなのだと解釈できる。人間は同じ話を何度もすることによって悩みや苦しみから開放されていくものだからだ。しかし、村上作品の良いところは、そうであっても決して「自分には同情しない」ことである。このクールに、しかし誠実に自分を見つめた結果、それは現代の我々と共通のもの、あるいは人間の普遍性を教えてくれるのだ。だから同じテーマを読んでも私はそこに常に新しい発見をする。村上作品が癒しになっているのはそういう理由なのだろう。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.119
(4pt)

繰り返す事で癒されていくもの

この本のテーマはノルウェイの森、ダンス・ダンス・ダンスに共通のものがある。成熟しきれない主人公は自分でそれに気付いているが、どうしたらいいのかはわからない。しかし最終的には自分の責任で自分の世界を創ることに希望を見い出していく。人生が物語のようなものと考えると、この繰り返されるテーマは作家自身が自分を癒すために書いたものなのだと解釈できる。人間は同じ話を何度もすることによって悩みや苦しみから開放されていくものだからだ。しかし、村上作品の良いところは、そうであっても決して「自分には同情しない」ことである。このクールに、しかし誠実に自分を見つめた結果、それは現代の我々と共通のもの、あるいは人間の普遍性を教えてくれるのだ。だから同じテーマを読んでも私はそこに常に新しい発見をする。村上作品が癒しになっているのはそういう理由なのだろう。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.118
(5pt)

中年男のありがちな妄想を見事に具現化

男というものは中年になっても、若い頃につきあった女性の事がいつまでも忘れられず、
今頃は不幸な人生を送ってるんじゃないかなどと勝手にクヨクヨ考えている生き物である。
本書はそんな中年男の妄想を実に見事に具現化していると思う。
普通の作家がこういう小説を書いたら、おそらく陳腐なメロドラマになってしまうのだろうが、村上氏お得意の解釈に悩むキーワードやフレーズが巧みに仕掛けられ、秀逸な芸術作品として仕上げられている。
途中で映画「カサブランカ」みたいで、ちょっと陳腐かなーと思っていたら、最後の方でピアニストが「カサブランカみてえだよ」といって、それ以来主人公の顔を見ると時々冗談で「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」を弾くところなどは結構笑えた。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.117
(5pt)

中年男のありがちな妄想を見事に具現化

男というものは中年になっても、若い頃につきあった女性の事がいつまでも忘れられず、
今頃は不幸な人生を送ってるんじゃないかなどと勝手にクヨクヨ考えている生き物である。
本書はそんな中年男の妄想を実に見事に具現化していると思う。
普通の作家がこういう小説を書いたら、おそらく陳腐なメロドラマになってしまうのだろうが、村上氏お得意の解釈に悩むキーワードやフレーズが巧みに仕掛けられ、秀逸な芸術作品として仕上げられている。
途中で映画「カサブランカ」みたいで、ちょっと陳腐かなーと思っていたら、最後の方でピアニストが「カサブランカみてえだよ」といって、それ以来主人公の顔を見ると時々冗談で「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」を弾くところなどは結構笑えた。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.116
(5pt)

本気の浮気

相思相愛の初恋が
紆余曲折を経て
ぎりぎりの妥協点で
実を結ぶお話です。
恋愛というのは
さわやかであり
もどかしくもあり
分別があり
いやったらしくもあり
情熱的でもあり
そういうのを総称して恋愛と呼ぶと思いますが
そんな感情が極限にまで描写されています。
浮気と呼ばれるものの手本みたいな感じで
やるんならここまで
パーフェクトにやらないと
誰も許してはくれないでしょうね。
気持ちも行動も含め。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817