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共犯者の終り: 裏世界ピクニック8
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共犯者の終り: 裏世界ピクニック8の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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二人の世界の話になってしまい、もうやることは殆ど残っていない気がする。 ラスボスらしき者は有耶無耶のうちに消えたし、サブキャラが増えるばかり。 | ||||
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作者がその傾向を好んでいるっぽさはしっていましたが、この巻を読んで改めて私は色々な怪異と裏世界の中で共犯者でバディからの百合っぽさ(キス込みで)のギリギリが好きであって、彼女ら的には肉体的にも繋がれてようやく、なんでしょうが私はここまでは求めていなかったんだなと改めて思いました。 作者がそういう場面生き生きと丁寧に書いているのが描写の細かさから伝わります。 なんだか終わりに近い雰囲気もありましたが、裏世界の事も中途半端なままなので続刊はあると思いますが、すみませんこのまま百合メインもしくは多めになるようだったら買うのはやめると思います。 | ||||
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7巻まではいつも通りネット・ロアを快調に使いこなして描けていたと思いますが,今巻に限っては少し攻めあぐねている印象がありますし,扱っているネット・ロア自体,少し展開が難しいものなのか,とってつけたようになっていると思います.7巻の「寺生まれのTさん」ネタは,1巻全体に見事に展開されていて痛快だっただけに少々寂しいですね. 8巻では最後に二人はついに一線を超えるのですが,そこに至るまでの展開がこれをよく準備しているとはいえないので,無理に取ってつけた印象が否めないですね.その一線の越え方も,かなり露骨に描いてしまったために,今までの二人の間にあった微妙な心の揺れが消えてしまって,これもつまらなく感じます.次の巻は,こういう心の揺れ動きが停止した状態から始まることになってしまうので,続刊をうまく書くのは相当難しくなったではないかと思います. こういうディスアドバンテージがありながら,それでも次巻でしっかり面白いものが書けるとすれば,作者様の力量はすごいものがあるでしょうね.批判的なことを書きましたが,『裏世界ピクニック』シリーズ全体としてはいまだに個人的には五つ星レベルで面白いので,作者様を応援していますし,続刊で挽回されることを期待しています. | ||||
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本シリーズを読み続けている間にいつの頃からかは分からないが「これじゃないんだよなあ」という違和感が芽生え始めた。巻を重ね、登場人物が掘り下げられれば掘り下げられるほどにその違和感は強まって明確に「俺が見たいのは百合じゃ無いんだよ」と明確な形を取る様になった。 いや、無論本作のファンに百合好きが多いのは知っているし、作者である宮澤伊織も百合を売りにして読者を引っ張っていこうとしている事も分かっている。でもやっぱり本音を言わせて貰えば自分が本シリーズに、何となれば宮澤伊織という作家に求めているのは百合じゃない。 ……が、困った事にこの8巻は見事なまでに百合一色なのである。 物語の方は6月6日の鳥子の誕生日を前に「二人でゆっくり過ごしたい」という希望に沿うべく空魚が準備を進めている場面から始まる。ホテルでのディナーの後に部屋など取ろうものなら勘違いされる事間違いなしで、プレゼントを用意しようにも何も思い付かず当日を迎えてしまった空魚は結局直接鳥子に希望を尋ねる事に。 結局良さげな居酒屋で飲食を共にした空魚に対し、鳥子は「私、空魚が好き」と言わずもがなの事を口にするが「知ってるよ」と答えた空魚に対し「じゃあ、空魚は?」とダイレクトに問うてくる。返答に困る空魚に対し一週間の猶予を与えるからその間は連絡も取らないと言い残して去っていく鳥子。 鳥子に対する自分の想いはどうなのか、鳥子の問いにどう答えるべきなのか思い悩んだ空魚は数少ない知り合いに訪ねて回る事になるが、DS研で辻と名乗る裏世界の遺物を専門とする研究者と話をした帰り道で暗い路地の街灯の下、背中を向けて蹲る鳥子らしき姿を目にし…… もうね、本当に頭からケツまで百合一色。ダイレクトに「好き」という感情をぶつけてくる鳥子に対し、自分は鳥子に対してどんな感情を持っているのか、自分と鳥子の関係はどうあるべきなのかと思い悩む空魚の姿を描く、それ以外の要素は殆ど無いに等しい。こう書くと「百合がちょっと多過ぎるんだよ」と思っている自分の様な読者はお呼びで無いように聞こえるかもしれないが……これが割と楽しめたのだから意外。 物語の方は「空魚は自分の事をどう思ってるの?」という問いだけを残して一旦距離を置いた鳥子のいない時間を描いているのだけど、これまでになく鳥子の事を強く意識した、いや意識し過ぎてしまった空魚の前に「鳥子の姿をした怪異」が次から次に現れる流れに。 百合はそんなに求めていないという本音は微塵も揺らいではいないが、それが怪異として現れるというのであれば話は別。今回は裏世界が鳥子の事を強く想わざるを得なくなった空魚の意識を感知したかの如く「鳥子攻め」とでも称するべきアプローチを見せてくる。 鳥子=美人=整った顔立ちというイメージをこれまで散々に強調してきたからこそその美しさが崩れた時の恐怖はひとしおであるし、鳥子=空魚にぞっこんというキャラクター像を積み重ねて来たからこそ鳥子からの空魚に対する一撃というのはショッキングなものとなる。百合同様に「宮澤伊織作品にキャラクター性は求めていない」というのも譲れない部分ではあるのだが、自分が知らないうちに鳥子のキャラクターを受容していたのだなと改めて気づかされ驚いた次第。 百合やキャラクター性の様なウェットで人間臭い要素ではなく、人間の理解を超えた怪異とそのビジュアル的イメージを堪能したいと願う読者としては今回も「1,2巻の頃に比べたら怪異の登場回数が少なすぎる」「怪異のビジュアル的強烈さも『神々の歩法』に比べたら小さい」「空魚が知り合いと交わす女子トークとか誰得?」と不平たらたらではあるんだが、それでもここぞというタイミングで仕掛けてくる作者の巧さは堪能できた。 何よりクライマックスで描かれる空魚と鳥子の×××がビジュアル的イメージとしては中々に強烈で、人の根源的営みとしては異例ずくめの描写になっていたのには大歓喜。自分が身にまとっているモノを全て脱ぎ捨てる……それは衣服だけでなく自意識みたいなものも全てかなぐり捨て無きゃならないという部分に至る×××の本質みたいなものが人間の肉体イメージとはズレた次元で展開されるので思わず「おおお!」と、仰け反ってしまう事に。 全てを脱ぎ捨てた空魚が鳥子と出会う場面はなんだか「幻想の未来」のクライマックスで描かれた海と陸の出会いすらも連想させるほどの強烈さ。ネットロアをベースとしたものが多い本作の怪異とは方向性の違ったビジュアル的イメージが楽しめるとは思わなかった。 裏世界に潜る場面は相変わらず少ないし、そもそも1,2巻の頃から比べるとキャラクター性を強調した分一話あたりが間延びしている感も否定できないから「これは俺が求めている方向性じゃない」という意見を曲げるつもりは無いのだけれども、それでも「次こそは」と期待してしまう程度には堪能させて貰った。 楽しんでおいて贅沢ぬかすなと他のファンの方からは怒られてしまうかもしれないが、それでも自分は宮澤伊織の展開するビジュアル的な強烈さを求めて次巻も買ってしまうのだろうなあと苦笑せざるを得ない。 | ||||
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今回は話が短いです。また裏世界との関わりがないわけではないですが、 鳥子との関係に悩む空魚の話がメインで、恋愛に未成熟な人間が感じる恋愛の話という感じです。 二人が手と目が特殊で、裏世界との関わりがあるために、本来なら心の働きだけで終わる抽象的な部分が、具象化しており、オカルトと恋愛の混合なところがあります。 こういうところはSFかオカルトかわからない感じで、ハヤカワらしい作品です。 二人の関係やこれからについて気になっていたの、一区切りの今回そのものは興味深く読めました。 また空魚に変化や今回のことで、他の人間との関わりや生活が変化するかも知れず、もし描くなら「事件」としては次の新しい話になるのでしょう。 ある意味、外伝なりにして、るなとか別の主人公にして、新シリーズにしたほうが、物語としては描けそうな気もします。 | ||||
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