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大盗の夜
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大盗の夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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著者の京都を舞台にしたシリーズの中で、これは陰陽師をテーマとしたものです。時代は江戸です。江戸時代には陰陽師というのは占いを業とする易者に実際は変貌していたようで、この占い師たちを組織化していたネットワークの一部を管理していた人物が主人公として仮託されています。この辺の事実関係や背景は、著者の解釈への同意、不同意は別として、これまで知ることのなかった世界で、興味深いものです。ただもはや江戸期を舞台として、詩的に美的世界を描くことはもはや無理なようで、ストーリーの発端は別として、その展開と結末は他の京都シリーズと同じようにいつもながら俗なものです。「易者は将来を占う、そしてその占いのその後の結末をたどる」というフォーマットは通常の謎解きの仕組みとは根本的に違っており、ある意味では結論はおぼろげながら物語の最初に提示されてしまうわけです。となると後はディテールの面白さが鍵となります。そういう意味では、本書でも、京都の様々な地名や町名が細かく描かれており、京都の在住者にはもっと身近に感じるのかもしれません。初出は2001年というわけで、これは「高瀬舟シリーズ」や「祇園社シリーズ」とほぼ同時代に書き進められていたものなんですね。 | ||||
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かなり面白かったです。こう土御門家・陰陽事件簿という題名にそそられて読んだのは認めます。けれどこうちょっと違う。思い描いている陰陽師とは違います。これが本当なんだろうな~って(笑)。 京都の町が細かく描かれていて、ああ、あそこだなって思いながらが楽しい。平九郎のたどった道を歩いて見たくなる(笑)。そんなことを考えられるのも京都だからでしょうが。 時代ものなんだけれど、そんなことはあまり意識しないで読めます。不思議だなと思うことがあって、それを唯の不思議に終わらせない。事の真相を探りにいく。これが面白い。けっこう意表をつかれたりもします。 占い師というのも一種の情報機関になっていて、現在よりも人が身近に感じます。 連作集で、表題の大盗の夜も「わかるよ」っていいたくなったり、その切ない気持ちがとても印象的でした。一気によんでしまいました。 | ||||
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着眼点に脱帽。 夢枕漠さんの作品で有名になった陰陽師、その弟子、子孫たちが数百年も後も続き、継承していたとは。 阿部晴明が、貴族中心の顧客を抱えていたのとは正反対に、今作は市井の不可解な出来事に介入していく陰陽師、笠原平九郎が主人公。 呪術的要素は少なく、とっかかりは不思議な出来事からなのだが、それが現実的な人の欲に起因するものとわかり、捕り物へとつながっていく。 陰陽師が解決するとはいえ、中身は現実的な物語だと思う。 | ||||
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