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深い河



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【この小説が収録されている参考書籍】
深い河 (講談社文庫)

深い河の評価: 4.32/5点 レビュー 166件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全142件 21~40 2/8ページ
No.122:
(5pt)

読みやすかったです

友人に勧められましたが、遠藤周作先生の本と思い、身構えましたが、そんなことはなく、読みやすく、そして深く、興味深い本でした。これから、何度も読み返すでしょう。面白かったです。
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No.121:
(5pt)

遠藤周作、命を懸けた遺言的作品

信仰者としての自己の苦悩、問題意識を複数の登場人物の姿に投影して深く抉り出し、普遍的な神の存在を描きだしている。ヨーロッパ的な信仰理解に対し、アジア人、日本人の一人としての信仰理解について問題提起をしつつ、その理解をインドの旅、ガンジス河とのかかわりの中から再度自己の信仰を振り返った素晴らしい作品である。
 人として、ぜひ読んでおくべき書籍の一つに値すると考える。
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No.120:
(4pt)

共感する

様々な宗教の中で一番に信じれるのはキリスト教であると思う。一方日本に古来から受け継がれている神とは何だろうという疑問が払しょくできないでいたが、作者が言わんとしていることに触れて大変共感している。
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No.119:
(5pt)

出会えて良かったと思う本でした。

テレビの番組でこの本をしりました。本当にこの本に出会えてよかったと思い
ます。けして明るい気持ちにはなりませんが、生きるということを深く考える事を導かれる時間をもらいました。お勧めしたいです。
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No.118:
(4pt)

変わらず良いものは良いです

昔から読んでましたが、改めて読んでみると、ハマりました。やはり、良いものは良いですね。
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No.117:
(4pt)

面白い

面白い
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No.116:
(5pt)

すべての、川は、海に、いく

遠藤周作という、作家の、たどり着いた信仰の行方、人としての愛とは、胸に、静かに、伝わる作品
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4062632578
No.115:
(5pt)

心を浄化される小説

やり場のない喪失感に苛まれている。そんな時に心を浄化してくれる小説です。

この小説が発表されたは1996年です。当時まだ学生だった私にとって、遠藤周作は、そのキリスト教信仰に基づいた物語が縁遠いものに思われて、食わず嫌いの作家でした。

そこから二十数年経ち、人生の山と谷を多少は経験し、この小説のメッセージに共感できる年齢になりました。出会いと別れを経験するほどにこの小説は心に響くのでしょう。

登場人物たちは皆、逃げたい現実や生き苦しさをそれぞれの心に秘めています。と同時に、これから先の人生に何か意味を見出したいというささやかな希望を持ち、自分なりの答えを探しています。そんな人達がインドへのツアー旅行を通じて邂逅。全てを包み込み流し去る「母なる」ガンジス川のほとりでそれぞれの答えを見つけるのです。

人生に迷ったときにじっくりと読み返したい小説です。
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No.114:
(4pt)

答えは自分の中にしかない

宗教の垣根を超えて、私たちにとって「神」とは何かを問い続けるもの。
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No.113:
(5pt)

人はどうして現実を超えたものを求めるのだろうか

人はどうして現実を超えたものを求めるのだろうか。理解を超えたものを知りたいと思うのだろうか。あるのかないのかもわからないものを確かめたくなるのだろうか。どうしても白黒をつけたい。それは自分も同じなのだ。

 メインとなる登場人物はそれぞれが悲しみを抱えてインド旅行に参加する。悲しみや苦しみを比較することは出来ない。それぞれなのだ。自分は美津子だと感じた。神から大津を奪ってみせるという考えをもった美津子なんだ。蔑みながら大津を追い続ける美津子。確かめずにはいられない。ひとりひとりのエピソードが、書かれている言葉以上のものを深く感じさせるのだけど、自分は断然美津子が気になったのだ。

 ガンジス河がすべてを包み込む。生老病死を。ここにたどりついて死にたいという人々。屍体が浮き、灰が流され、その横で生活が営まれる。この河の存在を見ることで、仏教の生きたルーツ、人間の伝えようとした大事なことを感じられる様な気がした。

 著者はキリスト教徒。自分は真宗。宗教という観点からは同じく見ることが出来る。登場人物の大津はキリスト教徒で神父になるためフランスに留学までしながら、日本的汎神論を棄てることができずにキリスト教の世界を出て、インドへと。ガンジス河にたどり着く前に力尽きたアウトカーストの人々をその場へ連れて行き火葬する。

 自分は宗教は最後たどり着くところは同じだとは「いえ」ない。それは検証することはできないから。ただひとつ思うのは、人間が「求める」ことは同じかもしれない。登場人物はそれぞれがちがうものを求めている。だけれども、それは自分が納得したいなにかなのだ。そうだとうなずけるもの。そしてそれはニセモノではない。本物でないといけないのだ。うなずけるほんものがほしい。

 本人が意識するしないにかかわらず、自分を超えるものを求める瞬間を見せられる。自分の心も痛むし、揺さぶられるし、緊張の中でどういうことか自分のなかで答えがでないままストーリーが進み、そして小説は終わる。ただ読んでいる自分の前で消えた感じがする。その続きは紙の上じゃないところでまだ続いている。自分の中で続いている。
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No.112:
(5pt)

20年ぶりの再読

大学時代に、何気なく手にして読んで以来の再読。若い時にはあまり深く読めていなかったが、今は歳を重ねたせいなのか、日本人にとってのキリスト教という観点から感慨深く読めている。
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No.111:
(5pt)

宗教観以外も読み応えあり

ジョンヒックの宗教多元論からの関連で読んだが、宗教観とプロットもさることながら、叙景叙情描写における数々の種類の対比によるコントラストを使った、人間が確たる生の実感を得るとはこう言うことだと言う具体描写が素敵でした。具体的体感と空虚観を時系列と並行時間の両方ならべているのが、リアリティと親近感を感じるところでもありました。
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No.110:
(5pt)

遠藤周作の最高傑作

遠藤周作の最高傑作だと思います。読み終わると、まるで一本の映画を観終わった感覚。
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No.109:
(5pt)

クリスチャンの著者が「信仰」について深く斬りこんだ小説

それぞれの理由でガンジス川を目指す日本人と、それぞれの立場からの信仰について描かれる小説。
妻に先立たれた人が妻の生まれ変わり追い求め、本当に人を愛したことのない女性がかつて弄んだ敬虔なクリスチャン男性に自分にはない何かがあると探しに、インパール作戦を生き残った元兵士の贖罪に、それぞれが信仰に対する想いを持ちながらインドへと向かう。信仰の功だけでなく罪といったどの時代にも通じる普遍的なテーマが投げかけられる。
この小説はクリスチャンの間では物議を醸したらしいが、著者が決して自身の信仰を妄信せず、多面的に宗教について考えようとする姿勢がわかるため、信仰を持たない人にもお薦めできる。
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No.108:
(5pt)

全ての人の痛苦と悲しみを包み流れる深い河

美貌と才智と富に恵まれながら虚無感と孤独感を抱える美津子、愛する妻の死に輪廻転生を模索する磯辺、瀕死の病床で自分の身代わりのように死んでいった九官鳥を思う沼田、ビルマ戦線の極限下の罪悪感に苛まれて死んだ戦友の供養を願う木口。
 それぞれの心に重荷を抱えてインド旅行に参加した人々の物語が、曼荼羅のように響き合い、河の流れのように悠揚と進行する。

 美津子はそこで、墓場で人々の痛苦と悲しみを背負い萎びた乳房から人間に乳を与えるチャーナンダー女神像や、かつて自分が捨てた大津が、神父になったにも関わらずヒンズー教徒のアーシュラムに住み行き倒れた人々を背負ってガンジス川に運ぶ姿に出会う。

 そして美津子はガンジス川に全身を浸し、
「でもわたくしは、人間の河のあることを知ったわ」とつぶやく。
 いつしか彼女は、
「信じられるのは、それぞれの人が、それぞれの辛さを背負って、この深い河で祈っている光景です。その人たちを包んで、河が流れていることです」と、祈りのような言葉を捧げていた。
 虚無、孤独、罪、悲しみ、病苦それぞれの重荷を抱えてガンジス川で祈る人々の「人間の河」。
 その時美津子は、眼前のガンジス川の流れの彼方に、世界のさまざまな所、さまざまな状況で、それぞれの辛さを背負って、無数の人々が祈り続けている光景・・・目に見えない大きな「人間の河」が、この世界にあること・・・それを発見したのではないだろうか。
 キリスト教や仏教やヒンズー教の違いを越えて、人生の悲しみや痛苦の中で祈りを捧げる世界中の人々の、目に見えない大きな河。
「そのなかに、わたくしもまじっています」と、美津子は言う。
 そして、
「(信じられるのは)、その人たちを包んで、河が流れていることです」
 時間と空間を越えて、人々を包んで流れて続けている、「深い河」。
 それは、
「何か大きな永遠のものかもしれなかった」

 やがてガンジス川は、磯辺、沼田、木口にもそれぞれの形で、人生の深い出会いをもたらす。
 終盤では旅行客達、インドの人々、大津の人生が絡み合い、大きく展開し、激流となって結末に流れ込む。

 遠藤周作が晩年に渾身の力を込めて指し示し、自分の後に生きる人々に託そうとした思いがひしひしと伝わってくる名作である。

 (蛇足を言えば、ヒンズー教の女神像はこの作品に出てくる悲痛な女神像ばかりではない。現代のヒンズー教徒の家々に飾られている女神の画像は色彩鮮やかで美しく、ヒンズー教のお祭りは朗らかで楽しい。ヒンズー教は現代も、人々の生活に根ざして親しまれ、生きているのだ。
「玉ねぎ(永遠なるもの)がヨーロッパの基督教だけでなくヒンズー教のなかにも、仏教のなかにも、生きておられると思うからです」という大津の言葉に深く共感する。)
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No.107:
(4pt)

結局「善」なのか…

いい小説でした。一気に読みました。色々考えさせられました。描写も美しく、表現に深みもあり、さすがだなと思います。ただ、これはあくまで私の未熟さゆえだと思いますが、結局「善」を押し付けられるようにも感じます。作品中で大津は「悪の中に善があり、善の中に悪がある」と言いますが、美津子に棄てられた後の大津は「善」そのものじゃありませんか。それがキリスト教の教科書的な善からはかけ離れていても。美津子が虚しさの更に奥にあるものを探しても、結局見つめているのはキリストを模範に生きる大津です。この本のモチーフは全てを受け入れる深い河ですが、結局キリスト以外は受け入れられていない気がします。最後の修道女達の「それしか知らない」という言葉にも息苦しさを覚えました。遠藤周作の汎神論的な考え方には共感を覚えますし、堅い二元論的なキリスト教に疑問を抱くことにも共感するのですが、最終的に「全ての人間の苦しみを引き受けたボロボロのキリスト」というイメージには疲れを覚えました。とはいえ、大津はやはり幸せなのだと思います。あの生き方は彼の運命なのでしょう。だから、大津の生き方を引き受けるようなキリストの存在が多くの人々にとって救いになるのは理解できます。あくまで私個人の感想です。
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No.106:
(5pt)

考える事がたくさんあります。

ありがとうございました。
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4062632578
No.105:
(5pt)

遠藤周作さんのラストメッセージ

若い時から遠藤周作さんのエッセイを読んだり、出演されているテレビを見たりしていた私でしたが、あまり馴染みのないキリスト教のお話がよく理解出来ませんでした。
それでも、あたたかい方だな、とずっと気になる方ではありました。

遠藤さんも亡くなられ、若かった私も50になり、縁あってテレビでこの本を知りました。

手を尽くして取り寄せ、一気に読みました。
まるで導かれたように。

『神に至る道はひとつではない。』

不器用に生きる登場人物たち。
ひとりひとりが抱える苦しみや哀しみ。
そのなかでそれぞれが懸命に生きている。

どこにも属していなくとも、信心深く生きることはできる。
「その日」が来るまで精いっぱい生きよう。

ラストメッセージ、確かに受け取りました。
ありがとうございました。
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4062632578
No.104:
(5pt)

復活とは、転生とは、神とは、たとえば

登場人物のひとり大津は、「日本人の心にあう基督教を考えたいんです」と言いますが、これは、遠藤周作さん自身も同じようなことを言っています。けれども、ふたりは、キリスト教を日本人向けにしたのではなく、むしろ、世界のどんな人間にも通じるものをキリスト教から絞り出したのではないでしょうか。

 「あの樹が言ったの。命は決して消えないって」

 「わたくし……必ず……生まれ変わるから、この世界の何処かに。探して……わたくしを見つけて……約束よ、約束よ」

 「玉ねぎ(神、あるいはイエスのこと=引用者注)はある場所で棄てられたぼくをいつの間にか別の場所で生かしてくれました」

 「玉ねぎは彼らの心のなかに生きつづけました。玉ねぎは死にました。でも弟子たちのなかに転生したのです」

 「玉ねぎは今、あなたの前にいるこのぼくのなかにも生きているんですから」

 「あの方(イエスのこと=引用者注)はエルサレムで刑にあった後、色々な国を放浪しておられるのです。今でさえも。色々な国、ですが。たとえば印度、ベトナム、中国、韓国、台湾」
 
 「少なくとも奥さまは磯部さんのなかに」「確かに転生していらっしゃいます」
 「彼(イエスのこと=引用者注)は他の人間のなかに転生した。二千年ちかい歳月の後も、今の修道女たちのなかに転生し、大津の中に転生した」

 これらの言葉は、新約聖書がイエスの復活と語っていることを、あるいは、「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」という一節を、さらには、他の宗教が転生と語ることを、どんな宗教の人にも、あるいは、宗教を持たない人にも、伝えようとしているのではないでしょうか。

 神についても、本書ではおなじ試みがなされています。

 「それは人間のなかにあって、しかも人間を包み、樹を包み、草花をも包む、あの大きな命です」
 「信じられるのは、それぞれの人が、それぞれの辛さを背負って、深い河で祈っているこの光景です」
 「その人たちを包んで、河が流れていることです。人間の河。人間の深い河の悲しみ。そのなかにわたくしもまじっています」

 インドのその河は、誰をも何をも、すべてを受け入れます。

 「ぼくが神を棄てようとしても……神はぼくを棄てないのです」
 「おいで、私はお前と同じように捨てられた。だから私だけは決して、お前を棄てない、という声を」

 「日本人にとってキリスト教とは何か: 遠藤周作『深い河』から考える」という本で、若松英輔さんが遠藤周作さんを読み解いていますが、ぎゃくに、「深い河」では遠藤さんが若松さんを語っているようにも思えます。「深い河」は小説であり、若松さんの名前は出てきませんし、若松さんの出版活動が始まるずっと前の作品なのですが。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
4062632578
No.103:
(5pt)

宗教の矛盾、救いとは?

インドのガンジス川であらゆる過去を持つ人々が交差する。好きなタイプな小説と思い手に取ったが、大正解だった。

後悔や懺悔、悲しみを背負った登場人物が救いを求めている中で、ひとり信仰心を持たない美津子が、物語を牽引している。
宗教の混沌とした矛盾そのものが、世界に争いや災いももたらしているわけで、なぜそこから脱げ出さないのかと説得する美津子こそ常識的に考えると正論な訳だけど、やはり人は後悔や懺悔、悲しみを乗り越えるためには、説明のつかない矛盾に満ちた探求や試行錯誤を経なければ救いの境地に辿り着けないということだろう。

たとえそれが救いのない結末であったとしても、それを認め、受け入れるのがガンジス川に象徴されるなにかであろう。
それをひとは神と呼んだり、たまねぎと呼んだり、もしくは愛と呼ぶ人もいるでしょう。

遠藤周作はちょっと重そうで避けて通って来たけど、普遍的なテーマなのかとても現代の心にも馴染み良い素晴らしい作品でした。
深い河 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:深い河 (講談社文庫)より
4062632578

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