海と毒薬
評判
海と毒薬の評価:
4.31/5点 レビュー 96件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全96件 81〜96 5/5ページ
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海と毒薬の評価:
4.31/5点 レビュー 96件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
これは人体実験というあるまじき行為を糾弾する話ではない。
その人体実験に関わった人間の心模様を通して、
罪とは何か、日本人という人種の呵責の根源とは何なのかという、
意識の所在にスポットを当てた作品である。
我々の社会は罪刑法定主義社会。
確固とした法定刑がなければ、どんなことをしても罪にはならない。
裏を返せば人間社会というものは、刑罰への恐怖や痛み苦しみ、
広くは世間の目や世間の非難などに晒される苦痛などがなければ、
どんな醜悪な事でも平気で行えてしまう残虐性があり、
社会としての秩序も保てないということだ。
殊更日本人は、無宗教無信心であることが正しいことであり、
新興宗教の怪しさの類いですべてを捉え、心の骨子さえ無くしている。
呵責の念というものも、行為自体に目を向けたものではなく、
定型化された社会のルールにはみ出し、
この社会で自分という人間が生きづらくなってしまったという後悔に他ならない。
ニーチェもこう書いている。
「道徳的なふるまいをする人が、本当に道徳的であるとは限らない。
世間体の為だけに、単に従っているだけかもしれない。」と。
海と毒薬は正にその言葉を小説として描き、
神無き人種、日本人の無感動と不気味さを見事に表現した。
遠藤周作というクリスチャンは今、
空からこの国をどの様に見つめ、どの様に思っているだろうか・・・