新しい人よ眼ざめよ

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新しい人よ眼ざめよの評価:

4.10/5点 レビュー 20件。 C ランク

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平均点4.10pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全45件 21〜40 2/3ページ
No.25
(5pt)

良かったよ

内容は難しかったけど、お腹いっぱいにはなった。つまりとても良かったと思う。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.24
(5pt)

難所を越えるときの助けに

大江健三郎の作品で初めに読み、三回読んだ。再読・三読させるだけのものがある。ブレイクの作品は、主人公が難所を越えるときの支えになった・・・というあたりは、きづきあきら+サトウナンキのまんが作品『いちごの学校』とも、あわせて読まれるとよいかもしれない。

 正直なところ、どうしてここまでこの作品に自分がひきつけられるのか、わかってはいない。しかも、この作品中の父親(主人公)がブレイクの作品に支えられるのと同じようなはたらきすら、僕にこの作品は及ぼした。つまりピンチを切り抜ける助けとなったのである。
(わからないながらもこの作品のしくみをいくらか記してみます。)
(1)父親(主人公)の不在・帰還(2)息子の出生時の手術(3)水難(4)禍々しい夢・風雨の中避暑地へ(5)音楽劇(6)誘拐事件(7)息子の不在・帰還
と、七つの連作それぞれに山場(?)がある。主人公や家族にとっての危機が訪れる。緊迫感をもって描かれる。また危機はなんらかのしかたで解消される。第七章にあたる作品で、息子さんはあだ名(『クマのプーさん』からとられたらしい)を卒業する。これは『個人的な体験』のラストで主人公が(父親になることを引き受けることで)あだ名を卒業するのと同じ形である。また第一章にあたる作品と第七章=終章にあたる部分は上に記したように形は似ており、まとまりはよい。

 家族間ですら息子さんとコミュニケーションをとる=架橋するのは時にしんどい。心をくめず、苦しむ。むしろそのことは大事なテーマとなっている。
 
 第五章にあたる「魂が星のように降って、あし骨のところへ」から読むのは、ここは(上に記したように)音楽劇を描いていて読後感がよいので、ありかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.23
(5pt)

難所を越えるときの助けに

大江健三郎の作品で初めに読み、三回読んだ。再読・三読させるだけのものがある。ブレイクの作品は、主人公が難所を越えるときの支えになった・・・というあたりは、きづきあきら+サトウナンキのまんが作品『いちごの学校』とも、あわせて読まれるとよいかもしれない。

 正直なところ、どうしてここまでこの作品に自分がひきつけられるのか、わかってはいない。しかも、この作品中の父親(主人公)がブレイクの作品に支えられるのと同じようなはたらきすら、僕にこの作品は及ぼした。つまりピンチを切り抜ける助けとなったのである。
(わからないながらもこの作品のしくみをいくらか記してみます。)
(1)父親(主人公)の不在・帰還(2)息子の出生時の手術(3)水難(4)禍々しい夢・風雨の中避暑地へ(5)音楽劇(6)誘拐事件(7)息子の不在・帰還
と、七つの連作それぞれに山場(?)がある。主人公や家族にとっての危機が訪れる。緊迫感をもって描かれる。また危機はなんらかのしかたで解消される。第七章にあたる作品で、息子さんはあだ名(『クマのプーさん』からとられたらしい)を卒業する。これは『個人的な体験』のラストで主人公が(父親になることを引き受けることで)あだ名を卒業するのと同じ形である。また第一章にあたる作品と第七章=終章にあたる部分は上に記したように形は似ており、まとまりはよい。

 家族間ですら息子さんとコミュニケーションをとる=架橋するのは時にしんどい。心をくめず、苦しむ。むしろそのことは大事なテーマとなっている。
 
 第五章にあたる「魂が星のように降って、あし骨のところへ」から読むのは、ここは(上に記したように)音楽劇を描いていて読後感がよいので、ありかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.22
(5pt)

難所を越えるときの助けに

大江健三郎の作品で初めに読み、三回読んだ。再読・三読させるだけのものがある。ブレイクの作品は、主人公が難所を越えるときの支えになった・・・というあたりは、きづきあきら+サトウナンキのまんが作品『いちごの学校』とも、あわせて読まれるとよいかもしれない。

 正直なところ、どうしてここまでこの作品に自分がひきつけられるのか、わかってはいない。しかも、この作品中の父親(主人公)がブレイクの作品に支えられるのと同じようなはたらきすら、僕にこの作品は及ぼした。つまりピンチを切り抜ける助けとなったのである。
(わからないながらもこの作品のしくみをいくらか記してみます。)
(1)父親(主人公)の不在・帰還(2)息子の出生時の手術(3)水難(4)禍々しい夢・風雨の中避暑地へ(5)音楽劇(6)誘拐事件(7)息子の不在・帰還
と、七つの連作それぞれに山場(?)がある。主人公や家族にとっての危機が訪れる。緊迫感をもって描かれる。また危機はなんらかのしかたで解消される。第七章にあたる作品で、息子さんはあだ名(『クマのプーさん』からとられたらしい)を卒業する。これは『個人的な体験』のラストで主人公が(父親になることを引き受けることで)あだ名を卒業するのと同じ形である。また第一章にあたる作品と第七章=終章にあたる部分は上に記したように形は似ており、まとまりはよい。

 家族間ですら息子さんとコミュニケーションをとる=架橋するのは時にしんどい。心をくめず、苦しむ。むしろそのことは大事なテーマとなっている。
 
 第五章にあたる「魂が星のように降って、あし骨のところへ」から読むのは、ここは(上に記したように)音楽劇を描いていて読後感がよいので、ありかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.21
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
しかし、この文芸文庫は値段は割高ですが、この作品のように古本で旧文庫が容易に入手できるものなんかは解説や年譜というオプションを付けたり、文庫になったことすら知らなかったりしたものを出してくれたりとなかなか重宝します。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.20
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
しかし、この文芸文庫は値段は割高ですが、この作品のように古本で旧文庫が容易に入手できるものなんかは解説や年譜というオプションを付けたり、文庫になったことすら知らなかったりしたものを出してくれたりとなかなか重宝します。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.19
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
しかし、この文芸文庫は値段は割高ですが、この作品のように古本で旧文庫が容易に入手できるものなんかは解説や年譜というオプションを付けたり、文庫になったことすら知らなかったりしたものを出してくれたりとなかなか重宝します。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.18
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.17
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.16
(4pt)

買いです。

ブレイクの詩を軸に障害を持った息子との共生、再生を描いた作品です。という説明をしてしまうと、氏のどの作品の説明をしているのか判然としないような気がしますが、初めて読んだのが「文学界」等に発表されて間もなく単行本にまとめられた時で、当時高校生だった僕は本書を手に、なにか自分が偉くなったような錯覚に浸った覚えがあります。氏の作品はこの数年後の「懐かしい年への手紙」以降急激に興味を失って読まなくなってしまうのですが、それを僕はこのあたりを境に喩えは適当かわかりませんが、氏の文体が急に物分りがよくなってつまらなくなってしまったことが原因だと思っているので、そういう意味ではデビュー以来、たえず深化を遂げていた氏の文体が最後のピークにあった時期の作品でもあるようにも思います。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.15
(5pt)

日常を生きる

勿論この作品は作家の私生活がある程度素材にはなっているだろうが、それを読む時に過剰に考慮に入れるのは、せっかくの読書を矮小化しはしないか。
この作品は、ある意味では大江とブレイクの共作であると言える。前者が書くのは家族との日常や登場人物の些細な行動、何気ない言葉であり、後者が書くのは幻視によって直感的に捉え得た宗教的・神話的世界だ。一見接点の無さそうな両者だが、大江はそれを作品の中で見事に結び付けている。それは、たとえ何の変哲もない日常生活であろうが、荘厳な超現実的世界であろうが、そこで「生きる」ことには何の違いもない、と大江が考えているからではないだろうか。ブレイクがシリアスな分だけ、イーヨーもシリアスであり、逆にイーヨーがファニーな分だけブレイクもファニーである。美しい傑作。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.14
(5pt)

日常を生きる

勿論この作品は作家の私生活がある程度素材にはなっているだろうが、それを読む時に過剰に考慮に入れるのは、せっかくの読書を矮小化しはしないか。
この作品は、ある意味では大江とブレイクの共作であると言える。前者が書くのは家族との日常や登場人物の些細な行動、何気ない言葉であり、後者が書くのは幻視によって直感的に捉え得た宗教的・神話的世界だ。一見接点の無さそうな両者だが、大江はそれを作品の中で見事に結び付けている。それは、たとえ何の変哲もない日常生活であろうが、荘厳な超現実的世界であろうが、そこで「生きる」ことには何の違いもない、と大江が考えているからではないだろうか。ブレイクがシリアスな分だけ、イーヨーもシリアスであり、逆にイーヨーがファニーな分だけブレイクもファニーである。美しい傑作。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.13
(5pt)

日常を生きる

勿論この作品は作家の私生活がある程度素材にはなっているだろうが、それを読む時に過剰に考慮に入れるのは、せっかくの読書を矮小化しはしないか。
この作品は、ある意味では大江とブレイクの共作であると言える。前者が書くのは家族との日常や登場人物の些細な行動、何気ない言葉であり、後者が書くのは幻視によって直感的に捉え得た宗教的・神話的世界だ。一見接点の無さそうな両者だが、大江はそれを作品の中で見事に結び付けている。それは、たとえ何の変哲もない日常生活であろうが、荘厳な超現実的世界であろうが、そこで「生きる」ことには何の違いもない、と大江が考えているからではないだろうか。ブレイクがシリアスな分だけ、イーヨーもシリアスであり、逆にイーヨーがファニーな分だけブレイクもファニーである。美しい傑作。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.12
(5pt)

希望

ご存知の通り、著者には障害を持った息子さんがいらっしゃいます。
そして、その息子さんとの関わりを題材に小説を書いておられます。
この本もそういう本です。
語り手の僕は、息子イーヨーと自らを一体のものとしてとらえてきた。
ところが、ヨーロッパ旅行を終えて帰ってきてみると、そんな息子が「パパは死んでしましました!」と叫び、暴力的な態度をとる。
ここに、僕は新たな危機の到来を予感し、それを乗り越えるためにブレイクを読み、今までの人生をとらえなおして、小説を書き綴ってゆく。
その危機とは、僕自身の死である。
僕が死んだ後、イーヨーは一人取り残され、生きてゆかねばならない。
イーヨーは生きてゆけるのだろうか。
ある日、内に秘めている暴力、性欲を解き放った結果、憎まれ、殺されるのではないか。
僕はそのような恐怖にとらわれるが、それは同時に、少年時に父親を失った僕自身の恐怖でもある。
このような恐れの克服の過程は、一言では言い表せないが、最後にイーヨーは、父親から独立した一人の人間として、「新しい人」として現れてくる。
そして、イーヨーは決して一人ではなく、同じく「新しい人」である弟とともに確実に、強く生きてゆくであろうことがはっきりと伝わってくる。
僕はそれを感じ取った瞬間に、自らが死んだとしても、息子たちが生きることによって、また、自分も一人の「新しい人」として再生しうることを知り、死へ立ち向かう勇気を得る。
難しい小説で、正直なところ、よく分からない部分も多々あったけれど、それでも、読み終わった瞬間に希望が、光り輝くような希望が、胸に満ち溢れるようでした。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.11
(5pt)

希望

ご存知の通り、著者には障害を持った息子さんがいらっしゃいます。
そして、その息子さんとの関わりを題材に小説を書いておられます。
この本もそういう本です。
語り手の僕は、息子イーヨーと自らを一体のものとしてとらえてきた。
ところが、ヨーロッパ旅行を終えて帰ってきてみると、そんな息子が「パパは死んでしましました!」と叫び、暴力的な態度をとる。
ここに、僕は新たな危機の到来を予感し、それを乗り越えるためにブレイクを読み、今までの人生をとらえなおして、小説を書き綴ってゆく。
その危機とは、僕自身の死である。
僕が死んだ後、イーヨーは一人取り残され、生きてゆかねばならない。
イーヨーは生きてゆけるのだろうか。
ある日、内に秘めている暴力、性欲を解き放った結果、憎まれ、殺されるのではないか。
僕はそのような恐怖にとらわれるが、それは同時に、少年時に父親を失った僕自身の恐怖でもある。
このような恐れの克服の過程は、一言では言い表せないが、最後にイーヨーは、父親から独立した一人の人間として、「新しい人」として現れてくる。
そして、イーヨーは決して一人ではなく、同じく「新しい人」である弟とともに確実に、強く生きてゆくであろうことがはっきりと伝わってくる。
僕はそれを感じ取った瞬間に、自らが死んだとしても、息子たちが生きることによって、また、自分も一人の「新しい人」として再生しうることを知り、死へ立ち向かう勇気を得る。
難しい小説で、正直なところ、よく分からない部分も多々あったけれど、それでも、読み終わった瞬間に希望が、光り輝くような希望が、胸に満ち溢れるようでした。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.10
(5pt)

希望

ご存知の通り、著者には障害を持った息子さんがいらっしゃいます。
そして、その息子さんとの関わりを題材に小説を書いておられます。
この本もそういう本です。
語り手の僕は、息子イーヨーと自らを一体のものとしてとらえてきた。
ところが、ヨーロッパ旅行を終えて帰ってきてみると、そんな息子が「パパは死んでしましました!」と叫び、暴力的な態度をとる。
ここに、僕は新たな危機の到来を予感し、それを乗り越えるためにブレイクを読み、今までの人生をとらえなおして、小説を書き綴ってゆく。
その危機とは、僕自身の死である。
僕が死んだ後、イーヨーは一人取り残され、生きてゆかねばならない。
イーヨーは生きてゆけるのだろうか。
ある日、内に秘めている暴力、性欲を解き放った結果、憎まれ、殺されるのではないか。
僕はそのような恐怖にとらわれるが、それは同時に、少年時に父親を失った僕自身の恐怖でもある。
このような恐れの克服の過程は、一言では言い表せないが、最後にイーヨーは、父親から独立した一人の人間として、「新しい人」として現れてくる。
そして、イーヨーは決して一人ではなく、同じく「新しい人」である弟とともに確実に、強く生きてゆくであろうことがはっきりと伝わってくる。
僕はそれを感じ取った瞬間に、自らが死んだとしても、息子たちが生きることによって、また、自分も一人の「新しい人」として再生しうることを知り、死へ立ち向かう勇気を得る。
難しい小説で、正直なところ、よく分からない部分も多々あったけれど、それでも、読み終わった瞬間に希望が、光り輝くような希望が、胸に満ち溢れるようでした。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.9
(4pt)

イーヨーの断片的な言葉が救いです

イーヨーを中心とした父、母、妹、弟の関係の中で、いくつかの組み合わせのやり取りのある中で、兄妹弟の中でのやり取りが将来に希望のもてる興味深いものでした。妹弟は、両親がイーヨーにかかりっきりになっている感情を抱きながらも、各々の成長も表現されているところが安心しました。
障害をもつ人の自立は、障害をもたない人の自立以上に時間も忍耐もかかるわけですが、それを不器用に試行錯誤しながら奮闘している主人公に心が震えると思います。
本作品では、特にイーヨーの断片的な言葉が効果的で、後半部分ではその登場を楽しみに待ちながら読み進めましたが、これが救いの言葉であったのかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301
No.8
(4pt)

イーヨーの断片的な言葉が救いです

イーヨーを中心とした父、母、妹、弟の関係の中で、いくつかの組み合わせのやり取りのある中で、兄妹弟の中でのやり取りが将来に希望のもてる興味深いものでした。妹弟は、両親がイーヨーにかかりっきりになっている感情を抱きながらも、各々の成長も表現されているところが安心しました。
障害をもつ人の自立は、障害をもたない人の自立以上に時間も忍耐もかかるわけですが、それを不器用に試行錯誤しながら奮闘している主人公に心が震えると思います。
本作品では、特にイーヨーの断片的な言葉が効果的で、後半部分ではその登場を楽しみに待ちながら読み進めましたが、これが救いの言葉であったのかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文芸文庫)より
B00PS2FK7S
No.7
(4pt)

イーヨーの断片的な言葉が救いです

イーヨーを中心とした父、母、妹、弟の関係の中で、いくつかの組み合わせのやり取りのある中で、兄妹弟の中でのやり取りが将来に希望のもてる興味深いものでした。妹弟は、両親がイーヨーにかかりっきりになっている感情を抱きながらも、各々の成長も表現されているところが安心しました。
障害をもつ人の自立は、障害をもたない人の自立以上に時間も忍耐もかかるわけですが、それを不器用に試行錯誤しながら奮闘している主人公に心が震えると思います。
本作品では、特にイーヨーの断片的な言葉が効果的で、後半部分ではその登場を楽しみに待ちながら読み進めましたが、これが救いの言葉であったのかもしれません。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)より
4061837540
No.6
(5pt)

死の圧倒的な脅威、にもかかわらず、再生する無垢の魂の力

テンポのよい連作短編集でありながら、本書には、知的障害をもつ長男イーヨーを中心としたストーリーにしっかりとした展開と暫定的な結末が存在しているので、非常に読み応えがありました。ブレイクの詩からの引用、大江氏の過去の自作からの引用が本書にあったとしても、本書は、大江氏が自分の教養や業績をひけらかすためのものではありません。どの人間の人生も非常に無意味な死へと向かうし、人間は愚かな存在ではあるけれども、それでも、決して無意味ではない死に感応することのできる無垢な魂は再生への希望を宿している。たぶん、大江氏はそういうことが言いたかったのでしょう。笑ってはいけないと思いながらも笑ってしまった個所、思わず泣きそうになった個所がいくつかありました。読後、ぼくもまた、ブレイク、大江氏とともに、「新しい人」の眼ざめをいつまでも辛抱強く信じつづけなければならないと痛切に感じました。
新しい人よ眼ざめよ Amazon書評・レビュー: 新しい人よ眼ざめよより
4062005301