静かなノモンハン
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40年前発行とは言え、日焼けしすぎ。 | ||||
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生々しい体験が伝わります | ||||
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戦記物の中では読みやすい部類。3人の兵士にフォーカスしたこの書籍ですが読みやすく、3日ほどで読んだ記憶があります。 戦闘シーンは読んでいて実際の戦場に引き込まれるようなリアリティがあった。 戦車対徒手という絶望的な戦いを生き延びた兵士の物語。 | ||||
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本書は、小説家で詩人 の 伊藤桂一(1917.08-2016.10)による 小説『静かなノモンハン』(初収は講談社 1983) の講談社文芸文庫(2005)版です。 「ノモンハン事件(1939.05-09)」に従軍した 方々から綿密に取材し、それを3人の「語り」 (narrative)という形式で文章化した作品です。 3人は上等兵・衛生伍長・少尉(小隊長)であり 兵・下士官・将校(尉官)という構成です。 著者自身も召集され北支・中支(いずれも当時) と転戦した経験があるだけに、小説とは申せ 実在感あふれた語りとなっています。戦争の リアリティーを追体験できる小説です。 『静かなノモンハン』(1983)は、翌1984年 芸術選奨文部大臣賞と吉川英治文学賞を受賞し ています。著者はこの作品の取材方法や記述方法 を踏まえ、自ら「戦場小説」と呼びました。 「インパール作戦(1944.03-07)を描いた 『遙かなるインパール』(1993)も、同じく 「戦場小説」の範疇に入ります。みなさんは ノモンハンの荒野で、敵戦車の火炎放射器に よって焼かれたり、インパールの密林で、 飢えて泥の中、寝たきりのまま捨てて行かれる ことを想像することができるでしょう。戦争の リアルを実感することができます。 「ノモンハン事件」とは日本側の呼称であり、 モンゴル側では「ハルヒーン・ゴルの戦い」と 呼びます。つまり「ハルハ川の戦い」です。 満洲国+日本 VS モンゴル人民共和国+ソ連 の戦いです。もともとは満洲(当時)と外蒙古 (当時)の国境での小競り合いに過ぎなかった のですが、結局は不幸にも、旧陸軍の関東軍と ソ連軍の間で、航空機、火砲、戦車、その他の 装甲車両…を駆使した、本格的な戦争となりま した。 ノモンハン事件は日本陸軍が初めて体験した 航空機+車両を主体とする「近代戦」です。 結果は完膚なきまでの大敗です。ソ連崩壊後の 文書公開によると彼方の損害も決して小さくは なかったことが明らかになってはいますが、 関東軍が「北進」を放棄させられ、「南進」へ と「転進」を余儀なくされたことを考えますと 戦略的に敗北したことは間違いありません。 かつノモンハン事件の反省もなければ、責任 追及もなされず、米英を相手に開戦し、結果 国土のほぼ全土が焦土と化し、敗戦を迎え ました。責任の一端は、ノモンハン事件の時の スタッフたちが「復活」して来て「指導」した 参謀本部に存在すると考えられています。 「損耗率」とは軍事的には「部隊の将兵のうち 死んだり負傷したりした人の割合」を示す用語 です。その評価は諸説ありますが ・損耗率が10%になりますと、部隊の戦闘行動 に支障が出るようになります。 ・損耗率が15%になりますと、部隊まるごと 交代させるか、あるいは人員補充や再編成が 必要になります。 ・損耗率が30%になりますと、その部隊はもはや 戦力としての算定ができなくなります。従って 「全滅」と呼びます。 ・損耗率が50%になりますと、再編成すること すら不可能になります。従って 「壊滅」と呼びます。 ・損耗率が100%になりますと、将兵はひとりも 残っていない状態です。従って 「殲滅(せんめつ)」と呼びます。旧日本軍は 「玉砕」あるいは「総員壮烈なる戦死」と 大本営発表していました。 ノモンハン事件の主力であった旧日本陸軍の 第23師団の損耗(戦死傷病)は 「76%に達した」(『ノモンハンの夏』) とあります。また第7師団はその一部が第23師団 に組み込まれる形で参戦し 「約33パーセント」(本書) の被害を出しました。 「全滅」とは、通常の語感では、損耗率100%を 指すのだろうと誤解しがちです。しかし、そう ではなく、損耗率30%で「全滅」です。つまり 約3分の1で全滅です。 第23師団は、全滅も、壊滅も通り越して、殲滅 との間に位置します。 いったん「壊滅」した第23師団はその後、再編 されますが、結局「南方」に送られ、ルソン島 で敗戦を迎えた由です。 上記のように、損耗率という数字だけで物事を 考えますと、戦争の一つの側面のみを見ること になります。現場(つまり戦場)の一人一人に とって「損耗」が何を意味するのかは抽象的に しか見えてきません。戦争のリアルを感じる ためには本書が貴重であると思います。 | ||||
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大事な日本人の歴史です。 | ||||
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