竜門の衛
評判
竜門の衛の評価:
4.69/5点 レビュー 13件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21〜23 2/2ページ
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竜門の衛の評価:
4.69/5点 レビュー 13件。 A ランク
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この「三田村元八郎」シリーズが一番面白いのではないかと思った。
もちろん好みに合うかどうかというのが大きいのだが、
知っている4シリーズの中で、少なくとも1巻目を比べる限り、
やはりそのとおりだったと思っている。
デビュー作ではないにしても、これはシリーズものとしては最初の作品である。
しばしばデビュー作とか最初期の作品というのは、技術的には未完成だとしても
一番その作家らしさが出ていると感じられることが多くて興味深い。
この作品は、結末の書き方や題の付け方など考えると、
どうやらシリーズというのはまだ頭になかったようだが、
その分というべきか、いいものを書いてやろうという意欲が感じられて、
引き締まったいい作品になっていると思う。
およそ時代小説の魅力的な要素がオンパレードである。
今やこの作家のトレードマークである徳川裏面史とも言える政治的陰謀はもちろん、
剣の闘いにしても、剣豪やら忍びやら変わった武器やらも出てくるし、
主人公が同心なので江戸の話かと思えば後半は旅の道中になって京都まで行くし、
珍しく?軽いお色気まである。
なんといっても今回の魅力はしかし、構想と人物像ではないかと思った。
陰謀を扱うだけに構想にはいつも凝るだろうが、
本書はとくにプロットが綿密なものと感じられて、
思いがけない展開やら周到な伏線が楽しい。
また人物群も他のシリーズ以上に魅力的で、
元八郎が、ほかのもう一つ頼りない主人公に比べると大人なのも個人的にはいいと思ったし、
なかなかのクセモノであるその父親、謎の女柄谷行伽羅、
元相撲取りの貞五郎、京都の店の丁稚正吉、公家の伏見宮など、
いずれも人間としての味があっていい。
強いて言えば悪役がやや食い足りないだろうか。
たぶんシリーズとして構想されてないため話としては完結しているが、
それをシリーズ化していく際にどう処理していくのか、
そのへんの手際にも注目して次を読みたい。