真夏の航海
評判
真夏の航海の評価:
3.14/5点 レビュー 7件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1〜3 1/1ページ
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真夏の航海の評価:
3.14/5点 レビュー 7件。 D ランク
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令嬢の典型であるクレディは、クライドの危険で貧しい匂いにある種の快楽を覚える。愛してたというより羨ましかった。彼のみすぼらしさから滲み出るあやふやさと儚さは彼女の救いだった。何不自由なく恵まれ、育ちながらも”個人主義の冷静な排他的気質を持つ”彼女は、”感受性の幅の広さと単純さ”が重なり合い、スラムに塗れ育ったクライドの必死で純朴な愛に身を委ねる。
彼の存在は彼女にとって、単に快楽のはけ口に過ぎなかった。未熟な令嬢の、身勝手な暴走化した愛ほど冷酷なものはない。狂走する車に身を委ね、クライドを道連れに”失神した鳥”のように身を投げるエンディングに、カポーティ自身の危うさを連想させる。
カポーティ特有の自暴自棄なトゲのある側面もしばし見られるし、凡庸的な描写も見られるが、時折見せる濃密な描写が優雅さを漂わせ、緩衝材の役割を果たしてる。未完ではあるが幻の処女作ではあるが、それなりに熟成してる。彼はこの作品が出版される事を渋った。それだけこの作品には、あるがままのカポーティが色濃く映し出されてるのかもしれない。あるがままほど、退屈で嫌なものはない。
追記9/4 他のレヴューにもある様に、カポーティにしては多少?かなってのもないではなかった。露骨に気になる程ではないが、専門の翻訳家に任せた方がこういった微妙な誤解はなくなる。翻訳のスペシャリストに任せた方が無難であると思う。