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気ままな女



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気ままな女の評価: 3.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

他人になり変わるなかれ

ペリー・メイスン・シリーズの1958年の第56作。婚約者に裏切られ、幸せの絶頂から奈落の底に突き落とされたミルドレッドは、何もかもから逃げ出したい思いで故郷を去る。道中で知り合ったヒッチハイクの女が自殺する。ミルドレッドは、死んだ女の身分をもらって、全く新しい人生を生きようとする。だが、甘かった。ミルドレッドは次第に、抜き差しならぬピンチに追い込まれていく。傷心ゆえの衝動とはいえ、見ず知らずの他人になり変わろうとは、どう考えても無茶である。ミルドレッドを駆り立てた絶望感に説得力がなければ、設定だけが浮き上がった不自然な話になっただろう。かといえ、彼女の悲嘆をグジャグジャと書き連ねられては、これまたウンザリさせられてしまう。その点、ガードナーは実に簡潔な描写で、しかし説得力をもって、彼女のいたたまれない気持ちを表現している。つくづくうまい作家だと思う。後はもう解説不要だろう。鮮やかに事件の真相を暴いてミルドレッドを窮地から救う、いつもながらのメイスンの胸のすく活躍を楽しめばよい。その他、未婚で妊娠した女に対して一般社会の目がとても厳しく、女が自殺にまで追い込まれかねない点が、時代の流れを感じさせられて、興味深かった。
気ままな女 (Hayakawa pocket mystery books―ペリイ・メイスン・シリーズ (437))Amazon書評・レビュー:気ままな女 (Hayakawa pocket mystery books―ペリイ・メイスン・シリーズ (437))より
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