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捨て童子・松平忠輝
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【この小説が収録されている参考書籍】
捨て童子・松平忠輝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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大変面白かった。個人読書履歴。 一般文学通算378作品目の読書完。1993/08/18 | ||||
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松平忠輝は家康の六男。容貌魁偉な鬼っ子に生まれついたため、家康にうとまれ、 田舎の小大名の養子に出されます。自由気ままな野生児は、家康の兵法指南役だっ た奥山休賀斎に預けられ、りりしい若武者に成長。やがて家康に認められて大大名 に取り立てられました。ところが、兄の秀忠は人間ばなれした才能をもつ忠輝を憎 み、腹心の柳生宗矩に命じて執拗に忠輝の命を狙います。 忠輝は誰とでもわけ隔てなくつきあい、飛び鎌を使う忍び才兵衛、剽悍な傀儡子一 族に心服されています。鬼っ子自身「剣術絶倫、化現の人」なのですが、味方の多 い忠輝は、暗殺者集団裏柳生のたび重なる襲撃をかわしつづけます。その死闘シー ンもさることながら、本巻は忠輝の周辺で繰り広げられる謀略、諜報合戦が実に興 味深い。忠輝をかつぎ、キリシタン武士を動員して天下取りをたくらむ幕府代官大 久保長安、長安の身辺を探索する宗矩、忠輝に謀反の罪を着せたい秀忠と宗矩。陰 謀渦巻くきなくさい環境の中で、忠輝と秀頼、千姫、真田忍者猿飛佐助らとの交流 と友情、傀儡子の娘竹との交情は一服の清涼剤となっています。事件の展開がはや く、読み始めたら息つくひまもありません。 | ||||
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金鉱山の開発で幕府の財政を潤した惣代官大久保長安が急死、謀反計画は頓挫しま したが、遺族は公金横領の咎で処刑されます。忠輝の付家老を務めた長安の凋落は、 将軍秀忠にとって忠輝処罰の格好の口実になります。家康は、秀忠の寵臣大久保忠 隣を罪に陥れ、秀忠を牽制しました。本書は、何が何でも忠輝を葬りたい秀忠と、 何とかして忠輝を護り抜きたい家康の暗闘を中心に展開します。 驕慢で愚かな淀殿のおかげで大阪城はついに落城しました。秀頼と不戦の約束をし た忠輝は戦場離脱をとがめられ、窮地に追い込まれます。家康は先手を打って忠輝 を勘当、謹慎を命じました。戦争が終われば「海道一の弓取り」はもはや必要ない。 将軍秀忠は、腹心の柳生宗矩に大御所家康暗殺を命じます。家康危うし! 忠輝と忍者才兵衛は人間離れした武技の持ち主ですが、柳生暗殺集団との死闘場面 だけでなく、知力と知力の戦いも興味深い。忠輝は戦術家としても非凡な才能を発 揮して父家康を驚かせます。見せ場が多く、息もつけないほどおもしろい伝奇ロマ ンの傑作です。 | ||||
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捨て童子とは、酒天童子とかけている。というところから、もはやタイトルの 謎かけが始まっています。 松平忠輝は、山岡壮八などの作品では、はっきり言って愚か者です。大久保長安、 伊達政宗、いずれの関係も何か暗い影を感じます。最後は蟄居させられる。こんな男は 捨ててしまえ。そんなイメージでした。 それを大胆に覆す。それがこの小説です。本当なのでしょうか。 小天狗のお話って聞いたことがあると思います。村人が驚くような運動神経、 とても追いつくことのかなわない跳躍力、走力、腕力。笑い声。どこに住んでいるんだろう。 忍者ですらその影をも踏むことはかなわない。そのお話の小天狗が松平忠輝だったとは 知りませんでした。 天賦の才は、とどまることを知りません。学問、武芸、文学、そして医学。その原点が、 皆さんのおっしゃっている優しさだと思います。 隆慶一郎は、どこでこの史料を手に入れたのでしょう。歴史って見方だと思います。 他の小説なんかを読んでいると、家康が最も手を焼いたのは忠輝。しかし、この物語では、 本当にこの世を統べてもらいたかったのは忠輝なのです。そして、そのぐらい恵まれた 天性にひがむのは、それを持たない権力者という構図です。 人は、基本的に運ですね。これだけ恵まれた人が、時流からはどんどん遠ざかる。 しかし、忠輝は飽くまで明るく、優しく、正しいのです。 前田慶次郎のお話とかぶるようですが、本当の天才松平忠輝を読むことが出来る、 そして読まされてしまう隆慶一郎の凄さ。 逸品です。お勧めします。 | ||||
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長編の中では特に好きな作品です。影武者徳川家康の裏番組として読むとさらにおもしろいと思います。 | ||||
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生まれた時、父家康から「捨てろ」と告げられたほど恐ろしげな顔の赤ん坊だった松平忠輝。「鬼っ子」とばれる異能の人が、25歳にして流罪となり、秀忠から綱吉までの4代の将軍にわたる67年間を配所ですごした徳川家の事情とは何か? 序章にあるこの言葉にひかれて興味津々読み始めました。 忠輝の魅力的な人物像、それを取り巻く人々思惑、暗躍、スケールの大きな小説で面白く楽しめました。 忠輝が家康に認められ、越後福島の65万石の大名になるまでが、この上巻です。 | ||||
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この本の中に次の一節があります。 *** 動物も魚も、忠輝の友達であり、遊び仲間なのだ。誰が友達を捕らえて飼ったり、まして友達を食べたりするだろうか。忠輝は肉も魚も一切口にしない。食うのは野菜と味噌と米だけだった。 *** 忠輝の生涯はどんなであったか。柳生との戦い、傀儡子の娘、雪との出会い、死。・・・ 秀頼との不戦の誓い・・・。鬼っ子忠輝のこころはどんなだったのでしょうか。 「無量にやさしく、無量に愛しいこころ」 「愛しい」は、うつくしい、とも、いとしい、とも、かなしい、とも読みますね。 そのすべてを含んだ「無量にやさしく、無量に愛しいこころ」の人だったのかも知れません。 「般若心経物語」という本があります。著者は隆慶一郎のファンということです。 この本にも「無量にやさしく、無量に愛しいこころ」の人の物語があります。 | ||||
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この本でも、二代将軍秀忠公の陰湿さが際立ってます。 大御所家康公が亡くなってからの秀忠のイジメを乗り越え、忠輝公の隠居までが書き記されてます。 作者がTV畑の出身らしく、テンポが非常にいいです。 また、場面転換も頻繁に起こり、慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれませんが、 でもそれを乗り切ればスイスイ読めます。 忠輝公の歴史観を変えてくれた一冊です。 | ||||
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正直言って、松平忠輝については、本作を読むまでは知らなかった。 この作品をもとに、宝塚で『野風の笛』として上演されたらしい。 家康に「鬼子」として疎まれ、周囲の嫌忌の中で育った捨て童子。 長じてからは、武芸に秀で、語学、医術にも通じた大名に。 しかし、その才を秀忠に嫌われ、改易されてしまう。 それでいて、蟄居しながらも長寿を全うする。 まさに異能の人物。 その破天荒な生き方に憧れを抱きつつも、そこはかとない哀しみを感じずにはいられない。 この松平忠輝という人物に出会わせてくれた隆慶一郎に、感謝の二字を贈りたいのである。 | ||||
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徳川家康の第六子で、幼い頃から容貌魁偉、鬼子と忌み嫌われた松平忠輝を主人公にした、著者が完成させることのできた最後の長編時代小説です。まず「捨て童子」という言葉に注目。著者は「捨て子」と「捨て童子」はまるで別物、人が畏れ慄くような途方もないエネルギーを持った異形の者と説明、松平忠輝を類い稀なる能力を持った智勇兼備の男とし、将軍職を奪われるのではないかと怖れる徳川秀忠とその配下の柳生一族と戦わせ、そこに大久保長安事件や伊達政宗の遣欧使節、大阪の陣等の史実をうまく取り入れ挿みこんで、途中でだらけるようなこともなく、激動の時代とそこで凄絶に生きた男たちの姿を描ききっています。また、『影武者徳川家康』の中でわからずじまいだった、大久保長安の暗殺者が本文でわかるのですが、それでいてこちらでは家康影武者説を採用していない。それぞれの作品がお互いにリンクしているようで、完全にはしていない。そんなつながりを見つけるのも楽しみの一つです。 | ||||
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影武者徳川家康にも出てくる『松平忠輝』が主人公。 異能の鬼子に牙を剥く兄・秀忠。横山光輝の手により漫画化もされているが、そちらも必読。 | ||||
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