はやく名探偵になりたい
評判
はやく名探偵になりたいの評価:
3.55/5点 レビュー 20件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全35件 21〜35 2/2ページ
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短いものが多いので、骨組みであるトリックのみがきわだつ印象はありますが、トリックはそれなりにキレがよく、物理的に可能かどうかは疑問であるものの、楽しめました。その理由として今回初めて気づいたのは、トリックが明かされたあと、犯行場面のその(脳内再現)シーンが頭に焼き付いて離れなくなることです。
軽トラックの上の人物を直撃する意外な物体、それを操った人物。また、深夜に海に向かって走ってゆく車椅子の正体は・・・
トリックが巧いかどうかという以上に、忘れられない(トリックの)映像がどの話にもあって、それがインパクトとなって、残っています。
ユーモラスな語り口から、著者の本領は「語り」「せりふのかけあい」にあるように思いがちですが、このシリーズを読みすすめるうちに、むしろ映像喚起力の鮮明さが、わたしには響いてきました。夜中の畑に等身大(正確には人間大)のまねき猫がぬっと立っている第三作(『完全犯罪に猫は何匹必要か?』)は特にその感が強かったのですが、今回のように短編で読んでみると、作者は決定的瞬間をカシャッと映像のように決めていて、そのインパクトのほうが(ディテールの笑い以上に)心に響いてきているような気がします。
ミステリの本質とこの映像喚起力は必ずしも関係があるとは言えないでしょうが、この著者の持ち味として、あとまで残る強烈な物理的トリックの映像、ということが少なくともこの本では納得されました。
最後の動物視点の話はまさに変格。これも映像が浮かんできて、記憶への定着力が強いです。短編集ながら、この著者のファンなら十分に楽しめます。