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綺霊
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綺霊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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タイトルに使われている”綺”はどういう意味なんだろうと調べてみたら、”目を奪うように美しい、模様を織りなした絹”という意味で、”きれい”や”キラ星”の”き”はこの漢字を当てるそうです。 まさにその通りに色鮮やかで絢爛なイメージで、井上氏独特の耽美、幻想、怪奇が遺憾なく発揮された30の作品が収められています。どれも10ページ以下の短いものなので、短編というよりはショートショート集と言っていいでしょう。 特に気に入ったものをあげてみると、 「水夢譚」友人は言う、水族館を作るのが夢だった、しかも水屍人のための水族館を。そして彼らが今いるのは・・不気味な幻想が美しいです。 「蛇苺」色彩感豊かな血みどろの幻想。なぜか先日見た映画「ミッドサマー」を思い出しました。 「嘯(うそぶき)」能・狂言に使われる面の怪異が怖いです。 「海盤車(ヒトデ)」南国の素晴らしいホテルで時間を過ごしていた夫婦。夜中にふと目がさめると・・ストレートな怪異譚です。振り返ってみると井上氏には水にまつわるお話が多いような。 「蘭鋳」信州のとある宿に何百匹と飼われているという”ニンギョ”を見にやってきた酔狂な外国人、そこにいたのは見事な金魚?だった? 「地下水道」映画「第三の男」に出てくるような地下水道で警察と特殊部隊は研究所から逃げ出した何ものかを追っていた。暗闇で長年暮らして色素を失った白いワニでは・・という都市伝説があるが、上層部はそれが何か明かしてくれない。そして現れたものは・・・近未来SF仕立ての秀作です。 「蝶番」そのへんで売っている平凡な金属製品が突然体内に現れて激痛を起こす。誰にも説明できず自分でそれを取り出していた外科医は、まさかブードゥーの呪いでは・・ととうとう疑い始めたのだが・・実は切ないラブ・ストーリーでした。ラストがいいです。 「鼬(いたち)の血」両国花火の夜。仲間と花火を楽しんでいたヒロシは・・。夏祭の夜は怖いものなのかも。 「廃院にて」ミチと一緒に廃業した病院へ肝試しに来ているらしい。記憶がはっきりしないままついていくと・・井上氏にしてはめずらしく現実的な最後のオチが切ないです。 正直、中には雰囲気だけで押し通したようなもの、よくわからなかったものもありました。一般に幻想ホラー系は日本ではあまり売れないようですが、好き嫌いが別れる作品だと思います。個人的には好きな雰囲気で、読んでいると怖いというよりは、心が深々と静まっていくような感じになります。眠る前の一編に。 | ||||
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30篇以上の怪談/ホラー・ショートショートが収録されています。簡潔に、綺麗にまとまっており、怖いけれども、その潔さや余韻に美しさを感じます。 だいたい5ページ行かないくらいのショートショートばかりですので、集中力に自信のない方や、まとまった時間を確保できない方でも楽しめると思います。 アイデアの豊富さが素晴らしいです。 | ||||
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