■スポンサードリンク


ジュネーヴのドクター・フィッシャーあるいは爆弾パーティ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

ジュネーヴのドクター・フィッシャーあるいは爆弾パーティの評価: 5.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

グラン・ギニョール

グレアム・グリーンが、いまどれほど読まれているのか、何作かはハヤカワepi文庫にでも入っているのだろうか。

本作は、極度に戯画化した、あるシチュエーションの切り取りである。
わたしには、これを物語と呼ぶには憚られる。

全編が、偽善と欺瞞と、それに基づく救済、といえようか。

筋書きは簡単だ。つまり、いるべきはずのないところにいたものの話。
あるものは、ある偶然から、そこに赴くことになる。

似たような話を、わたしはさんざっぱら読んだような気がする。

それでも、語り手とその伴侶との出逢いと別れには、涙を禁じ得ない。

だから、語り手とドクター・フィッシャーの対決など、付け足しに過ぎないとも、いってしまいたい。

いわないのは、ドクター・フィッシャーの末路が予測できていたからであって、それは語り手の理解を越えていたからなのだ。

本作の読みは、語り手とドクター・フィッシャー、どちらに肩入れするかで考えかたは変わるだろう。

それでも、語り手の人生はつづく。おそらくはなにもない、かすかな記憶だけをたよりに。

そしてドクター・フィッシャーとは、なんだったのか。

グレアム・グリーンを語るなどおこがましいが、わたしは、かの作家を語るときのワードを意識的に省いている。

なぜなら、『ジュネーブのドクター・フィッシャー』には、愛が満ち溢れているからだ。

それが他者には理解しがたくとも、本人にすらわからずとも、愛はそこかしこにある。
ジュネーヴのドクター・フィッシャーあるいは爆弾パーティ (ハヤカワ文庫 NV 348)Amazon書評・レビュー:ジュネーヴのドクター・フィッシャーあるいは爆弾パーティ (ハヤカワ文庫 NV 348)より
4150403481

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!