軍律の崩壊した集団に君臨する大ボス、小ボス。

投票が始まった。黒ずくめの男たちが議員たちの脇についた。

上海。魔都と呼ばれた街。

警視庁きっての射撃の名手だった村越健次は、その天才的な腕を買われ、レバノン系アラブ人・ムラート・ケンと名を変えてCIAの秘密諜謀報員となった。

腕利きの仕立職人・衛藤良丸には、戦争の間、外地で「特別な任務」についていた過去があった。

アマゾン奥地に住むダイヤ取引商の伯父・ワンコンの豪邸に寄寓する美沙は、強引に頼みこんで伯父のダイヤ買い付け行に同行することになった。

一年ぶりに、美加はすばらしい悦びのときを持った。夫がさっき帰ってきたばかりなのだ―。

きらきらと華やかな平安の宮廷。

丸の内銀行、東京駅前支店に大変な美人がいる。中上川良子、銀行の創業者中上川弥太介翁の孫娘である。

ぼくの伯母さん・アガサは、なんとロス一の腕利き私立探偵なんだ。マフィア幹部の未亡人で、日系人社会の女長兵衛。

強く願い続けることだけが、出会いて別れを生む。国境の地で愛する男を探し続ける女。

サンフランシスコ一の可愛い私立探偵・住井美加は、なんと日本の大財閥のひとり娘で、同棲中の恋人は黒人警部という破天荒!ダウンタウンの殺人事件を次々と解決して、市警はおろかイタリーマフィアの親分も、チャイナマフィアの会長も舌をまく活躍ぶり。

崩壊した清国の皇族粛親王の第十四王女ケンシは七歳の時、父と親交の深かった大陸浪人川島浪速の養女となり、芳子と名付けられた。

昭和初年代、若き男爵松平弥生麿は、神田に探偵事務所をオープン。