【辻堂魁】
五分の魂 風の市兵衛
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師走雪の夜、元松前奉行配下の旗本が射殺された。銃は西洋製で、賊はえぞ地での遺恨を口にしたという。
九歳になる音羽の色茶屋の倅・藤蔵は、勘定方を輩出する算勘専門の私塾入門を目指し、“算盤侍”唐木市兵衛を師に招いた。
渡り用人・唐木市兵衛は、知己の蘭医・柳井宗秀の紹介で人捜しを頼まれた。
柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。
日本橋小網町の醤油酢問屋「広国屋」に風のように一人の男が現われた。“算盤侍”の唐木市兵衛である。
「ああいう男はとり除かねば」文政半ばの年末、江戸城内外で奥祐筆組頭・越後織部は謀議を重ねていた。
「父の仇・柳井宗秀を討つ助っ人を雇いたい」渡り用人・唐木市兵衛は胸をざわつかせた。
「市兵衛さんにしか頼めねえんだ」夏の日、渡り用人・唐木市兵衛の許を、請け人宿の主・矢藤太が訪れた。
“算盤侍”唐木市兵衛は、公儀十人目付筆頭片岡信正の依頼で、下総葛飾を目指していた。
唐木市兵衛を相模の廻船問屋が言伝を持って訪ねてきた。相手は返弥陀ノ介の許から姿を消した女・青だった。
算盤侍唐木市兵衛を、北町同心の渋井鬼三次が手下とともに訪ねてきた。岡場所を巡る諍いを仲裁してくれという。
武州忍田は幕府の台所を支える最重要拠点である。年の瀬、公儀御鳥見役とその手下が斬殺された。
“宰領屋”矢藤太の許に大店両替商“近江屋”から、唐木市兵衛を名指しで口入の周旋依頼があった。
江戸を流行風邪が襲った。蘭医柳井宗秀は、重篤の老旗本笹山卯平に請われて、唐木市兵衛を紹介する。
北町奉行所定町廻り同心・渋井鬼三次の息子・良一郎が幼馴染みの小春と失踪した。書き置きから大坂への欠け落ちが疑われた。
定町廻り“鬼しぶ”の心配をよそに、唐木市兵衛は未だ大坂に在った。世話になった長屋のお恒の息子が、突然、殺されたのだ。
算盤の腕を買われ神田青物市場に職を得た唐木市兵衛は、高熱の童女を助けたことから浪人親子と親しくなる。
唐木市兵衛と暮らした幼き兄妹小弥太と織江の親戚にあたる金木脩が酔漢に襲われ重傷を負った。
跡継問題に決着をみた越後津坂藩は、新たな江戸家老のもと財政再建に心血を注いでいた。
関所破りは磔が定め。武州栗橋の関所で偽造の往来手形が発覚、諸国放浪の絵師土田半左衛門が捕らわれた。
返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負った。公儀十人目付筆頭片岡信正の命による、越後津坂藩内偵の最中だった。
唐木市兵衛に返り討ちにされた刺客の一族が、復讐を誓い市兵衛の身辺探索を始めた。
北町奉行所平同心・日暮龍平。旗本ながら部屋住みを嫌って町方に婿入りした、妙な男である。
北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。
年寄りばかりを狙った騙りに、老夫婦が首をくくった。蓄えのすべてを奪われていた。
内藤新宿のはずれ、成子町で比丘尼女郎の千紗が首の骨をへし折られ殺害された。犯行を目撃しただろう妹は姿を隠してしまう。
牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。
三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。
平凡で退屈な毎日にうんざりしていた夕桔(ゆうき)は、16歳の若さで余命半年と宣告される。
寛政五年十月、江戸を見舞った大火事のあと、吉原に大勢の客が押し寄せる。
いつもいい子を演じてしまい、そんな自分を好きになれないさくら。
己が命、武士の矜持のみに賭す大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作!日当わずか八十文。
不浄な首斬人と蔑まれる生業を十八歳で継いだ別所龍玄は、まだ若侍ながら恐ろしい使い手。
両国川開き大花火の深夜、薬研堀で勘定組頭が斬殺された。刀を抜く間も与えぬ凄腕に、北町奉行所平同心の日暮龍平は戦慄した。
旗本の三男から八丁堀同心の家へ婿入りし、平同心を世襲した日暮龍平。
柳原堤で物乞いと浪人が次々と斬殺された。殺しの夜の隅田川には奇声が響いてたという。
北町奉行が異例の若さで定廻り同心に抜擢したのは、萬七蔵、三十五歳。
浅草・花川戸で貸元の谷次郎が殺され、前後して唇に艶紅の塗られた若い女の死体が見つかった―。
舟運業者らが開いたご禁制の賭場から大金が奪われたとの噂が流れ、次いで勘定奉行所の役人が殺された。
北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は、「夜叉萬」と恐れられる存在だ。
育ての親、宮本武蔵の遺言に従い吉原を訪れた青年剣士・松永誠一郎。しかし、そこはただの色里ではなかった。