愛の海峡殺人事件
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本書は、山村美紗の処女作にして、1970年に第16回江戸川乱歩賞の候補になった『京城(ソウル)の死』を改稿・改題した作品である。結局受賞は逃し、一度は封印した“幻の作品”だったらしいが、なぜ出版の日の目を見ることになったかは、著者自身のあとがきに詳しい。 僕は初期の山村作品はなかなか意欲的で面白いと思っているのだが、本書もドタバタと人が死んで慌ただしいものの、わりと凝った構成で楽しく読むことができた。その後、無冠の女王であった著者が開き直ったように乱造する京都なんたら殺人事件の類に比べると、本当に思い入れたっぷりに書かれていることも好印象だった。 戦後の日韓関係は、戦後補償や歴史認識問題など、さまざまな問題を抱えていた。やっと日韓の国交が正常化するのは、1965年のことである。こうした複雑な時代背景のなかで、改稿に際しては「国際情勢を考えて、あまり他国民の感情を刺激しないように書いてください」と、新聞社の出版部から注文があったという。 本書には北朝鮮と韓国の政治不安の問題も、やや絡んでくる。1960年代、韓国に対して強硬策をとり、テロ事件などを起こしていた北朝鮮という国の体質も、垣間見える。そう考えると、本書にはなかなか刺激的な設定が描かれていると思う。 と、小難しいことを書いたが、内容は一編の推理小説だ。主人公の野際彩子という女性をめぐる、著者いわく「ロマン・ミステリー」である。そこでは、決して恨みつらみばかりではない、血肉の通った民間レベルでの個と個の交流が、リアリティをもって描かれている。 | ||||
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江戸川乱歩賞で候補になった作品の改題。 朝鮮半島からの引き揚げに関する話題。 一部は鳥獣の寺で記述した話との類似性がある。 山村美紗が朝鮮半島からの引き揚げという歴史的な事象を記述できる立場にあることがすごいと思った。 細かい描写は,いろいろ誤解に基づく可能性もあるため,微妙かもしれない。 | ||||
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彼女は戦前のソウルに生まれた人らしい。そのときの思い出を小説にしたものだ。もちろん、植民地ノスタルジーなんだけど^^; 70年代に母の実家を訊ねて主人公がソウルに行くところで話がはじまるが、そこで殺人事件が起こる。彼女の小説は面白いと思ったことなかったけど、これはそれほどひどくなかった。僕は植民地ノスタルジーのいい事例として読みました。ちなみになぜこの作品が他の彼女の作品とちがって読めるか? これが彼女の初長編であり、江戸川乱歩賞最終選考作だからです。彼女はこの後もう一回最終選考に残りますが、けっきょく賞は取れず、西村京太郎の弟子としてデビューするのはみなさんご承知の通り。彼女の小説でも、この小説だけは読んでみてもいいかも、と勧められます。(もちろん、高い期待をされると困ります。あくまで「火サス」作家のわりにはって意味です、念のため!) | ||||
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