あの夏、僕らに降った雪



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    初公開日(参考)2020年12月
    分類

    長編小説

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    あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)

    2020年12月24日 あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)

    高校2年の夏休み。年齢を偽り、治験のバイトに潜り込んだ湊は、深夜の病棟で莉子に出会う。1日1つ(あるいは1つ以上)無関心なことが増える“無関心病”を患う彼女の、余命は1ヵ月。湊は彼女の闘争ドキュメンタリーに出演することになり、まだ興味があるものを全力で楽しもうとする莉子と共に北海道の夏を満喫する。自分とは真逆の明るくアクティブな莉子に惹かれる湊。しかし病は進み、莉子が湊への関心を失う日が来て…。奇跡のように舞い降りた一瞬の恋の物語。(「BOOK」データベースより)




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    No.4:
    (5pt)

    切ない

    たまらんのづづき書いてくれ。
    あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)より
    4041108381
    No.3:
    (3pt)

    本当に病気なのか?

    無関心病という病にリアリティーがないような…
    本当に病気なのか?の疑問が離れないままに物語は終わった!
    最初の方はかなり個性的なヒロインがいつの間にか普通の女子になっているのはなぜだろう?
    あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)より
    4041108381
    No.2:
    (5pt)

    「形を持たなくてもずっと残り続けるもの」。ひと夏の記憶を永遠に留めた「僕と彼女」の物語。

    このレビューを読まれる方の中には比嘉智康という作家を初めて耳にされる方も中にはおられるかも知れない。一般文芸書にカテゴライズされる角川文庫に登場するのはこれが初めてとなる作家だからだ。これまではライトノベルという一般的には若年層向けとされるジャンルで作品を発表してきた作家なのだけれども、あまりご存じない方が多くても不思議では無いと思う。

    「ベストセラー作家」、「ミリオンヒット作家」と呼ばれる人気者であれば偶さか耳に入る事もあろうが、どちらかと言えば地味な、もっと明確にいれば実に細々と作家としての命脈を保ってきた……そんな作家なのだから普段ライトノベルを読まない方がご存じなくても無理は無いだろう。

    さて、本作なのだけれどもジャンルから言えばいわゆる「難病もの」という事になるだろうか?主人公が運命の女性と出会うのだけれども、彼女には不治の病から、早すぎる死から逃れられない運命が待ち構えており、主人公は彼女に残された時間の為に奔走する……まあ、わりとベタと言えばベタな筋立てではある。

    本作の主人公・組木湊も16歳という年齢を誤魔化して潜り込んだ医薬品開発のバイトで治験施設となった病院に入院していた少女・世永莉子と運命の出会いを……拾った鼻セレブを返そうとしただけなので「運命の」というと劇的過ぎるが、ともかくも出会いを果す。

    莉子が患っているのは「難病もの」にありがちな架空の病気「無関心病」。この世界にある物から次々と関心が消えて失せ、進行すれば両親に対する感情も無くなり、やがては死を迎えるという「無関心が高じて死んでしまうって、そりゃどういう病気だい?」と細かい点にうるさい人ならきっとツッコミを入れるであろう奇病であり難病である。

    形の上ではそんな余命いくばくも無い莉子の思い出作りの為に、「わたしを撮ったドキュメンタリー番組を見た人から『ぼっち可哀そう』と言われないよう」画面の端に映りながら楽しい思い出作りをしようと湊が札幌の短い夏を奔走する……やっぱりありがちな話ではある。

    だが、本作に置いて救われるのは莉子ではなく湊自身である、という点が重要。誰に対しても受け身で我の強い男ばかり引き寄せがちな母親がミニマリストの素晴らしさを説く男の影響を受け、更にはそんな旦那との思い出をさっぱり捨てようとしたお陰で「残らない物にお金を使うのは意味が無い」という独自の哲学を叩きこまれた少年が湊なのだけど、この不思議なくらいに執着というものを持たない少年はさながら生まれつきの「無関心病患者」の様に思われる。

    退院した湊は莉子の「今も自分の心に確かにある、そんなもの達リスト」に並んだ「誰かと一緒にしたいこと」にチェックマークを入れるべく夏の札幌を東奔西走、時には富良野のラベンダー畑にまで足を運ぶというお出かけ三昧な夏を過ごす羽目に。だが、このデート紛いのおでかけの日々が読者にナイトがお姫さまを連れ回す話に見えるかどうかは甚だ疑問。どう見ても湊が莉子に手を引かれている様にしか見えないのである。

    そんな夏の終わりにそれまで天真爛漫な顔しか見せなかった莉子が「なんにもなくなっちゃう」という死の本質に向き合うのが怖いという本音を吐露するのだけれども、二人で過ごした短い夏の記憶だけが「形を持たないけど、ずっと残り続ける物」として、母親の影響で湊自身に染みついていた「形の残る物だけが尊い」という考え方に背く形で残り続ける……本作の概要を搔い摘んで言えばそんな風になる。

    斯くの如く、本作は概要だけ語ってしまえば割とベタな話なんである。でもそこにキラリと光る個性が垣間見えるのは、これはもう作者の個性によるものだと言わざるを得ない。「そう遠く無い死別」というどうしようもない悲劇を描きながら、作品の端々にまでユーモアが貫かれている……これはもう比嘉智康という作家の最大にして無二の特徴であると言いたい。

    湊と莉子の出会いが「拾ったものが鼻セレブだし、届けないと」というすっとぼけた理由から始まった様に、二人の関係は実にあっけらかんとした感じの会話劇で彩られる。そう、まるでそこには不治の病や死の運命みたいな鬱々、ジメジメした雰囲気なんか微塵も感じさせないぐらいに夏の北海道の空気の様なカラリと乾いた明るさだけが漂っているのである。

    無論、死の存在は大きく、莉子と別れて一人で過ごす湊の耳には丈夫に産んでやれなかった我が子の為にせめて幸せな記憶を残してやりたいと願う莉子の母親の嘆きや無力感から生じる悲しみは入ってくるのだけれど、莉子のあっけらかんとした姿とそんな彼女を思いやる人物の姿を対比する事で喜劇性と悲劇性の巨大な落差が生まれてくるのである。

    喜劇王と呼ばれたチャーリー・チャップリンの原点は幼い頃に見た光景に、食肉処理場から逃げ出した羊が道行く人を跳ね飛ばす必死の遁走を図る姿に大笑いしながら、いざ羊が捕まってしまうと猛烈な悲しさに襲われて母親に縋りつきながら「あの羊、みんな殺されちゃうんだ」と泣きじゃくった記憶にあるという。

    傍から見るとコメディ、でも当人の立場に近寄ってしまえば悲劇という距離感の切り替えをベースとしたチャップリンのペーソスの本質に近い物が比嘉智康の作品には一貫して貫かれている。書こうと思えばどこまでも悲劇的に描ける題材を扱いながら、どこまで湿っぽさを感じさせる事無く描き上げられるかに挑み続ける作家……それが比嘉智康ではないだろうか?

    作者が以前ライトノベルのレーベルから発表した「キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った」では坂本九の「上を向いて歩こう」がキーアイテムとして扱われていたのだけど、出会ったばかりの少女に最高の思い出を与えながら自分の中に彼女の存在を「形は失われても残り続ける物」として留めようとする泣き笑いの精神、「涙がこぼれない様に上を向いて歩く」、そんな大いに笑いつつ最後には目の端から涙がポロリとこぼれる……そんな一冊をこれまでライトノベルというジャンルに縁の無かった方にも手に取って味わて頂きたいと切に願う物である。
    あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)より
    4041108381
    No.1:
    (5pt)

    比嘉智康待望の新作

    相変わらず面白い小説を書く作家さんです
    「ギャルゴ!!!!!」や「神明解ろーどぐらす」などを執筆後、様々な出版社を転々としながら書いてますが今作はついにラノベではなく初の一般文芸作品
    旧作ファン向けになりますが「キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った」が一番近い作風でギャグやバトルといった要素はなく純愛モノですね
    「キミは一人じゃ~」を始めとした過去作と比較しても一般文芸作品だけあってキャラクターの肉付けが現実にいそうな少年少女だったりします
    2時間モノの恋愛映画を見ているような感じで一般受けしそうな匂いがします
    シリーズ物ではなく、この一作品で綺麗に完結していますので読みやすく比嘉作品へ初めて触れる方にも是非お勧めしたい
    夏の札幌を舞台にした、泣ける小説です

    生粋のファンとしては「あとがき」で比嘉先生の近況語りとかを読めないのが残念だったりしましたがこうして比嘉作品が読めるだけで万歳と言わざるを得ない
    お帰りなさい、比嘉先生!面白い小説をありがとう!
    あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:あの夏、僕らに降った雪 (角川文庫)より
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