リトル・ドリット
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ドラマ版を観ながら読み始め苦労して全四冊読了。決して面白いとはいえないが、「荒涼館」といい、ディケンズ的な中年男が若い女と結ばれる的なロマンスとしてゆるゆる読んだ。妙な味わいがある。しかし訳者・小池滋の解説はこれがけっこう凄絶に英国資本主義の裏側を描いたものとしているが、そういう小説は20世紀にはたくさん書かれているから、それほどとも思わなかったというのが本当のところだ。 | ||||
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各巻平均370頁で全4巻の読み応えある小説です。 1800年代後半のイギリスの当時の世相を反映させた大河ドラマです。 当時のイギリスにあった債務者監獄(借金を払えない人の入る刑務所)、 主にクリミア戦争等の無責任な対応で批判された政府官僚、 銀行・企業の横領事件や倒産などがモチーフの一部になっています。 簡単にあらすじを紹介します。 20年振りにイギリスに帰国したアーサー(40歳・独身)が、生後21年間ずっと 債務者監獄で父親の面倒をみてきた女性リトル・ドリットと出会い 交流していくうちに、家族とも親しくなっていきます。 リトル・ドリットはアーサーに恩義以上の愛情を抱くようになります。 ところが、父親のウィリアム・ドリット氏に莫大な遺産が入り一家は突然大金持ちになります。 ドリット一家は債務者監獄を出て、ヨーロッパへ旅立つことになりました。 リトル・ドリットは自分の気持ちを伝えられないままアーサーと別れてしまいます。 リトル・ドリットとアーサーの恋の行方はどうなっていくのか…… 他にもドリット一家の変転、クレナム家の秘密、悪漢ブランドワの企みなど見所はたくさんあります。 キャラクターもいつもながら魅力的・個性的です。 債務者監獄で生まれ育ったのに悪い影響を受けずに、優しく献身的なリトル・ドリット ありえないくらい優柔不断で鈍感な一応主人公(なのか?)アーサー・クレナム 悪役っぽく見えて実はいいヤツなパンクス(馬跳びするシーンがお茶目です) 自称10歳のマギー(実は28歳くらい)、地獄の番人の様な厳格さのクレナム夫人 変にプライドの高いわりにアーサーから小銭をたかったりするウィリアム・ドリット氏 兄に比べ地味で目立たないフレデリック氏は実は物語の重要な鍵だったりします やたら変名を使うも容姿に特徴ありすぎでバレバレのブランドワ 被害妄想がひどすぎて他人と関わりあうことがうまくできないウェイド嬢 ものすごい早口のうえ句読点なしでしゃべりまくるフローラ(最長13行)、でもお人好し しれっといやな名前をつけて養女をグレさせる天然なミーグルズ氏 息子の恋愛ですごい盛りを加えた妄想をするチヴァリー夫人 などなど 『光と影』もしくは『両極の対比』がテーマな様な気がしました。 物事は見方によってはどのようにも解釈できる。 その人の心がけ次第で貧しくても幸せを感じることができるし、 お金があっても不幸な生き方しかできない人もいます。 クレナム夫人とリトル・ドリットは明確に対比されてます。 他にもプローニッシュ夫妻、チヴァリー夫妻は貧しいですが幸せそうです。 逆に、マードル夫妻や金持ちになってからのドリット一家はあまり幸せそうではありません。 両極の対比でいうと、第一部が『貧困』で第二部が『富』というタイトル 献身的で質素な妹リトル・ドリットと利己的で華美な趣向の姉ファニー 快活で気分屋な兄のウィリアム・ドリット氏と陰気で温情家な弟のフレデリック氏 陽気なイタリア人カヴァレットと陰のあるフランス人ブランドワ 借金取り立て役のパンクスとその指示者なのに外面は温厚なキャズビー氏 などの様々な対比が描写されています。 文章は翻訳のうえ、一文章がものすごく長くて読むのは大変です。 ちゃんと理解できると、とても緻密に構成されているのがわかり納得できます。 前のほうで何気なく描写されていることにいちいち意味があったりします。 まだ見つけていない伏線があったかもしれないと読み返すのも楽しいです。 個人的に印象深かったシーン パンクス氏がやるせなさを隠せず物思いにふけっている様子のト書き── また、画家でも鬘(かつら)メーカーでもないのに家父長殿のでこぼこ頭を じっと睨みつけることが何度もあった。 | ||||
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3巻を読んだ段階で、ディケンズものにしてはやや物足りないかなと思っていました。でも4巻に入って、やはりディケンズだな、と思いました。利己主義に対する徹底した批判、心やさしい登場人物、そして推理性、さすがはディケンズです。 | ||||
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