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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数148件
全148件 141~148 8/8ページ
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昭和39年。東京オリンピックに沸く日本。オリンピックを無事開催させることに心血を注ぐ警察と、その警察に一泡ふかせるべく、開催を妨害しようとする学生。その闘いがみごとに描かれています。
この作品のいいところは、当時の世相・文化などがさりげなく織り込まれてまるでノンフィクションとおもってしまうようなリアリティーがあること。当時流行ったモノや人気のあった有名人などが実名で出てくるとドキュメンタリーのような様相も伺えます。また、華やかな舞台の裏側で支えている下請け労働者の悲哀・格差社会の問題点も浮き彫りにされています。 時系列で物語が進むのですが、その日付が章ごとに前後していて読み進めるのにやや注意深さを要するのと、最後の場面は警察側だけではなく、島崎側からの視線でも描いてほしかった気がします。 いずれにせよ、オリンピックイヤーの最初を飾るのに最適な小説でした。 余談ながら。次回の東京オリンピックの誘致がちょくちょく取り上げられますが、この小説にもチラッと出てくるように、開催の間隔は100年に一度位でちょうどいいと思います。 |
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一見何の関係もないようないくつかのエピソードを意外なところに接点を持ってくるという著者の
得意技が光る一品だとは思います。 数々のエピソードは誰もが経験したことがあるであろう些細なモラル違反。 それが運悪く繋がってしまい、一人の子供を死なせてしまう。 物語の持って生き方はウマイと思います。ただ、今回は前段のエピソードが少々長いかなと。 半分ちょっと読んだところで、やっと「事件」が起きます。 後半部分は逆に駆け足になっている印象。 上下巻の2分冊になっていてもよかったかな?とも思いました。 しかし世の中、ちょっとしたモラルの違反がとんでもない事件・事故を引き起こすこともあるんだよ、 と警鐘を鳴らしてくれているメッセージ性の高い作品であることは確かです。 こういう私も犬のフンをそのままにしてたこと、ありますm(_ _)m |
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「呪い」をテーマにした作品ということで、どろどろした内容を期待したが、案外軽妙でさっぱりしたものでした。
全体的に軽妙さを感じさせるのはおそらく会話の部分が多く、登場人物に薀蓄を語らせすぎ(?)なところが原因か。でも全体的な流れでみると、よく練られてるし、民俗・習俗のおどろおどろしい伝統が奥深く描かれていると思います。それでいて読後感はさっぱりしていて好印象でした。 乱歩賞同時受賞の「完盗オンサイト」と比して内容も深いし、どちらを推すかと問われればこちらを取るでしょう。次回作も期待できそうです。 |
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医療サスペンスのジャンルにはいるのでしょうが、病に冒された脳外科医とその娘との確執の方が前面に出て、メインになるはずの殺人事件の解明がサブに回っている感はあります。(それをあえて狙ったか?)
著者にとって専門分野ではないはずの医療に係る知識は(おそらく様々な文献で綿密な調査したのでしょうが)それなりに物語に溶け込んでいます。でもやはり説明調に陥ってる感は否めないところがマイナス。でも言うほど悪くはないですよ。全体的なストーリーは丁寧に描かれているようで好感が持てるし、感動的な場面も違和感なく読めました。 最近巷で人気の医療サスペンスですが、映像化されている人気作より、地味だけどこういった作品の方が個人的には読んでいて安心感があります。 |
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19世紀半ばのイギリスを舞台に、主人公エドワードの手記という形で、”復讐”をテーマに描かれる壮大・重厚なミステリ。2段組で600ページにわたる超大作で少々読了までに時間がかかりましたが、その内容と構成には至極感銘を受けました。主人公の手記に編集者の注釈もついているという懲りよう。著者が30年にわたって練った構成が功を奏しています。ラスト数ページのクライマックスも秀逸です。著者の早世はなんとも悔やまれますが、続編があるとのことなのでその出版が期待できます。
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細川政元という名前は聞いたことがあるようなないような。”もうひとりの信長”というキーワードが気になって本書を手に取りました。ほとんど知られていないその存在は、まさしく信長を彷彿とさせてくれます。「聡明丸」と呼ばれた幼少期からその奇才(鬼才?)ぶりが発揮され、41歳で家臣に殺害されるまで、実に個性的な人物が描かれています。
修験道に入れ込み、生涯、妻を持たなかった彼の生き方は、正直、何を考えているのかよくわからないのですが、それには深いわけがありそうです。はっきりとした理由は明らかにされませんが、それだけに読者にいろいろと類推をさせてもくれます。何かしらの意図をもっていたことは充分うかがえます。姉・洞松院もうまく描かれていて、この姉に対する政元の言動からもそれは考えられます。 本書で細川政元という人物のほんの一部分が垣間見えたような気がしますが、それにしても著者は普段注目されないモノ・コト・ヒトにスポットライトを当てるのが実にウマイですね。 |
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まず最初に感銘を受けたのは、キリスト教の世界をベースに違和感なくミステリ小説が描かれていること。
「イエスの涙」でも感じたことですが、ミステリの基本がすんなり溶け込んでいる。これは著者の力量はもちろん、この世界のもつ神秘さなどもあるのでしょうか。 本作ではマリア様の本当の姿を知ることができると同時に、終盤の演奏会の場面を通して心が安らぎを与えられる、神父の教えを請うたようなさわやかさが漂う作品です。 「イエス」「マリア」と来て、第3弾をぜひ早いうちに出してほしいと思います。 |
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著者のデビュー作にして、いろんな意味で奥の深~い作品だと思います。
三十路を間近にした主婦と男子中学生の奇妙な道行き。 これと同時進行で綴られる引きこもり中学生のネット生活。 中学生のネット犯罪は現実の世界でも珍しい話ではなく、この小説の正直な感想は、十分に起こりうるお話であるということ。それだけ中学生といえどもこの類の犯罪を起こしてもおかしくないほど恐ろしい世の中であること。 ストーリーも終盤になるに従ってその展開にハマッてしまいました。デビュー作にしてこれだけ引き込む展開が描けるのはなかなかに強者であると。 でも、主婦と中学生がハマッているネットヲタクの世界には全くついていけませんでした。。。著者もこういう分野でも活躍されてますけどね。 |
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