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mana さんのレビュー一覧
manaさんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.20pt |
レビュー数5件
全5件 1~5 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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「神様刑事」の最大の功績は「死者を生き返す」という、現実にはありえず
ミステリー的にも破綻をきたしかねない現象を奇抜な設定でもって シリーズものミステリーとして成立させてしまっていることだろう。 近年あふれかえる一般ラノベミステリーの類でもあるが、 この設定一点でもって、ミステリーという枠組みが描ける範囲の可能性を大きく広げている。 この奇矯な設定自体が(単純といえば単純なのだが)「コロンブスの卵」的で斬新だ。 特に本書では「死者を生き返せたら?」というシミュレーションがより深まっている。 更に神野現人なる探偵の孤高さがよく表れている。 神様刑事は解決後に事件自体を消してしまうので誰からも名探偵として認知されない。 彼が事件を解決したことを誰もが(依頼人さえもが)知りえない。 そんな探偵は、これまで読んできた作品の中では一度もお目にかかったことがない。 世界でもっとも孤独な探偵なのではないだろうか。 その意味で本作は、他のどんな作品とも一線を画している。 確実に目新しいものに触れた気分になれるだろう。 ミステリ好きを自認するなら、間違いなく読んでおく価値ある一作だ。 |
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かなり読み応えのあるハードボイルド作品。
とにかく長い。分厚い。けれどサクサクと読めてしまう。 殺し屋と、その相棒のパートが上巻の見せ場。ここはハードボイルド感満載。 非常によい場面がある、と言えば読んだ方なら、あああそこかとピンとくるだろう。 とにかく長いので時間が無いときには、あまりお勧めできないが、 歯ごたえのある作品であることは間違いない。 もっとも最後の犯人を特定していく下りは、もう少しひねりがあっても良かった気はする。 ともあれ、ハードボイルドミステリーの傑作であることに疑いようはない。 余談になるが本書には、あたかもサカキバラセイトを彷彿とさせる登場人物が出てくるが、 これは正確にはサカキバラをモデルにしたのではなく、 先立つこと数十年前に起きた類似事件の方をモデルにしているのではないかと思われた。 (関連したノンフィクション本もあり) 映画化でもされたら上質なミステリーになりそうだとは思ったが、 絶歌のような騒動があると、それもサカキバラを増長させるかのようにも思え いかがなものかという気にもなってくる。 本書を読むと、加害者と被害者の残酷な温度差を実感できるかもしれない。 |
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サクサク読めて、なかなかおもしろい。
謎解きの入り具合も、やりすぎなくらい入っているが、いやむしろちょうどいい。 これくらい入ってくれている方が水増し感がなくて非常に好印象です。 トリックの精度に関しては、相変わらず脱力トリック臭が、ややあるものの 別に本を投げたくなるようなものではなくて、なかなか面白い。 作者の顔が浮かぶようだ。たぶん豪放磊落でダジャレ好きな気のいい人なのだろう。 自分でも馬鹿なトリックだなーと思いつつ、アハハと書いている気がする。 でも、それがいい。一緒に楽しめる感じだ。 もっとも最後の謎解きは、なるほどーと結構感心させられた。 読んで損はない。たくさん読んできた中でも水準の高い作品だと思う。 なによりおばあちゃんのキャラクターがよい。とても面白い一作だった。 |
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神様が刑事だから『神様刑事』。なんとわかりやすいタイトルだろうか。
神様が刑事だったら、ミステリー小説にならないだろうと思いきや、ナルホドな仕組みがある。 死者を生き返らせると豪語する神様刑事の存在が、すこぶる奇抜だ。 『神様ゲーム』や『さよなら神様』では、神様は謎解きする側ではなかったが、本作では神様が謎解きに挑んでいる。 『生ける屍の死』『死者は黄泉が得る』『七回死んだ男』等の変格ミステリをライトにした警察ミステリといった趣。 犯罪被害者支援を取り上げた内容でもある。どの作品とも被らないユニークな設定だ。 設定を生かしてシリーズ化されれば、より面白くなるだろう。 |
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