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レビュー数1

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No.1: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

贄の夜会の感想

かなり読み応えのあるハードボイルド作品。
とにかく長い。分厚い。けれどサクサクと読めてしまう。

殺し屋と、その相棒のパートが上巻の見せ場。ここはハードボイルド感満載。
非常によい場面がある、と言えば読んだ方なら、あああそこかとピンとくるだろう。

とにかく長いので時間が無いときには、あまりお勧めできないが、
歯ごたえのある作品であることは間違いない。

もっとも最後の犯人を特定していく下りは、もう少しひねりがあっても良かった気はする。
ともあれ、ハードボイルドミステリーの傑作であることに疑いようはない。

余談になるが本書には、あたかもサカキバラセイトを彷彿とさせる登場人物が出てくるが、
これは正確にはサカキバラをモデルにしたのではなく、
先立つこと数十年前に起きた類似事件の方をモデルにしているのではないかと思われた。
(関連したノンフィクション本もあり)

映画化でもされたら上質なミステリーになりそうだとは思ったが、
絶歌のような騒動があると、それもサカキバラを増長させるかのようにも思え
いかがなものかという気にもなってくる。
本書を読むと、加害者と被害者の残酷な温度差を実感できるかもしれない。
贄の夜会〈上〉 (文春文庫)
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