永遠の0
評判
永遠の0の評価:
3.96/5点 レビュー 2,077件。 S ランク
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全4,096件 1,161〜1,180 59/205ページ
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一連の戦争が自衛だったのか侵略だったのか、当時を知らぬ自分には知る由もないし、そもそも一言をもってこれを蔽うレベルの話でもないだろうが、しかし自分が受けた教育は明らかに後者のスタンスだった。殊に太平洋戦争は、不毛で非道な戦争だったと・・・。なんか自分までもが野蛮な国民性を受け継いだ恥ずべき人間なのかと後ろめたい気分にさせられたものだ。
実際昔の関連書籍の中には、例えば特攻隊のことを、国家と天皇に心酔し嬉々として死地に赴く狂信的集団と見なしている本もあり、違和感を覚えながらも当時を知らぬ自分は、そうだったのかも知れない、と思うことも一再ではなかった。
しかしこの本はそういった論調とは一線を画し、特攻隊員が決してそんな狂信的ロボットではないこと、止むに止まれぬ事情で死地に赴いたこと、そして今の日本人と同様、国家や天皇以上に家族を愛するごく健全な人達だったことを、かつて戦地に赴いた元兵士らの体験談を通して切々と訴えている。本書では、特攻前の隊員たちが笑みすら浮かべていたことにも言及し、実際自分が目にした写真にも、一人が仔犬を愛撫しその周りを囲む隊員達の達観したような笑顔が認められたが、あれを見てこの若者たちが軍部に洗脳された冷酷非道なロボットだとはとても思えなかった。今の若者と寸分違わぬ、陽気であどけない笑顔だ。
そういえば、日本人は礼節を重んじるモラルの高い国民だとよく言われる。災害時の物資受け取りの際もちゃんと列をなして順番待ちをし、派手な暴動や略奪行為も起きなかった。そして何より、どの国よりも平和を愛する国民だ。それはあの悲劇的な敗戦による反動もあるのだろうが、たかだか数十年前の同じ日本人が、現代人と全く違うメンタリティーを持った非人道的で残酷な国民だったとはとても思えないし、一部のそういう見解も、本書によって個人的には無価値となった。
しかしこの本、手放しには賞賛できず、正直言って突っ込みどころ満載でもある。
主人公は司法浪人のわりにはひどく幼稚だし、姉の安っぽい恋愛話はただただ邪魔なだけだし、やり手のはずの大手新聞記者が「特攻はテロだ」なんて偏向主張をしちゃったりと、お世辞にも文学的に洗練された作品だとは言いがたいが、そんな欠点を吹っ飛ばすほどの魂の叫びが聞こえてくる秀作だと思います。
もっとも、この手の知識に詳しいマニア諸氏には、ただのコピペ小説に見えてしまうのは如何ともしがたいでしょう。たしかにフィクショナルな要素が希薄だし、あってもかなりご都合主義的なので共感はしづらい。