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少女探偵の肖像
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少女探偵の肖像の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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本書の少女探偵とはナンシー・ドルー。本書の訳者は読んだことがなかったそうなのだが、自分の子どもの頃、図書館にナンシー・ドルーとハーディ・ボーイズのシリーズが各10巻、本の側面がそれぞれ金と銀に彩られ、新刊として入ってきたのだ。怪盗ルパンから推理小説にはまり、既に図書館にあった「少女探偵シリーズ」も全巻読破して、次はもうないのか?というところへ渡りに船だった。さらに時を同じくしてNHKでこのナンシー・ドルーとハーディ・ボーイズのアメリカ・ドラマが吹き替えで放映され、毎週楽しみに見て、将来の職業は探偵、と心に誓っていたことを懐かしく思い出した。 本書は、シシー・カルーソーという伝記作家が、ナンシー・ドルー・シリーズの作家キャロリン・キーンの伝記を執筆中で、(ナンシー・ドルーのファンには周知のことだが、このキャロリン・キーンは架空の作家で、1930年代にこのシリーズが始まって以来、代々、様々な人たちがこの名で作品を執筆してきたのだ)キャロリン・キーンはもちろん架空ゆえ、この執筆元の「ストラテマイヤー工房」を取り上げ、『工房の亡霊』と銘打って出版予定だった。ちょうどその頃に、ナンシー・ドルー・ファンクラブから、講演の依頼があり、そこでナンシー・ドルー・シリーズの表紙の絵のモデルであるグレース・ホートンについて語ることを予定していた。そのためエドガー・エドワーズという美術品蒐集家から、グレース・ホートンの艶めかしい絵を見せてもらったのだが、その後エドガーは殺害されてしまう。その他にも次々、事件が起こり、どうも絵に秘密があることが分かってきたのだが・・・。 この主人公のシシーが同世代ゆえ、考え方やユーモアに共感できるところが多くあり、またこのミステリ小説に纏わるミステリという構造に触れ、その昔、ナンシー・ドルー・シリーズをワクワクしながら読んだことを鮮明に思い出した。創元推理文庫ではナンシー・ドルー・シリーズが復刻されているのだが、やはり今さら少女探偵でもないだろうとも思うのだけれど、本書はそんな大人にピッタリな1冊だ。 | ||||
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ミステリ作家の伝記ライター・シシーは ロサンゼルス在住の40歳手前の女性。 ただいま執筆中なのは、アメリカでは少女探偵の代名詞である ナンシー・ドルーを生みだしたキャロリン・キーンの評伝。 だがナンシーの関係で知り合ったエドガーが殺害され、 彼からは謎めいた写真が送られてきた。 シシーは二人の親友、セクシーな美人パティシェ・ラエルと ヴィンテージファッション店オーナーのブリジットとともに 事件にまきこまれていく。。 シシーのシリーズは、これが第二作目なのですが ナンシー・ドルーに惹かれて本作を手に取ったため、 今作で初めて、シシーのシリーズを拝読しました。 キャロリン・キーンとナンシーにまつわる豆知識はもちろん、 実際にシシーが遭遇する、次から次へと巻き起こる事件と その謎がナンシーにうまく絡んでいるところが面白かったです。 事件の展開や、二人の親友との関係は ナンシーのシリーズを彷彿とさせました。 軽妙でちょっとシニカルなシシーの語り口も、よかった。 シシーの恋人との関係だけ、1作目を読んでいないのでわかりにくかったですが その他の点は、このお話だけ読んでも問題なく楽しめました。 | ||||
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有名ミステリー作家の伝記専門女流ライター、シシー・カルーソーの名探偵顔負けの活躍を描く好評シリーズの第2弾は少女探偵ナンシー・ドルーの生みの親キャロリン・キーン編です。本書を読んですぐに明かされるのが、女流作家キーンが架空の存在でシリーズは創作集団「ストラテマイヤー工房」の企画によって誕生し、複数のゴースト・ライターを起用して書かれたという史実です。今回は複雑で料理するのが難しそうな素材に思えますが、著者はナンシーの初版本コレクターやファン・クラブ会長を登場させ、表紙絵の初代モデルの実在女性グレース・ホートンと有名画家サルバドール・ダリが絡む、どこまでが真実でどこからが虚構か大いに迷わせる興味津々の物語を構築しています。 シシーはストラテマイヤー工房の伝記を現在執筆中の情報を得たナンシーのファン・クラブの女会長から初めての講演を依頼され、次いで初版本コレクターの男に紹介されるが、クラブの総会で講演を終えた夜自宅に立ち寄り彼が殺されているのを発見してしまう。シシーは事件の鍵が最初に彼と会った時に見せられた表紙絵モデルの肖像画にあると睨み、またもや迫り来る危険を恐れず積極的に謎を追う。 前作に登場したシシーの友人の中年女性二人ラエルとブリジットは本書でも健在で、少女探偵ナンシーの友人ベスとジョージが成長しておばさんになった体で、講演旅行に同行して彼女をにぎやかにサポートします。今回シシーは勘がピタリと冴え鋭い推理で犯人に迫りながら、猪突猛進でしくじって迎えた最悪のピンチを気合でねじ伏せる手並みはお見事の一語に尽きます。ロマンス面ではシシーが最初の夫に裏切られ離婚した事情が明かされ、今の恋人の刑事ピーターに慎重になる女心が切実で胸に迫りますが、エンディングの不器用な彼に漫才みたいな突っ込みを入れながらのラヴ・シーンにはまだまだ十分脈がありそうで今後に大きな希望を抱かせてくれます。 | ||||
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