猫物語 黒
評判
猫物語 黒の評価:
4.01/5点 レビュー 75件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21〜40 2/3ページ
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猫物語 黒の評価:
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【つばさキャット】で暦は言っている。「言わせてはいけなかった」と。
いやー、言うべきでしょ。
妥協しなきゃ生きていけないじゃん。
普通の人は、その言葉を言わせる為に、ちょっとイイ言葉っぽいのを連発してんじゃん。
「言わせてはいけない」なんて思う方が容赦ないよ。
そういう話。
つばさキャットで既に語られてるから書いてしまうけれど。
ブラック羽川の、なんとまあ不快なことか。
最強のくせに無関係の人間には軽い嫌がらせしかしない怪異。
許し難い存在に対してすら、数日の入院で済みしかも後遺症が残らない程度の軽傷しか負わせない怪異。
敵対し己を消滅させようとする存在と何百回も戦い勝利しながら、相手が死んでしまわないよう手加減する怪異。
・・・・・・なんだそれは。
怪異なら怪異らしく悪であればよいものを。醜くあればよいものを。自分勝手であればよいものを。己の感情のみを優先すればよいものを。他人のことなど思いやらなければよいものを。手加減など知らなければよいものを。
それをしない本物の善意。
忍野が言う通りだ、どう考えたって翼が悪いのだ、なにもかも。
翼が「本物」であることが悪い。
翼がいなければ彼女の両親はおそらく善良で優しい夫婦としていられたはずだ。経緯を見ればそんなの明らかじゃないか。二人とも養子縁組してるんだぜ。愛する人の血すら流れていない無関係の子ども、扶養義務なんかない、それこそ施設に放り込んでも誰も非難しない赤の他人の子どもと。養子縁組して、育てようと思ったのだ。それほどの優しい人達が、あんな風になったのは、どう考えても翼が悪い。翼のような人間と一緒に暮らして暴力もふるわず親として最低限の事をし続けた彼らは、むしろよく耐えたと言っていい。
弱さやダメさを受け容れることは、本当はとても簡単だ。
人は誰だって、自分のダメさや弱さを受け容れて、妥協して生きている。
他人の弱さを受け容れられないのはそれが間接的に自分に害を為すからであって、弱さそのものを否定するわけじゃない。
でも、
正しくあり続けるのは、とても苦しい。
正しい人の側に居続けるのは、とてつもなく苦しい。
その相手を好きであっても。好きだからこそ。
だから人は言う。
「弱くてもいいじゃないか」
「ダメでもいいじゃないか」
「間違ってもいいじゃないか」
「同じように人の弱さを受け容れてあげればそれでいいんだよ」
盗人を許す事と自分が盗みを働くのを許す事とは、まったく意味が違うのに、そう言う。
そうでなければ苦しいから。
その苦しさに耐えられる人間は、既に人間じゃない。怪異だ。
それでも暦は言う。
人でありながら怪異であることの苦痛を、誰より知っていながら、言う。
場合によっては、相手が自殺しかねない言葉を言う。
だからなんだろうな。と、思った。
そして、化物語の女の子はみんな好きだけど中でも一番好きな翼が、ますます好きになった。
彼女は容赦ないそのままで生きていけばいい。
ところで(白)も読んだのですが、その後で読み返すと、冒頭のモノローグが非常に興味深いです。
つまるところ、暦も怪異でしかないという事でしょう。