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(短編集)

アルマジロの手: 宇能鴻一郎傑作短編集



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【この小説が収録されている参考書籍】
アルマジロの手:宇能鴻一郎傑作短編集 (新潮文庫 う 28-2)

アルマジロの手: 宇能鴻一郎傑作短編集の評価: 4.38/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

さまざまな性と生、秀逸な作品集(ただのエロ作家ではない)

この作品集にも感動しました。
さまざまな生と性が詰まっていました。
メキシコのあるいはインドの、日本の。
「アルマジロの手」と「魔楽」が特に秀逸でした。
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No.5:
(5pt)

満足

記載通りで満足です
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No.4:
(5pt)

性と食

宇能鴻一郎氏の小説は露骨で露悪的に見える。実際に、書かれているのは際どい内容で、とてもPTAのお墨付きは得られそうにない。お上品な方々が眉をひそめるような物語ばかりである。宇野氏は小説のなかで性と食について、執拗と思えるほど微に入り細に入り書くのだが、それは性と食こそが生きることの源泉であるからに他ならない。性と食という具体的行為が生を支えるという、物理的な作用によって人間は存在しているのであるから。(そして、肉体をもった人間が存在することによって精神もまた存在しているのだから)

宇野文学のよさというのは、お高くとまった狭量なイデオロギーに毒されていない点にあるのではないか。それは、多感な少年期に敗戦を満州で迎え、一夜にして天地がひっくり返るような経験をしたこととけっして無縁ではないだろう。思想的にも、今まで右といっていたものがなんの弁解もないままに左に変わっていく様を目の当たりにして、思想信条というものの頼りなさやいい加減さを嫌というほど味わったに違いないのである。

本書は「姫君を喰う話」に続き、宇能鴻一郎傑作短編集第二弾として新潮文庫から出版されたものである。収録された7編は、怪異譚、民話風の話、滑稽味のある物語など宇能鴻一郎氏のヴァリエーションの広さを示しているが、共通して感じられるのは男のマゾヒズムである。その点で、表現手法は異なるが、谷崎潤一郎的と言えるかもしれない。そのマゾヒズムのほとんどが悲哀を伴いつつ肯定的に捉えられているのも興味深い。7編のなかでとくに気に入っているのは、悲劇的な物語が水彩画のような透明な美しさで彩られた「蓮根ボーイ」である。
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No.3:
(5pt)

食と性。

作者は芥川賞を受賞してから官能小説を書き、それが評価されたそうですが、
美味しそうな「食べること(食べ物)」の描写と、それに絡めた「官能的な性描写」が、絶妙でした。
昨今の芥川賞受賞作家も見習ってほしいなぁと思いました。
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No.2:
(5pt)

エロい!

短編集「姫君を喰う話」よりエロくてグロい。しかし文章力は圧倒的で、最近のライトノベルあがりのエンタメ作家なんか足元にも及ばない。本物の書く文章を味わって欲しい。
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No.1:
(4pt)

3年半ぶりに宇能作品を読んだ。

◯3年半前に短編集『姫君を喰う話』が刊行された時は、感動してしまって、予習復習であたし小説1冊とあたし小説でない小説1冊を読んで、あたし小説でない小説ならもっと読みたいと思っていたのだが、1冊も読まずに3年半が過ぎた。
で、『姫を喰う話』に続く本書が出て、すぐに読んでしまった。
◯オリジナル短編集で、短編7編を収録する。「鰻池のナルシス」「蓮根ボーイ」「海亀祭の夜」「アルマジロの手」がちょっと長く、「心中狸」「月と鮟鱇男」がちょっと短い。「魔楽」がその中間。単行本未収録は「蓮根ボーイ」だけ。他は過去の短編集からの再収録。
◯「魔楽」を除く共通点は動物または植物(「蓮根ボーイ」)が出てきて、比較的重要な役割を演ずること。「心中狸」ではほぼ主役。
◯それぞれに官能テーマがあり、「アルマジロの手」は捨てた女の亡霊、「心中狸」は人獣姦、「月と鮟鱇男」はスカトロ、「海亀祭の夜」は妻を提供する男、「蓮根ボーイ」は少年オーラル、「鰻池のナルサス」は青年を挟んでの母子姦、「魔楽」は少年愛。
◯時代は、「心中狸」は昔の話で、他の作品は戦前戦後の話。
◯短編集としては、『姫を喰う話』のように、多彩な、宝石のような作品集とまではいかないが、それぞれの性的嗜好・官能に殉ずる男たち(狸含む)の肖像・悲劇を動物を絡めて描いた作品を集めた面白い短編集とは思う。
◯ただし、こういう話が好きかどうかということになると・・大好きとはいえない。しかし、第三短編集が文庫で出るなら、読んでみたい。
◯私的ベスト3を選ぶと、第一位スッキリまとまったコメディ「心中狸」、第二位仕掛けの大掛かりな「鰻池のナルシス」、第三位は破滅へと一直線に進行する「月と鮟鱇男」。なお、「蓮根ボーイ」は吃音小説の佳作と思う。
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