ソドムの門 ある殺人者の肖像
評判
ソドムの門 ある殺人者の肖像の評価:
3.00/5点 レビュー 1件。 - ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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本書も後者の系譜に連なる作品で、薬害問題をテーマにした、著者の記念すべき50作目の大作である。
「東西薬品の抗生物質カルマナームで死亡者が発生」の情報に、中央日報記者・佃は大学時代の体験を想起した。九年前、彼はアルバイトで同社の治験(新薬開発のための臨床試験)に参加、治験仲間に重大な副作用が出たのを目撃したのだ。もしやあの時の薬では?調査の結果、カルマナームの治験は七年前と判明するが、疑念の晴れぬ佃はなおも取材を続行。
彼は自らの記憶を元に製薬会社、治験医師、そして薬害被害者の少年とその弟に接触する。やがて新薬認可をめぐる犯罪性を持った恐るべき事実と製薬会社・治験医師・厚生省・政界の癒着の構図とが見えてきた時、佃の中に変化が起きつつあった…。
いつしかジャーナリストの本分から逸脱して、堕してゆく佃の姿はいかにも現代社会に巣食う“病”を表現していて秀逸である。
と同時に、一連の事件の結果、サブタイトルである「ある殺人者」が誕生するという、現代社会の病巣に対する多くの問いかけと余韻を残して幕を閉じる物語からはやりきれないものを感じた。