輪違屋糸里
評判
輪違屋糸里の評価:
4.32/5点 レビュー 78件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1〜6 1/1ページ
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輪違屋糸里の評価:
4.32/5点 レビュー 78件。 A ランク
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ふわふわと風に揺れる木々のようで捉えどころのない、
しかし胸の深奥につきさる毒針のごとく、相手を魅了しつつも冷淡に排除する言霊。
「は」「ら」行の音と母音を多用しながら、上手く連ねていくそれは、
なかなか見事な節回しでした。
中でも島原の二人の天神のそれ、今の世でいえばギャル語なのですが愛らしい。
対する壬生八木家、前川家、
御内儀たちのそれはまた柔らかいようで抜け目のない、剣豪の刀のごとく美しい。
それに比較する、というよりも引き立て役、東男たちの野暮ったさ、
生真面目、朴訥でさえあります。
題材は新撰組、芹沢鴨暗殺事件。
凝った筋書き、なにせ会津藩主まで引っ張り出され、
最後の落ちまで因果はめぐる、という箇所は微笑ましくもありました。
が、ここが作家の作品アリバイ作り、というか意地悪読者を意識しすぎ、
なにかサイドブレーキを引いたまま喘ぎ喘ぎ走っている、
どこか重苦しい感がいたします。
強引な筋書き、ちぐはぐ、読者をけむに巻く、
そんな筆先でもこの会話の構成力、美麗な京言葉でねじ伏せてほしかった、
というのが素直な感想です。
私見ですが女性というのは、もっと狡猾、謎に満ちているというか、
更にずっと強欲で身勝手、損得抜きに感情に突っ走る、わけのわからない者、
そんなことを書き連ねる男も実はそうなのですが。
男の中の女性的脆弱さ、打算、倫理観の欠如、土方のそれでしょうか、
女性から見た女性の業の深さ、不可思議さ、
闇に包まれた底なしのどん底、喘ぐような絶望、
血糊の如き粘着で、かつ絢爛とした筆致で描いてほしい。
今後も熟練の技の披歴を願ってやみません。