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潮風テーブル
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潮風テーブルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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葉山の食堂「ツボ屋」を切り盛りしながら借金返済に奮闘する海果と愛。本当の姉妹以上に仲が良くなったふらりは、互いに支えあって不可欠の存在になっているようだ。 全編を通して、登場する人物は皆どこかしら不器用だ。地味に信金勤めをしている葛城にくらべ、大手企業で仕入れを担当している須田は上手くやっているように見えるものの、取引先に強気に交渉する姿は無理をしているように思える。 小さなキズや形が不ぞろいなだけで「戦力外通告」を受けてしまうトマトや魚介を使ったメニューが評判になるエピソードなどを読むと、これと言って取り柄のない自分も元気が出てくるようなきがする。 喜多嶋組長がこのシリーズの完結編を書くのは何時になるか分からないけど、その時は海果が借金を完済して母親が戻ってきて、愛の母親も元気になるとこを見届けたいです。 | ||||
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かつてないほど、貧困が進んでいる。いつからか、日本は貧富の差がとても大きい国に なっている。その日の食べるものに困る家庭、子どもの誕生日のケーキを買ってあげられ ない家庭があるのだ。でも負けちゃいない。自分の境遇を恨んだり、他人を妬んだりして しない。恥ずかしがることはない。胸を張って生きていれば、いつか返ってくる。神様は見ている。 湘南の風がやさしく吹いて語りかけてくれる。そんなことをとても強く感じた。 | ||||
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本作品は、潮風キッチン、潮風メニューと来た第3作目の作品です。喜多嶋作品のメイン舞台である、葉山に住んでいる二人の少女の成長物語で、逆境に耐え、それに流されるのではなく、逆境に立ち向かう様を『近所のおじさん』のような感覚で覗いて見られる感覚です。 最近の喜多嶋作品は、昔のような、格好いい主人公では無く、健気にも強く生きようとする主人公が、成長する作品が多いと思われます。 過去作である『夏だけが知っている』が、潮目が変わった作品であるような気がします。痛快なアクション青春小説だった作風が、時代と共に変化してきた感じです。 言ってみれば、マイケルジャクソンやマドンナの時代のポップがヒットしたアメリカの音楽シーンに、ビリーアイリッシュが登場して、一気にヒットチャートを駆け上がった現象のように、時代が「もう本音で生きたいよね」とでも言っているような、時代の流れを掴んで、先を行くような作品群を世に出し続けている、喜多嶋隆は、元コピーライターでありCFディレクターでもあったので、時代の流れを掴むのに長けているのであろうと思った。 本作品の根底にあるテーマはSDGsなのではないだろうか?今ほどSDGsが叫ばれる時代ではなかった頃から、喜多嶋隆はSDGsの精神が身についていたのではないかと思う。なぜなら、喜多嶋隆は本作品の舞台である葉山に在住であり、クルーザーを所有していたほどの海好きで、未利用魚が捨てられるというところを実体験として見ていたのではないだろうか? その事実を描いた潮風シリーズの根底にあるのは『勿体無い精神』と『自分は自分』という事だと思う。それが表れるのは『タコはタコでイカはイカの味』という件だ。僕は精神障害が4つあります。でも、それが何?僕には僕の長所と短所があり、それが僕のパーソナリティです。それはどんな人にも当てはまっていて、貧しい家に生まれたとか、裕福な家に生まれたとか、身体能力が高いとか、勉強ができないとか・・・それはすべて、その人のパーソナリティであり、十人十色で良いと思う。 本作品は、ぼーっとした海果、強かな愛。パーソナリティが違い、そのコントラストがとてもバランスが良く、ここも喜多嶋隆の長いキャリアからくる特徴なんだと思う。 強い少女が主人公だと僕は思うが、世に言われる強さって、鋼の強さを想像すると思うが、僕が本作品の主人公に感じた強さは、柳のしなやかな強さではないかと思った。鋼鉄は確かに表面上は強いが、より強いものとぶつかった時には簡単に折れてしまう。それに比べて、柳のしなやかな強さは、どんな強い風が吹こうとも、その風に合わせて、しなることで折れることを回避している。 本作品の主人公の二人は、正に柳のように、しなやかに、問題を回避するのではなく、解決していこうと行動するのである。そのさまは、二頭の姉妹の豹が、風の吹く崖の上でジッと空を見ている様であると、僕は思った。 僕は商業カメラマンという仕事をやっています。撮影するのは芸術作品ではなく、商業で使う写真や動画です。そうなると、撮影対象は、基本的に素人さんになります。本作品中で『何枚撮っても同じ、最初の一枚が一番いい』というところに共感を覚えました。 | ||||
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「本当に大切なものは、金では買えないんじゃないかな…」 友情、思い出、夢…。この作品を読むと、自分の大切なものがいくつあるか、数えてみたくなる。 爽やかな潮風とともに、心にしみる1行を読み返しています。 | ||||
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