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記憶汚染



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【この小説が収録されている参考書籍】
記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)

記憶汚染の評価: 4.00/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

伝奇SFとしては底が浅い

作者のテーマがどこにあるのかよくわからない。物語の大枠を見れば、半村良系の伝奇SFの手法である。しかし、舞台を近未来に設定したせいか、新しいガジェットが登場するたびに地の文で解説が続き、読者が物語世界に入り込めない。読んでいてもぜんぜん臨場感がないので、エンターテイメントとしては失格である。解説にあるように、アイデンティティをテーマにしているともとれる。しかし脳にコンピュータを埋め込めるほどの時代に、個人認証をワーコンという身体から分離可能なデバイスのみに頼るのは、リアリティがない。そんな危ない世界が登場してしまう、背景説明が浅い。アイデンティティ・テーマのSFであれば、近年ではイーガンの作品が出色だが、あれに比べるとお粗末だ。では、作者お得意の組織論がテーマかと言えば、書いてあることは同じ作者の『ウロボロスの波動』とさして代わり映えがしない。オープンソース論では欠かせない『伽藍とバザール』を読んでいれば、目新しいことでもないので、何をいまさらという感じである。結果として、どこに焦点があるのかさっぱりわからない小説で、しかも結末で一気に話の片を付けているため、前半の物語が弱い。どうにもすっきりしない読後感であった。
記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)より
4150307407

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