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船に乗れ! III 合奏協奏曲の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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高貴で在る事はとても辛い。エリコはいい人間ではないがとても魅力的だった。 | ||||
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物語に登場するクラッシックを楽しんでいます。 | ||||
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何か、自分のこととしてしか捉えられないくらいこの話にはまってしまって、読んだときは苦しくて苦しくて仕方なかった。南のことが大好きで、だから許せなくて、そんな自分が嫌でたまらなかった。この小説は舞台化されていて、あまり普段ミュージカルなど観に行かないのに出かけていった。南が生きていて動いて笑ったりしていた。この芝居の中の南に出会えたことで、彼女には彼女の人生があって、それを精一杯生きたのだと心から思い、胸がいっぱいになった。優れた小説でありながら、他の表現に補完されて完結するというようなこともあるのだなと思っていたが、じつは作者自身が似たようなことをどこかで言っていて、なあんだ本人がそれならいいか、などと笑いながら思った。心に触れる人にとっては大切にそっと抱きしめながら人生を送るような、そんな作品だ。若い人、音楽をやる人には特に、やらない人にもまた是非勧めたい。 | ||||
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幾ら小説とはいえ「おじいさま」などとよく書けるな、と気色悪く思いながら第1巻は読んだ、 ストーリー自体には共感もしたし興味深く読んだが、ややくどい。 VとBの日本語表記を分けて書くのは構わないが、ヴェーゼンドルファーではない、Bです。 よく「ヴィバルディ」などと知ったかぶりして書いている奴が居るが、それと同じ間違い。 津島君の恋の先行きや美人ピアノ先生の昔話などはどうでもよいので2、3巻は遠慮することにします。と第1巻の感想に書いてしまったのだが つい2、と3巻も読んだ、くどい哲学の部分は跳ばした、読みながらたくさんの音楽と、昔の(自分の)音楽仲間の顔が思い浮かんだ。 フルート君との恋よりも美人ピアノ先生との恋を予想していたがそれは外れたものの、楽しく読んだ。 しかし、誤字や思い違いが多い。ハフナーからジュピターに曲が変わるときどうしてオーボエが抜けないといけないのか? 上にも書いたがヴェーゼンドルファー以外にも、作家とは思えないような誤用が残っている。 テンポがはやいのは「早い」ではなく「速い」で、首席も「主席」ではない。 編集者も能無し。 | ||||
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最近�T〜�Vをまとめて読みました。個人的に大当たりの作品です。 特に印象的だったのは、枝里子からサトルへ宛てた最後の手紙の締めの部分です。�Tの甘酸っぱさ、�Uのどうしようもない悲劇を経ているからこその感動があります。 | ||||
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全3巻。本屋大賞の話題作か、と気軽に手にとってビックリ。読み始めると止まらない。 恵まれた家庭環境、音楽一家のなかで、自らを非凡な人間であるとみなすプライドの高い主人公。第一志望の高校受験に失敗、しぶしぶ入学したレベルの低いはずの学校で、思いがけない出会いがあった。才能ある男友達、気の良い女友達、美しいピアノ教師、哲学について興味深い授業をしてくれる自由な視点の倫社の教師。 そして主人公は恋をする。チェロに。音楽に。それからヴァイオリンを弾く同い年の女の子に・・・。 作者自身の青春期と重ね合わせつつのフィクション。内容と展開は西澤保彦『黄金色の祈り』を思い出す。作者、藤谷氏自身もインタビューで答えていたが、ラブストーリーとしての展開には、夏目漱石を思わせる部分も。 読者が知らない専門知識を、あたかも知っているかのように読ませてくれる丁寧な文章。主人公たちの鼻持ちならない部分はマイルドに、会話文はいかにも高校生らしく溌剌として、特に1巻はものすごく面白かった。あんまり面白いので、思わず書棚からカザルスの『鳥の歌』の文庫をひっぱりだして再読。さらにバッハの『無伴奏チェロ組曲』(もちろんカザルス)のCDをひっぱりだしてきて、聴きながら続きを読んだ。だけどニーチェも読みたくなるしプラトンも、ロマン・ロランも、と異様にテンションが上がってしまった。 しかし3巻に入ると気持ちが冷える。まずは2巻の後半で訪れる衝撃的悲劇が、ああ、これか・・・と。だが、どう収束するのかが気になるので読み進めていくと、・・・うーん。 スッキリと納得できないのは、男子高校生の恋物語を、男性作家が一人称で書いている、それを、大人の読者、しかも薹がたって、ひねくれまくった、女性読者が読んでいるせいかもしれない。 あるいは主人公の関心がチェロから離れていくにつれ、一人称の文章からも音楽的な感動がだんだん薄れていく、そのせいかもしれない。 現実離れした、ご都合主義のラストシーンでない点、とても良い・・・と思いつつも・・・うーん・・・単行本の帯にあった「感涙の最終楽章」という感じではない。 個人的には、音楽そのものの魅力を、柔らかく・わかりやすく・奇をてらわずに描いた、1巻にこそ「感涙」、でした。 (現在は文庫本があります。収録作、内容は文庫の方が多いようです) | ||||
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打ち込めるものがあること。 いいですね。 年齢的にも、いろいろと考える時。 悩んで、成長。 | ||||
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一巻は、「一瞬の風になれ」のオーケストラ版のような、素晴らしい青春小説だと思って 読んでいました。しかしその爽やかさは二巻から段々なりを潜め、代わりに生きることのままならなさや、 人間の闇の部分が浮き上がってきます。 ラストの主人公の独白はとても印象に残りました。 結局、生きるということはままならないことばかりで、大切なものを失って、また得て、そして失っていく その繰り返しなのだということだと、感じました。 誰の人生にも、サトルにとっての新生学園での毎日のような、かけがえのない、まぶしい楽園のような日々があって、 その日々を失っても人は生きていくしかなくて、航海は死ぬまで続く。 安易に青春時代をノスタルジックに振り返る小説ではなかったところに、とても感動しました。 最初は「一瞬の風になれ」のオーケストラ版だと思いましたが、読み終えた後は「ノルウェイの森」の青春オーケストラ版 のように思えます。 | ||||
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一気に三冊読みましたが、あっという間でした。 面白い本に久しぶりに出会えて、ぐいぐい引き込まれる感覚を思い出しました! 夏休みに読みたくなりますね! | ||||
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3冊を読み終えて、決して「面白い!!」だとか「良かった!!」というような感想は出てこなかった。なぜなのか、これまで本を読んでいてこんなことを思ったことがないが、続きを読みたいという感情と、もうこれ以上は読みたくないという矛盾した感情が、矛盾なく両立しているような気がした。フィクションではなく、この作品に書かれていることがまるで現実に起こったことのように本当にリアルに書かれているとも思った。実際に作者が自分自身の過去の実体験や思いを、正確に再現してような感じだ。盛り上がりに欠けることもなく、その盛り上げ方も不自然なところもなく、現実の過酷さ冷酷さと調和させているところに、リアリティを感じたのかもしれない。 メイン舞台は高校時代(今より数十年前の設定であろう)となっているが、ただ青年の青春をさわやかに描いているというより、この時代に思っていて言葉に表現できないような思いを、さまざまな現実を経験した大人の視点から語っている作品だと思う。だから、未熟な私自身にとって納得のいかない場面もあったし、理解できないようなところもあった。もし自分が高校時代にこの本を読んでいたら尚更、理解出来なかったと思う。読んでいて何度も同じ部分を読み返すことも少なくなかった。読み終えた後、何か考えさせられてしまう、それも本の内容というだけでなく、自分のこれまでの生き方まで……そんな本だ。 音楽の専門知識に触れているところはともかく、哲学的な部分もあるので、読んでいて好みも分かれるだろうと思う。 「面白かった!」とは私は思いませんが、この作品の文章の書き方やとらえ方がとても魅力的に思えたので☆5つ以上付けようと思いました。この作品が何かの賞をとっていないことが正直、不思議でなりませんでした。 あとから気がついたので、付け足しておきますが、私はハードカバーの方を買ってしまったので少し後悔しています。…というのは、後から出版された文庫版には、27年後の伊藤との「再会」を書いた短編が新たに3巻の最後に加えられているようなので、今から買う方は、文庫版の方をお勧めします!! 短いですが、文庫版の一巻の最後の解説に、この小説の作者について書かれた部分があったので、この作品に作者のどういった思いが込められているのか、なぜここまでリアルに書けたのか、判った気がしました。(この解説もハードカバーの方にはありません。尚、2巻は文庫の内容とほぼ同じようです。)私なりの解釈ではありますが、最後の方に書かれた「僕が壊してしまった人の姿は」(最初は金窪先生の事だと思いましたが、)、もう一人の自分、すなわち作者自身だったのではないかと読み返してみて思いました。 | ||||
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1巻から一気に3巻まで読みました。 このレビューを読む人は、1・2巻を読んでいる人がほとんどだと思います。2巻で止めずに是非最後まで読んでください。青春時代の葛藤や挫折が大人になった彼をどんな風に成長させていくのか。 1・2巻を読んでいる最中はもちろん、3巻を読み終わるまでこういう終わり方をするとは思わなかった。 この不況の中で、大学は就職予備校と化し、本来専門科目を学ぶ3年次から就職活動に追われているニュースをやりきれない思いで見ています。この若者たちは何の為に大学へ行き、専門的なことを学習するのかと疑問に思います。最近の大学生は、勉強したい大学へ行くのではなく、就職しやすい大学や専門を選ばざるを得ない、本当にかわいそうだと心を痛めています。 私のように音楽が好きで、それを勉強したいから音大へ行く・・・そんなことは許されない時代になりつつある。でも、本来大学というのは好きな学問を研究するところであるはず。音大出身の自分と重なり、途中辛いところもあったけれど、終わりまで読んでよかったと思う作品です。 音楽を学んで良かったと自分を肯定できる爽やかな終わり方でした。 | ||||
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南の再登場にはびっくりした。金窪先生にも気持ちにけりをつけた。いろいろなごたごたを整理して、静かで納得のいく終幕だ。だが、最も印象に残ったのは伊藤慧。あんたやっぱりなあ。「パートナーに恵まれてる」ってなあ。死ぬ気で好きだったんだなあ。2巻でからかってごめん。 | ||||
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ちなにみ音楽の知識はまったく無くても完全に堪能できます。 これほど感情移入させられる小説は久しく読んでませんでした。その分いい意味で?後遺症が長く残りました。 1巻目は遠くなった自分の高校時代を思い浮かべながら、微笑ましくも羨ましいと思いつつ楽しい気分を味わってました。 高校生になった子供にも読ませたいなくらいの長閑な読後感でした。 そこで2巻目、あまり警戒もなく感情移入していただけに受けたショックは並大抵のものではなかったです。 主人公の受けたショック(あまりに理不尽に思える状況へのやり場のない怒り)がまるで自分の経験のなかで、つい最近起きたかのような 衝撃を受けました。その感情は2日たっても消えず、ある意味辛かったです。 3巻目では、そんな気持ちが解消されるのか、なんとかハッピーエンドに導いてくれるのではとすがる様な気持ちで読み始めたました。 でも3巻目も面白いし納得できる内容だったけど、ざわついた気持ちを静めてくれるものではなかったです。 それは自分の人生を振り返れば想像できるはずで、人生の航海中にハッピーエンドなんてあるはずも無いですよね。 書評の粗筋だけ読めば普通の恋愛、学園もののようなのに。読後のこの感情はどこから来るのでしょう。 最後に主人公は吹っ切れたと語るところがあるけど、3巻読み終わっても未だに気持ちのざわつきが治まらないです。 後、気になって仕方が無いところがひとつ。17歳の女の子の気持ち等わかるはずも無いけど、南は夏休みに別の彼氏と付き合った後、 何事も無かったら主人公とどう付き合うつもりだったのでしょう。だれか聞かせて下さい? | ||||
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青春時代は輝いて見える。過去を振り返ると、そう感じる。本書も輝かしき青春時代の思い出をつづったような物語であった。 現在とのギャップがあるからこそ、小説としては光り輝くのであろうか? | ||||
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音楽高校を卒業するまでの最終学年を迎えた主人公・サトルと仲間たち。 ある人の「空白」を抱えたまま、最後の時間をそれぞれの道を模索しながら 音を作ってゆく日々。 卒業前提の話なので、感傷的に泣かせに走る手もあるし、あるいは、皆が 成功して立派な音楽家になりました、めでたしめでたし、と、きらびやかに 終わる手もある・・・が、作者は、どちらの手も使わず、淡々と、力強く その「最後の時」を描くのだ。そして、それ以降の大人になった彼のことも。 音楽や恋に打ち込んだ日々を、ただ「せつなかった」「充実してた」と言いきれずに これだけ長い紙数を割いて、そのもどかしさも、わけのわからなさもすべて 描き切ったからこそ、ラストの主人公の静かな姿にグッとくる。 | ||||
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“未来から過去に声が届いたことはかつてなく、ここで今の僕があの頃の僕に何をいってもはじまらないが、それでも僕はあの頃の僕に向かっていいたい。”(2 独奏より) 青春小説ということで、ライトノベルのような作品を想像していたが、実際はどっしりと読み応えのある作品であった。 特に、主人公・津島サトルの音楽に対する自信や不安・恐れ、そして恋心など、青春時代特有の瑞々しくジリジリする心の動きが本当に見事で一気に惹き込まれる。 読んでいる間中、津島サトルと一緒になって胸がジリジリし通しであった。著者の筆力に感服した。 今、大人になってそれなりに幸福な生活を送っているとしても、あの時に「失ったもの」はもう二度と戻らない。 何十年経とうと変わらない生々しい傷。 そういうものを読者の胸に刻みつける作品。 後世に残るであろう傑作です。 | ||||
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第1巻の淡い恋心(でも、そこには影があった)に自分の過去を思い出し(笑)、第2巻の (予想以上の展開に)胸を苦しめられ、且つ考えさせられました。 そして、完結編となる第3巻が満を持して登場。 今まで、小説で楽しんだり、考えさせられることはありました(と言っても、読書量に 占める小説の割合は低いです)。この作品も「音楽とは何ぞや(これはメインでは無い)」 とか「人生とは何ぞや」をエンタメと言う包みに包んで読者の目の前に持って来ます。 でも、それだけでは無いのです。 主人公の様な体験は、現実に置き換えてもレアなケースでしょう。でも、それがもたらす 結果というのは、多くの人が通って来た道、いや、今も通っているのでは無いのでしょうか? 主人公の体験に自分の経験を重ねる・・・それ故に自分の痛み、他人の痛みが、ページを めくる手や文字を追う目から伝わって来ます。 詳しくはネタばれになるので書けませんが、一見、何を意味しているのか?なタイトルも そこらへんを・・・しています。 その結果・・・イイ歳したおっさんですが・・・泣きました。登場人物のそれぞれの想いが −作中で登場する音楽のように−それぞれによって奏でられ、そしてそれはアンサンブル= 分かり合えることもあれば、そこに至らず・・・なこともあるのです。そこら辺をお茶を濁す こと無く正面から堂々と描いています。それに故に涙腺を刺激したのです。 読破後、私の中に湧きあがった感情は何処までも広がる切なさでした。しかし、その切なさ ゆえに、本作は読者の心に響くと思うのです。 そう、舞台は作りごとでも、中身は自分が通って来た道だから・・・ 附:作中に登場するクラシックの各曲。確かに知らなくても、知っていた方がより楽しめる のは事実です。それに藤谷氏の筆運びが上手い。知らないなら知らないで「どんな曲か?」 と聴きたくなるのですから。 | ||||
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日本では年間約7万点の書籍が刊行されているという。 出版不況が引き起こした洪水のようなものだ。 新刊サイクルの流れはますます早くなっていく。 このうねりに酔いながらも、 駄作、良作、読まなきゃわからないものにお金と時間をかける。 そんな読書の航海がやめられないのは、 まさしく本書のような傑作に出会えるかもしれない、と思うからこそだろう。 1,2巻があまりに面白かったので、 意味もなく心配してしまったが、 文句のつけようのない見事な完結編。 | ||||
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巻を措く能わず、つまり読み始めたらやめられない。今、この本を1巻からまとめて読もうと思っている人はラッキーですね。2巻からずっと待たされてきたこちらの身ときたら!Webの連載ページで読もうにもいいとこで終るし。いやあ、待った待った。待ちくたびれた。 1巻を読んだところで藤谷治の最高傑作と確信。2巻を読み終えて、2009年読んだ小説のベストに決定。今、3巻の最後の行を読んで言えるのは、日本における青春小説の古典がひとつ生まれたということ。 音楽をテーマにした小説の例えに野球を持ち出すのもなんだが、割と変化球の得意な器用なピッチャーというイメージのあった作者が、今回は最初からストレートを投げてきた。2巻のラスト辺りは「何もそこまでクソ真面目にストレート一本でいかなくても…。いつもの軽妙なタッチに逃げればいいのに」とも正直思った。だからこそ3巻は不安だった。制球が乱れるのでは?肩が壊れるのでは?ここまで来たら最後までストレートでいって欲しいが、最後の最後で変化球に逃げるのでは? しかし作者は最後まで投げきった。不器用なほどにまっすぐのそして重い球を。村上春樹タッチも無し。メタ展開も無し。現代の小説界には不似合いなほどどっしりとして大柄な風格を持った小説が誕生した。 もしかするとこの小説を古めかしいと感じる方もいるかもしれない。古めかしいんじゃなくて、ヘッセやツルゲーネフなんかの古典の薫りがするんだと思う。だからこの作品は10年後、20年後も読み継がれるだろう。 | ||||
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