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イエスの生涯
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イエスの生涯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全89件 81~89 5/5ページ
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そもそもイエス・キリストとは如何なる人物だったのか?世の神学者の永遠のテーマとも言うべきこの問いに、遠藤周作がさまざまな資料を紐解きつつ、彼なりのイエス像をゆっくりと深く語っている作品です。 彼の最大の疑問は、なぜあれほどまでに数々の奇跡を行ったイエスがああも無惨な死を迎えなければならなかったのか。そして無惨に死んだはずのイエスがどうしてキリストとしてかくも崇められるようになったのか、という二点。 私はキリスト教信者ではありませんし、そもそもどちらかというと絶対神なんてものは存在しないと思っているので不敬極まりないのですが、それでも著者の語る「無力なるイエス」なら信じられる気がします。神的な存在ではなく人として存在したイエス。試練ばかりを課す神に対し、それでも決して神への愛を疑わず、最後までその愛を説き続けたイエス。それは結局、神がすべての人間を愛するように、すべての人間は自分以外のすべての人間をもを愛すべきだ、と説いているように私には感じられました。 なんとなく疲れた時に心に染みる一作です。 | ||||
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何の予備知識もないままに、映画「パッション」を観ました。 この本を先に読んでおくべきだったと後悔しています。 「なぜユダは裏切ったのか」 「なぜイエスは奇蹟を起こして助からなかったのか」 といった疑問が氷解しました。 ただ、ある程度の基礎知識は必要となりますので、 阿刀田高の「新約聖書を知っていますか」をお勧めします。 次は続編の「キリストの誕生」を読みます。 | ||||
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遠藤さんが長年の作家生活と信仰の中で見出したイエス像「永遠の同伴者としてのイエス」を描いた作品。注意して頂きたいのは、遠藤さんは決してこの作品をもって他の信者のキリストとしてのイエスへの信仰を否定しているのではない、ということです。 イエスとはどんな人間だったのか、「神の愛」を説いたイエスの真意は何か、イエスを裏切ったユダの心の深奥は、なぜイエスは民衆から歓迎され、そして見捨てられたのか…などなど、史料や過去の研究成果、遠藤さん自身の考えなどが織り交ぜられ、当時の史的背景やイエスの人間像などが語られていきます。「よく考えれば、聖書とかキリスト教についてあまり知らないな…」という方にこそオススメです。読みやすいし、当時の社会状況、各人物・(ユダヤ教)宗派の事情などについてかなり理解が深まると思います。 私自身愛読してきた、心にしみる一冊。ちなみにこの本の続編ともいえる「キリストの誕生」もオススメです。 | ||||
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遠藤周作とamazonで検索すれば、彼が敬虔なキリスト教徒であったことは、その著作からすぐに判るが、彼をいわゆる「信者」扱いして欲しくない。彼は、思考を止めない。 愛するべきイエスが何故、愛するに足るのか。莫大な資料と大胆な推理によって、時には学術的に、そして時にはサスペンスのように物語を構成し、イエスという「人間」の人格を描ききったのが、この作品である。 そこでは、遠藤の人生論がイエスによって語られているようでもあり、イエスによって遠藤が確立したようでもある。 他方、「イエスの生涯」につづく作品、「キリストの誕生」は、イエスの死後、弟子たちの布教活動を通して、イエスが神格化されていく様が描かれることになる。ここでの疑問は、イエスが何故神になったか、ということであるが、遠藤の考え方をよりよく語るのは「イエスの生涯」の方である。 一見「生涯」の方がとっつきにくいかもしれないが、それは、遠藤が、自身の愛するイエスの人格像を描くにあたり、感情移入を避け、極力冷静、客観的に論じることに徹したことの証でもある。 イエスという実在の人間像を探求する書物は数多あるようだ。中には、イエスをローマ帝国に対するテロリストとして描いたものもあるという。僕は遠藤が描くイエスがいい。遠藤の描くそんな人間が人類の歴史上存在したのなら、人間も捨てたもんじゃないんじゃない、などと思うわけです。 ちなみに、有島武郎の「惜しみなく愛は奪う」(だったかな)もおもしろいです。ぜひ。 | ||||
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宗教には全く興味がなかった私。 幼い頃、クリスマス会で聞いた イエス像と、この本のイエス像は かなり違ってびっくりしました。 イエスが日雇い大工だったなんて 知ってる人少ないんじゃないかな。 実際のイエスはどうだったか、 奇蹟についての定義など、 現実に則した観点から述べられていて、 共感できる部分や問題提起があって イエスの見方が変わる一冊です! ただ、難しい言葉に眠くなり 理解するには、何度も読む必要が あるから星4つ。 | ||||
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欧米のカルチャー(ブランド品に代表される≪モノ≫や思想等の≪心≫)が大量に入って来ている日本だが、モノは理解できても、思想などの内面(心理)の部分で違和感を覚えたり、反発する事が多いのではないか? その違和感がどこに原因があるのかと考えているうちにこの本に当たってしまった。 「イエスの生涯」には愛が溢れている。でも現在起こっているテロの原因は? 読んで惹かれていきながら、それでも宗教への懐疑・・・まだ解けません。 読了後の感動と、それでも現代人は完全には宗教に依存できないと考えしまう。それでも読んで欲しい1冊。 | ||||
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キリスト教は、イエスの奇跡の上に成り立っている宗教だ。彼は次々に死人を甦らせ、自らも死から3日目で復活を果たす。もしそうした奇跡がなかったならば、今日キリスト教は存在していないだろう。 ところがこの作品で、作者はキリストの奇跡伝承をことごとく排してしまった。教会関係者の困惑を余所に、作者のメッセージは明快だ。「イエスは奇跡など行わなかったが、奇跡よりもっと深い愛がその窪んだ眼に溢れていた。彼の生涯はそれだけだった」(本文より)。要するに遠藤周作は、たったこれだけのことを伝えたくて、この作品を構想したわけだ。 せっかちにストーリーを追うのではなく、細部をゆっくり味わいたい。そのためにはある程度聖書について知っておいたほうがよく、まったくの初心者には、先ず三浦綾子さんの『新約聖書入門』(光文社)からお読みになればよい。 | ||||
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それほど多くない文章の中に、イエスの誕生から、その時代背景、聖書に記された内容の真偽、その宗教的意味等、イエスを余すところなく、伝える内容は、キリスト教という宗教を信仰しないものにっても、そのイエスの苦行を知ることができ、非常に感動的な内容です。奇蹟そのものの内容が先行しがちなイエスの言動が、奇蹟そのものではなく、その中に包含される宗教的な意味合いを伝えています。 さらには、遠藤氏が敬虔なキリスト教徒でもあり、そこから来るイエスへの思い入れが熱く伝わってきて、胸を熱くします。 | ||||
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私の場合は、通っていた保育園の園長先生が敬虔なカトリック教徒だったので、クリスマスなどは、オブラートに包んだような奇跡の話であるキリスト誕生を演じる学芸会が、恒例のイベントになっていました。 イエスに関する舞台劇を行うにあたって、幼い園児が、まだ迫害という言葉を理解するに至らず、高校時代「イエスの生涯」を読んでキリスト教という宗教の歴史を知りました。数々の試練に遭いながらも人を愛し、人に仕えられたイエスを遠藤周作がイエス伝研究史として残しています。贖罪としての十字架の死の意味を宗教を超えて、ローマ帝国やキリストや弟子を描写していきます。 | ||||
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