■スポンサードリンク


信長殺すべし



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

信長殺すべしの評価: 2.89/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.89pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

何故、歴史ミステリーとして書いたの?

何故、歴史ミステリーとして書いたの?
撮影中の事故で入院した俳優(織田信長役)が、監督、脚本家、共演者を相手にまわして「本能寺の変」真相の推理合戦。『時の娘』『成吉思汗の秘密』の系譜に連なる歴史物ベッド・ディテクティブなのですが、歴史の知識を現代人が開陳して検証することの連続では関心の乏しい読者には難解だと判断したのか、再現映像なのかイメージ映像なのか、時代小説風の過去パートと現代パートを交互に展開するという凝った構成であります。
著者のよどみない文章力もあって、リーダビリティはよろしいのですが、過去パートはあくまでそれぞれの段階で紹介された解釈にもとづく再現映像?なので、時系列が頻繁に前後する上、必ずしも作中の事実として採用されているわけでもないため歴史小説や推理小説に読みなれない読者は混乱してしまうかも。
それにもう一つ、読んでいて楽しいことと説明が正しいかという点が合致しないのがこうした歴史ミステリーの悩ましさ。作中では羽柴秀吉役の噺家清風師匠が『甲陽軍鑑』を二流の史料と揶揄していましたが、出版当時は信用されていた『武功夜話』は仕方がないとしても、信頼性は三流以下の軍記物の記述なども無批判に「事実」として紹介されている他、個々の情報についても出典を明かしていないことが多く、厳密な検証とはいいづらいというのが正直な感想です。
妙心寺派を仲立ちにした明智光秀と武田家の繋がりに着目した点には感心したものの、解説を読んだらこの著者、山梨県の方だったのですね。本能寺の変の真相をおらが地元に誘致?という試みでしたか……。結論として開陳された推理は実証性に乏しく、立花京子著『信長と十字架』や明智憲三郎著『本能寺の変・431年目の真実』と同様、都合のよいように事実と解釈を繋いでいったら表面的には破綻のない説明が作れるよね、といった程度のもの。理屈と膏薬はどうとでもつくものなのです。
明智光秀の謀反が突発的なものだとの指摘や黒幕説への批判など、なるほどと思える説明は他にも散見されるものの、よくも悪くも、通俗歴史としての「本能寺の変」の解釈。これなら現代パートはやめにして、陰謀論的解釈にもとづく伝奇歴史小説として執筆した方がよかったのではないでしょうか。それとも、歴史ミステリーとして新説を発表する方が評判になるという出版社側の判断だったのかしらん。
本書の初出(ノベルス)は1993年。1990年前後の「本能寺の変」の一般認識の程度を知るつもりくらいで読んでみるのが正しいかも。

それはともかく、Amazonの商品ページのあらすじ!
「日本最大の国難、蒙古襲来を描く傑作冒険譚モンゴル平原に興った世界史上最強の騎馬帝国・元。チンギスハ-ンの再来、英雄フビライの攻めを迎え撃つ慓悍、精強の鎌倉武士団。歴史に秘められた驚愕の真実。 」
こんな内容ではぜんぜんございませんので、御購入を考えている利用者の皆さまは御注意を。
信長殺すべし (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:信長殺すべし (講談社文庫)より
4062633396
No.3:
(4pt)

ぐいぐいひきこまれて・・でも、最後でがっくし。

最後の最後で、えぇっ・・と思ってしまったので★4つ。

それまではすごく面白かった。
歴史+謎解きというテーマでは、古くは「猿丸幻視行」や、QEDシリーズなどに親しんでいるし、好きなジャンル。

少しずつ謎が解き明かされ、他の仮説との比較で語られ、かつその謎に対応するように
歴史の流れもなぞられる展開は、とても読みやすかった。
本当に、最後の章までは面白かったんだけど・・
もう、★5つ!って感じだったのに・・

・・・あれをありとされると、もうそれはそれで、なんでもありに近くないですか?
いきなりの失速が、前半の興味を激しく打ち消して、極めて遺憾と言いたくなって・・

★1つにまで落としたくはありませんが、しかし・・
信長殺すべし (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:信長殺すべし (講談社文庫)より
4062633396
No.2:
(5pt)

騙されたと思って読んでみてください

異説とタイトルに書かれてありますが、かなり信憑性が高い説だと思われます。 それもその説にたどり着くまでに、別の仮説を立て検証しています。 またこれが推理小説のような形式で書かれているため、飽きることがありません。 作者はよく細部に渡って調べています。 さりげなく真実実が次から次へと。 歴史好きな方には堪えられないでしょう。 私は友人に勧められて、ハマリました。
異説 本能寺 信長殺すべし (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:異説 本能寺 信長殺すべし (講談社ノベルス)より
4061816659
No.1:
(4pt)

読み進む内に読み応え有り。秋の夜長に是非。

信長の役をやるはずだったハムレット役者・多岐一太郎が病院のベッドでの上で「本能寺の変」の謎を映画監督、シナリオライターなどと共に推理する。

 信長を謀殺した光秀の後ろには黒幕がいたのか?秀吉、家康、足利義昭、正親天皇・・・と、それぞれの状況と心理が分析されていく。信長が森蘭丸に答えた言葉「是非に及ばず」と共に。

 そして、一太郎が導き出した結論とは。

 書店の推薦図書として積み上げてあったので新刊かと間違って買ってしまった私ですが、読み進む内に引き込まれてしまいました。読み応えあるものでした。

 必ずしも一太郎の推理に両手をあげて同意はしないのですが、本能寺の変の前後の光秀を始めとする秀吉、家康、武田の動きなど分かりやすく書かれていて面白かったです。

 個人的には信長のファンなので信長の人物像にもう少し深みがあればと思ってしまった。「怪鳥のような高笑い」が何度も出てくるので。
信長殺すべし (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:信長殺すべし (講談社文庫)より
4062633396

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!